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中国産e-Sportsチーム育成シミュ『eSports Legend / 電競伝奇』に挑戦!無名チームを世界の頂点へ導け

試合の挙動がリアルなeスポーツチーム育成シミュレーション『eSports Legend / 電競伝奇』のプレイレポートをお届け。

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先日プレイレポートをお届けした『太吾絵巻(The Scroll Of Taiwu)』に引き続き、本稿でも中国のデベロッパーが開発した気になるインディー作品をピックアップ。今回は、e-Sportsチームを運営していくシミュレーションゲーム『eSports Legend / 電競伝奇』を紹介します。

本作は中国のデベロッパー90Games(上海火拳網絡科技有限公司)、パブリッシャーのCoconut Island Games(椰島遊戯)より、Steamで10月18日よりリリースされました。主人公はe-Sportsチームの監督となり、選手を鍛え、幾多の試合をこなし、やがて世界の頂点に輝く名チームにすることが目的です。

タイトルの「電競」とは「電子競技」の略称。中国でe-Sportsを指すときに使う言葉です。ちなみに、Coconut Island Gamesは台湾産ホラーゲーム『返校』や、中国産ゲームの『Home Behind』『中国式家長』などの配信でも知られています。

『eSports Legend』の試合画面。5人対5人のチーム戦が行われる

『eSports Legend』では「MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)」というジャンルのゲームで試合が展開します。日本では『リーグ・オブ・レジェンド(以下『LoL』)』や『Dota 2』、『カオスヒーローズオンライン』などで知られているでしょう。

そんな「MOBA」をプレイしたことのない方のために簡単にルール説明をしますと、「複数のプレイヤー(一般的には5人)がチームとなり、協力して相手の陣営に攻めこみ、その拠点を破壊すれば勝ち」というゲームです。

逆に自陣を壊されれば負け。道中には、超強力な攻撃力を持った塔が何本も建っていて、射程範囲に入るとビームなどを放ってきます。それらを壊しつつ、前進していかなければなりません。敵とぶつかれば、そこで戦闘も起こります。5v5ということで、チークワークが重要視されるゲームです。

開催中の『LoL』2018年度世界大会から、Team Liquid対KT Rolsterの試合。競技性や試合の参考にどうぞ

日本ではMOBA/RTSの知名度が比較的低いため、e-Sportsと聞くと格闘ゲームかFPSを思い浮かべる人が一般的かもしれませんが、海外でe-SportsといえばMOBAが中心的存在と言えます。特に中国や韓国はプレイヤーが多く、『LoL』のプロリーグはもちろん、試合がテレビで放送されるほどです。世界大会では日本円で億単位の賞金が出る(2018年の『Dota 2』世界大会の優勝賞金は約12.5億円)ので、人生の逆転をかけてe-Sportsに乗りこむ若者も少なくありません。


e-Sportsはサッカーなどと同じように、反射神経や集中力を駆使して戦う「スポーツ」です。日々の鍛錬は必要で、誰でも参加できるという間口の広さからライバルも多く、結果を出せなければ所属チームからの解雇もあるという厳しい世界です。

年齢とともに反射神経も低下しますし、腕の故障でゲーム自体ができなくなることもあります。華やかな舞台の裏で、夢破れて散っていった人たちもたくさんいることでしょう。本作の主人公も、そのうちの一人です。

第二の人生を歩む主人公の熱きストーリー



ゲームを開始すると、まずはチーム名とシーズンを決めることに。画面ではシーズン8(S8)になっています。シーズンというのはランキング期間のことで、次のシーズンになるとプレイヤーランキングがリセットされます。また、新シーズンにともなってゲームの大規模アップデートが行われることが多いので、「シーズンの違い」は「ゲーム性の違い」とも言えます。現在『LoL』がS8なので、それに合わせてS8まで選べるのでしょう。今回はとりあえずデフォルトのS8で挑戦してみます。チーム名は「遊戯閃光」で。


チームエンブレムをエディット。デザインは多数用意されており、色の変更もできます。ちなみに本作はオプションからプレイ言語を英語にできます。今回はあえてオリジナル版の中国語で。


エンブレム作成後にストーリーが始まります。主人公はプロのe-Sports選手。しかし彼の手首は既に限界に達していました。あと一歩で優勝というところで手首が痛み、結果敗退してしまいます。手首も治らず、選手生命を絶たれて引退することに。



希望もなく、暗鬱とした日々を自室で過ごす主人公。そこへチーム「遊戯閃光」の創設者からのメールが。「手首の怪我で選手として復帰できなくても、あなたには長年にわたって多くの試合に出場した経験がある。もしまだチャンピオンになりたいという夢があるのならば、我がチームの監督になってほしい」。


自分にはまだできることがある……再び世界の頂点をめざす決意を胸に、主人公は家を出て、新たな戦場に旅立ちます。選手ではなく、今度はチームを勝利に導く監督として。ここに伝説の幕が開きます。

さあ、新チームのマネジメントをはじめよう!


『LoL』プロチーム「Cloud9」のメンバーによるゲーミングハウス紹介動画。こちらも参考に

主人公は「遊戯閃光」のゲーミングハウスへと向かいます。ゲーミングハウスというのは、チームメンバーが集まって合宿をする場所。選手たちはそこで朝から晩までゲーム漬けの共同生活を過ごします。参考動画は「Cloud 9」という『LoL』の有名な北米プロチームのゲーミングハウス。なんだか楽しそうですね。


ゲーミングハウスに着きましたが、選手がまだ到着していません。これから来る5人の選手のプロフィールを先に確認しておきましょう。選手には「操作技術」「反応速度」「精密さ」「注意力」の4種類のパラメータがあります。またゲーム中のポジションや得意なキャラクター、特技なども。選手の個性をうまく生かしましょう。


「遊戯閃光」の5人の選手が到着し、さっそくゲームをはじめました。この状態は「自由練習」です。経験値を得ることはできますが、プロである以上、もっと効率よくスキルを磨いていかなくてはなりません。そこでコーチを雇って特別訓練を行います。もちろん、実際のプロチームにもコーチ役の人はいます。

管理メニューのスタッフマーケットからコーチを探して雇用


コーチを雇い、特訓してもらいたい選手を選択。Gank訓練をおこない、反応速度と注意力を集中的に鍛えます。ちなみにGankというのは、「奇襲攻撃」のような戦法を指します。MOBA用語がたくさん出てくるので、『LoL』などを遊んだことのある人はニヤリとすることでしょう。

マネージャーも雇います。選手のスカウトや生活指導をしてくれます


5人1チームのゲームで、現在「遊戯閃光」のメンバーは5人ちょうど。1人でも欠けたら試合に出られません。スポーツと同じで、なにかあったときのために予備の選手が必要です。マネージャーを雇い、新メンバーを1人スカウトしてきてもらいましょう。

チーム「灰狐」との試合。全体マップから会場を指定して試合を予約します


チーム「灰狐」から試合を申し込まれました。試合会場を決め、あとは明日まで訓練の日々。夜になると選手たちは自由に行動をはじめます。選手を直接クリックして、「娯楽優先」「建康優先」「訓練強化」など行動を指定することもできますが、「活力値(体力)」と「心態値(精神力)」があるので無理させないようにしましょう。明日はいよいよ試合です。

戦いは試合の前から始まっている!



試合当日、ゲーミングハウスから車に乗って会場へ。まずはお互いの支持率勝負。戦いはすでにこの時点から始まっているのです。支持率が高いほど、試合開始時の「爆発値」が高まります。「爆発値」は試合中満タンになると任意のタイミングで発動させることができ、選手の能力が一時的に向上します。支持率は「遊戯閃光」の勝ちでした。


次に試合の選手配置。これも簡単に説明しておきますと、MOBAのマップには、互いの陣地へ向かうための道が画像のように三本あります。上の道を「トップレーン(トップ)」、真ん中を「ミドルレーン(ミッド)」、下を「ボトムレーン(ボット)」と呼びます。レーンの間にある緑色の部分は「ジャングル」と呼ばれます。

基本配置はトップとミッドに1人ずつ、ボットに2人、そしてジャングラーが1人。ジャングラーは「ジャングル」をうろついて、モンスターを狩りながら敵に奇襲をかける役割です。先ほど加入した新メンバーはミッドの選手。現在のミッドの選手よりレベルが高いので、入れ替えます。


さあはじまりました、Ban & Pick。ここでは互いのチームで使用するキャラクター(英雄)を選んでいきます。各英雄は1人しか存在しないので、早い者勝ちです。自動で決めてもらうこともできるのですが、今回はあえて手動でやってみます。『LoL』の試合を観るときも、この駆け引きがけっこう好きです。

「遊戯閃光」のトップ担当・Saoz選手の英雄熟練度。相手選手のパラメータも見ることができます

手順を説明しておきますと、まずはBanの対象にする英雄を選びます。Banとは、選んだ英雄を使用禁止にすること。それぞれの選手には各英雄に対して1~4の熟練度があります。画像はトップのSaoz選手の使用キャラで、シェン……ではなく「侍魂忍者」が得意なようです。得意キャラがBanされないことを祈りつつ、相手の高レベル選手の得意な英雄をBanしましょう。


互いに2人ずつBanが終わったら、今度は相手チームと交互に英雄を選んでいきます。選手の熟練度に合わせて、ボットにブラウム……ではなく「北境巨盾」。ミッドにはダルシムとライズが悪魔合体したような「奥術法師」。

「遊戯閃光」のチームバランス。タンク(敵の攻撃を受ける壁役)系の英雄が多いせいで守備型に

ただ選手の得意な英雄を選べばいいわけではなく、実際の『LoL』のようにチーム全体のバランスも考えなければなりません。英雄によってチーム全体のパラメータが増減し、守備重視のチーム、攻撃重視のチームなどが出来上がります。

また、英雄の組み合わせでチームボーナスが付いたり、悪い特性が付いたりなどもあるので、チーム全体を考えて選びましょう。選択途中で最後の1人のBanもおこなわれます。


ジャングラーに某蜘蛛女のような「毒刺皇后」、ボットに「憎恨之弓」を加えて選択終了。「遊戯閃光」はタンク系ばかりの防御に偏った鉄壁チーム、相手チームは試合コントロールに特化しています。これより5対5のチーム戦がはじまります。GLHF(“Good Luck, Have Fun”の略。試合前のあいさつ)!

「遊戯閃光」初試合開始!



試合がはじまりました。英雄たちはそれぞれの配置に向かっていき、自動的に試合を進めてくれます。プレイヤーのやるべきことは、チーム方針の決定。攻めの姿勢か、守り重視か、バランスか。ジャングラーも育成重視か、Gank重視か、バランスかなどを決められます。この試合の動きは本当にリアルです。

ゲーム中の試合動画。特にジャングラーの動きに注目してみてください

試合中の映像はこちら。見た目に大きな違いはありませんが、ジャングラーがモンスターを狩りつつGankしたり、仲間と協力してドラゴンを狩ったりなど、本当にMOBAの試合をやっているかのような動きを見せてくれます。

「遊戯閃光」の勝利。gg(“Good Game”の略。試合後のあいさつ)!


相手の拠点を破壊して勝利。試合後には選手たちの経験値や人気が上がり、また疲労で活力値が下がります。連続試合は禁物。ゲーミングハウスに戻り、戦った選手たちをしばらく休ませておきましょう。


「遊戯閃光」のジャングラーであるDiamond選手が今回の試合でMVPに選ばれました。使用英雄の「毒刺皇后」をバックに、無表情で喜びのダンスを踊るDiamond選手がなんかかわいいです。人気も少し上昇しました。これでほぼ無名だった「遊戯閃光」も少しは知名度がアップ。試合後はチームのグッズも売れ、収益が入ってきます。

世界の頂点をめざして!



試合に勝利するとファンたちから各選手にアイテムが贈られます。アイテムにはさまざまな効果があるので、必ず確認しておきましょう。管理メニューから、もしくは選手を直接クリックすれば持ち物を調べられます。


選手たちには良い習慣、悪い習慣があります。先ほどの試合後にだらけてしまったのが2名いるため、マネージャーに頼んで生活指導をしてもらいます。これによって悪い習慣を取り除くことができます。


「遊戯閃光」の勝利はWebニュースでも報道されました。これを機に、さらに選手をスカウトしてチームを強化し、スポンサーをつけ、ゲーミングハウスを拡張し、選手時代に果たせなかった世界の頂点をめざしましょう。「遊戯閃光」の戦いはこれからです。

現MOBAプレイヤーはもちろん、かつて遊んでいた人たちにもおすすめ!


対戦モードのチーム選択画面。単発の試合だけでなく、リーグ戦もあります

ゲーミングハウスの運営や選手のスカウト、育成など、『LoL』などをプレイし、試合を観るのも好きな人であれば、きっと気に入るゲームだと思います。特に試合ではBan&Pickもできますし、リアルな動きをする英雄たちを見るだけでも楽しくなります。また、チームを選んで対戦パートのみを遊べる別モードも用意されています。

筆者は以前、中国河南省にいたころに『LoL』をプレイしていましたが、現在は台湾在住で『LoL』から離れてしまった経緯があるので、『eSports Legend』の雰囲気はそんな自分にマッチしていました。選手を鍛えたり、チーム構成を考えるのは本当に楽しいです。現役プレイヤーはもちろんですが、MOBAからしばらく離れていた方、まとまった時間がなくてプレイできない方も、これを機にこのゲームをプレイしてみて、MOBAの思い出を呼び起こすのもいいかもしれません。

製品情報



※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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