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未知の体験をする喜びがあってこそ―水口哲也氏が『テトリス・エフェクト』に込めた“ゲームが持つべき魅力”とは

水口哲也氏の最新作となるPS4ソフト『テトリス・エフェクト』。発売日を11月9日にひかえ、11月1日~5日の期間限定で体験版の配信も決まりました。10月に行われたメディア向けのハンズオンによるプレイインプレッションと、水口氏へのインタビューをお届けします。

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未知の体験をする喜びがあってこそ―水口哲也氏が『テトリス・エフェクト』に込めた“ゲームが持つべき魅力”とは
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水口哲也氏が手がける、PS VR対応のPlayStation 4ソフト『テトリス・エフェクト』。発売日の11月9日までいよいよあと10日となり、11月1日~5日の期間限定ではありますが、体験版の配信も決まりました。本稿では、10月に行われたメディア向けのハンズオンによるプレイインプレッションと、水口氏へのインタビューをお届けします。

◆ルールはそのまま、されど新体験――水口氏ならではのまったく新たな『テトリス』


テトリス・エフェクト』には「Journey Mode(以下、ジャーニーモード) 」と「Effect Modes(以下、エフェクトモード )」という二つのモードがあり、今回はジャーニーモードの序盤3ステージをPS VRで試遊しました。最初のステージである「The Deep」は海を模したステージで、VRで遊んでいることもあり、テトリミノ(ブロック)を上から下へと落とすのではなく、まるで海中に沈めていくような独特の感覚に襲われました。ラインを消すことに少しずつ楽曲の音色が増えていき、やがてはアナウンストレーラーで大きな話題を呼んだボーカル曲「Connected(Yours Forever)」に。


YouTube:https://youtu.be/zCQqZnvzIQY

このトレーラーを見たとき、筆者は「いい曲だけれど、テトリスにボーカル曲なんて合うのかな?」と感じてしまいましたが、これが大間違い。トレーラーでは適切なタイミングで挿入されているドラムの音が、なんとテトリミノを設置させたりラインを消したりしたときのSEだったのです。それがとても心地よく、「楽曲に合わせてテトリミノを落とす」などというこれまでにまったくしたことがないような遊び方をしてしまいました。(編注:筆者が勝手にそう遊んだだけで、それを迫られるわけではありません)

一定ラインを消して次のエリアへ移ると、背景や楽曲、演出がガラリと変更されます。新たな体験に舌鼓を打っているうちに、試遊はあっという間に終わってしまいました。予想外に未知の体験で、筆者が『テトリス』に抱いていた先入観や思い込みが音を立てて崩れたような感覚です。この"テトリスの姿をした新たなゲーム"に込められた思いとは? エンハンスの水口氏にお話をうかがいました。

――これまでストーリーモード(仮称)として発表されていた「ジャーニーモード」を試遊させていただきました。『Rez』は受胎をテーマとしていたということですが、ジャーニーモードも、そうした物語性やテーマを読み解きたくなります。

水口今回は特にゲーム部分と背景や楽曲がうまく絡み合っていて、本作をプレイする自分の体験が、どんどん旅を進めているような感覚になると思います。「『テトリス』に物語性を付加したり、楽曲に力を入れたりしてどう変わるの?」と思っている人もいるかもしれないけれど、PS4やPS VRのおかげで、ここまでできるようになりました。

こういう方向性は、僕自身が『Rez』や『Child Of Eden』でずっと追求しているものでもあるので、それが『テトリス』と絡み合うとどうなるかというのは、テトリスカンパニーのヘンク・ロジャース会長もずっと楽しみにしてくれていました。

――エリアの中には「ダ・ヴィンチの夢」などというものも見られ、何がどこを旅しているのだろうと、モードの背景にあるテーマもついつい気になります。

水口そういう楽しみ方をしていただけるとうれしいですね。ゲームを作っているといつも「1回クリアしたら終わりのゲームにはしたくないな」、「では、何回も遊んでもらえるゲームはどうやったらできるのだろう?」という思いを抱きます。その答えのひとつが、楽曲や演出をゲームプレイと巧みに組み合わせて、気持ちがいい、心地よいといった感情を引き出すことなのではないかと考えています。


――テトリスはそういう要素とは無縁のゲーム、という先入観がありました。

水口おそらくそう考えている人は多くて、だからこそ『テトリス』は「進化させるのが難しい」とも言われています。そんなゲームで、みんながなるほどと納得してくれる進化をさせられたら、という思いで制作しました。

Rez』を制作した当時は「分かる人が分かってくれればそれでいいよ」という気持ちもありましたが、VR対応のゲームはホラーや美少女モノなど、どうしてもニッチなものが増えていきます。でも、VRの可能性を信じてやまない僕…いや、僕らエンハンスとしては、もっと大勢の人にVRを味わってほしい。そのためにはどうすればよいかとなったときに、誰もが知っているゲームをVRにすればいいじゃないかと。『テトリス』はその筆頭ですよね。

しかも、『テトリス』ならルールの説明をする必要すらありません。マイケル・ジャクソンの(存在)のようなもので、誰もが知っていますからね。でも遊んでみたらそこには自分の知らない『テトリス』が待っていた……そんなことができたら、それはとても素敵なことだなと。

――ジャーニーモードの他にエフェクトモードというものも確認できましたが、こちらはどのようなモードなのでしょうか。

水口「マラソン」「ウルトラ」「スプリント」といったテトリスプレイヤーにはおなじみのモードももちろんあるし、リラックスしてプレイしたいときのモード、逆にちょっと集中してハイスコアやクリア回数を目指すモードもあります。 他にも、テトリミノが突然反転したり、巨大なテトリミノが落ちてきたりする「ミステリー」など、さまざまな遊び方が15種類用意されているモードです。また、ネットワークに対応したモードもあり、毎週末には「Weekend Event」を開催します。これは世界中のプレイヤーたちと24時間限定のミッションの達成を目指すもので、成功すれば専用のアバターやポイントを獲得でき、それによってさらに要素やモードが解禁されていきます。


――水口氏のゲームは、他に類を見ない、そして追随を許さないほどの没入感がやはり大きな特徴だと感じています。ひと言でいえるものではないと理解はできるのですが、このようなゲーム体験はどのようにして生み出されているのでしょうか。

水口そうですね、たくさんありすぎてどこからお話すればよいか……。音楽にたとえて簡単にお話しますと、リズム感がない方でも太鼓は叩けますよね。そして、いろいろな楽器を持ち寄って複数人で演奏していると、だんだん一体化してノリノリになっていきます。そのときの演奏者の楽しさ・気持ちよさは、能動的に演奏する瞬間と、人のリズムを聞いて受動的になる瞬間で構成されています。

そしてこの構造は、ゲームはすごく相性がいいと思っています。ゲームを適当に遊んでいるだけでも、あるとき、まるで楽器でも演奏しているかのようにそのゲームがじんわりと"自分のモノ"になって、脳のそれまで使っていたのとは別の部分が活性化されて気持ちよさを味わえる瞬間があります。そういう体験を作る(プレイヤーにそういう体験をしてもらう)ことに、僕はゲーム制作の醍醐味を感じています。そのために、音ひとつひとつを丁寧にチューニングし、ビジュアルに気を遣い、楽曲も少しずつビルドアップされていくように構成したり。この積み重ねは、何度やってもおもしろいですね。

また、ゲームをプレイして得られる楽しさは、旅にも通ずるものがあると思います。僕は旅行をするとき、プランを決めずフィーリングでぶらりと旅をしますが、ふと風景に感動したり、気づきを得たりすることがある。ゲームもそうあるべきだと思います。未知のものと向き合い、さまざまなプロセスやアプローチを経て発見をし、その喜びに浸る……本作をプレイして、そうした体験をしていただけたらうれしいです。


今回の取材が初の試遊だった筆者は、「テトリスは何をどうしたってテトリスなのでは?」と思ってしまっていた取材前の自分の不明を恥じるばかりです。水口氏の言葉通り"思いもしなかった、新しい体験に直面する楽しさ"がありました。筆者はPS VRをすでに所有していますが、それでも「本作がバンドルされたPS VRの新パッケージが出ないかな?」と思えるくらいの衝撃でした。PS VRが無くても普通にモニターでプレイが可能なので、PS4をお持ちの方は、まずは11月1日~5日の期間限定で配信される体験版を遊んでみることをおすすめします。

PS VR対応のPS4ソフト『テトリス・エフェクト』は11月9日発売予定。11月7日まではPS Storeで予約を受け付けており、予約購入すると特典としてオリジナルサウンドトラックサンプラー、PSN用アバター7種、PS4用ダイナミックテーマが付属します。


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《蚩尤》

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