PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語

宗教裁判の兵士に追いかけられ、疫病を蔓延させる怒涛のネズミ達を追い払い進んでいく、美しくも禍々しいアートスタイルを持つ『プレイグ テイル -イノセンス-』がPS4で発売となります。

連載・特集 プレイレポート
PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語
  • PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語
  • PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語
  • PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語
  • PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語
  • PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語
  • PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語
  • PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語
  • PS4『プレイグ テイル -イノセンス-』プレイレポ──無垢な姉弟の過酷な逃避行が圧倒的なディティールで描かれる中世の物語

※【注意】本稿では『プレイグ テイル -イノセンス-』に関する序盤のネタバレが掲載されています。なお、本作は「CERO Z(18歳以上のみ対象)」と指定されており、記事内の画像にはグロテスク・暴力的なものを含みます。




既にPC版がリリースされている『プレイグ テイル -イノセンス-』は、中世のフランスを舞台としたアドベンチャーゲームで、美しく繊細なディティールとストーリーテリングが高く評価されました。

物語の体験に主眼を置いた構成ではあるものの、アクション・ステルス・謎解き・強化といった要素が程よく散りばめられており、先へ先へと進ませるよう作品の魅力へ上手に味付けされています。

プレイヤーは貴族の娘である少女アミシアとなり、病弱な弟ユーゴを導き・守り、時に協力しながら逃避行を続けることになります。平和に暮らしていたはずの日々は、森の中を漂う禍々しい空気と同調するようにして現れた、異端審問官たちの手によって断ち切られてしまうのです。

本作は2019年11月28日にPS4版が発売となります。疫病に恐れおののく大人たちと、容赦のない審問官の間を、幼い二人が身体を寄せ合い駆け抜けていく。PC版と比較しても遜色のない圧倒的なディティールでその逃避行を体験しましょう。本稿では序盤の展開を紹介しつつ、先行プレイレポートをお届けします。

忍び寄る”影”と”剣”



ロベールと共に森へ狩りにやってきた場面から物語がはじまります。美しい森の中をゆったりと会話しながら進んでいく情景は息をのむほど。姉として甘えられない立場に不満を感じつつも、主人公アミシアは貴族として気高くあろうとしているようです。

狩りのお供に猟犬のリオンが同行しています。アミシアにとても良く懐き、すぐさまイノシシを発見する優秀な相棒のようです。そんな生活の為か、アミシア本人にもしっかりと狩りの技術が備わっています。

準備に時間が掛かるとはいえ、スリングショットで離れた位置のリンゴを正確に撃ち落とす腕前を持っている様子。そんなチュートリアルを終えたところで、リオンの姿が見えないことに気が付きました。


奥に進むほど段々と陰鬱になっていく森の中を探していると、先程まで追いかけていたはずのイノシシが変わり果てた姿で死んでいました。リオンの鳴き声も聞こえなくなり、只ならぬ事態を予感させます。


ロベールと合流して先に進むと、黒く変形した穴に落ちかけているリオンの姿が見つかりました。苦しそうにうめき声をあげながらも、何とか踏ん張っている様子です。しかし助け出そうとするも、アミシアの目の前で轟音と共にリオンが穴の奥へと引きずり込まれてしまいました。その異様な状況からして、生存の見込みはなさそうです。


明らかな異常事態に、貴族であるロベールは城に戻るや否や森への立入禁止令を出して対策に乗り出します。アミシアにとってはあまりにも衝撃的な出来事です。祭壇を目の前にしても、弱々しく祈ることしかできません。

とはいえ彼女には弱ってばかりもいられない理由がありました。それは弟ユーゴの存在です。ユーゴは小さい頃から病弱な身体を持っており、母親が常につきっきりで看護に当たっています。アミシアは母親の愛情が偏っていることに少なからず不満を持っていますが、姉として自身の中に毅然としたものを貫こうとしているのです。


森の中の出来事を報告しようと、アミシアは城の中にいる母ベアトリスを訪ねます。しかしながら、厳しい母親はそんな事態であることを知る由もなく、なかなか話を聞いてくれません。何とか説明しようとしたその時、にわかに外が騒がしくなりはじめました。

誰が訪ねてきても絶対にドアをあけず、ユーゴと共に待っていること……とだけ指示をして庭の方へと降りていくベアトリスに、アミシアは立つ瀬もありません。しかたなく部屋の中にいるはずのユーゴを探します。


アミシアは、幼いユーゴとこれまでほとんど顔を合わせることなく過ごしていたことがわかります。決して仲たがいしている訳でもなく、それでいて確固とした絆を深められている訳でもなく、微妙な姉と弟の関係性が浮き彫りになってきました。

部屋から出ることも叶わないので、かくれんぼをしながら弟の面倒を見始めるアミシア。ぎこちない中でも、血のつながった姉弟として互いを意識しているようです。すると、またも外の騒ぎが大きくなってきました。


開いていた窓から庭を覗き見るアミシアの目に飛び込んできたのは、異端審問官に処刑されてしまう父の姿でした。次の瞬間、大勢の兵士たちが城の中へとなだれ込み「子供を探せ!」と無差別に殺戮しはじめたのです。

衝撃的な状況に言葉を失うアミシアですが、兵士たちの追手はすぐそこまで迫っていました。ベアトリスがロックしていたドアを蹴破ろうとする怒号が早くも聞こえてきたのです。反射的にユーゴを連れて身を隠すアミシアと、入れ替わるようにして兵士たちが室内に飛び込んできました。


ここからは母であるベアトリスを探しながらのステルスチュートリアルとなります。兵士に見つからないよう裏口へと向かっていく二人を操作する、ハラハラとした展開が続きます。兵士の視界に入らないようタイミングを伺いながら進みましょう。

城の中を進んでいくと、無残にも使用人が兵士たちの犠牲になっていきます。アミシアとユーゴはそんな状況を目の当たりにしながら逃げなければなりません。ほんの少し前に父親を理不尽に失ったばかりで、まともな判断などできるはずもなく、ついに炊事場の勝手口で兵士と鉢合わせしてしまいました。


そこに現れたのはベアトリスでした。兵士の後ろを取った彼女は、頭に岩を叩き込んでアミシアたちを間一髪のところで助け出したのです。ですが、魔の手が引いたわけではありません。急いで見つからずに脱出しなければ、待っているのは無慈悲な結果だけなのです。


なんとか城壁の出口まで辿り着くと、ベアトリスはアミシアにユーゴを託します。ローレンシウスという人物のもとへ連れて行くようにと。決心がつかないアミシアを一喝し、ベアトリスは姉弟を外に出してドアを閉めてしまいました。身体を張って子供たちを守ろうとしたのです。

与えられた選択肢などないことを突き付けられたアミシアは、ユーゴを連れて力の限り走りはじめました。この先に待ち受けている困難がどういうものなのか何も分からないまま。姉としての責務に、自身のわがまま(……それは正当な不公平感だったのかもしれません)を胸の中へ封じ込めて。

探索と逃避行、そして謎解き



本作は大きく分けて、様々な場所をインタラクトしていくアドベンチャーパート、追手の間を縫って進むステルスパート、そして疫病を蔓延させる大量のネズミといった障害物を何とかして乗り越えていく謎解きパート、といった要素があります。

特に謎解きは集中して取り組めるよう、複雑に戦闘が交わることのないような設計となっており、メリハリの利いた構成です。

弟のユーゴは単独で過ごしていると持病の発作を起こしてしまうという問題を抱えています。このことから、基本的にはアミシアとユーゴは常に同行していなければなりません。

とはいえ、幼い男子は好奇心の塊です。様々な地点でユーゴが反応して勝手に飛び出してしまったりと、年頃の反応を示していきます。基本的にはリニアに進んでいくストーリーではありますが、しっかり探索しないと発生しないイベントなどもありますので、じっくりと探していきましょう。


ステルスについては奇をてらったような要素はなく、比較的シンプルなシステムとなっています。当然、大人と子供とでは力押しの攻略は無謀です。様々なギミックを使って兵士などの意識を誘導してすり抜けていくパターンが王道となるでしょう。

とはいえ、一度見つかってしまったからといって即ゲームオーバーという訳でもなく(そうならざるを得ない状況もありますが)、早めに身を隠せれば思ったよりもすぐに捜索を諦めてくれるなど、厳しすぎない設定にはなっているようです。

それでも兵士たちの視界は遠く・広めに確保されていて、移動速度も大人のそれですから強引に抜けてしまうのは難しい采配となっています。しっかりと誘導して、タイミングを見極めて逃げ切ることになりそうです。このあたりはパズル的といってもいいのかもしれませんね。


疫病や異端審問といった厳しい世界を幼い子供たちだけの力で切り抜けるのは、当然ながら甘い話だけでは済まされません。狩りで磨いたスリングショットの腕前は、望まぬ結果を招いてしまうことになります。それが例え、自分や弟を守るためであったとしても。

原則としてはステルスで大抵のことは切り抜けられるようになっていますが、シーンが切り替わるような激しい演出の中では、積極的に攻撃していかなければならない場面もでてくるでしょう。

本作の攻略はそれほど自由度が高いとは言えないのかもしれません。推奨される解法を発見できるかどうか、それを正確に実行できるかどうか、といった答え合わせに近い攻略の方が多いとさえ言えます。

火を恐れてネズミは遠のく。奥にいる兵士は犠牲になるしかなかったのだろうか。

それでも全く選択肢がない訳ではありません。一見してどうしようもなさそうな場面の中にも、やれることが残されている場合があります。気付かなければストーリーはそのまま進んでしまいますが、この世界の全てが必ずしも敵であるとは限らないのです。


謎解きの場面はよりハッキリとしています。明らかにギミックを操作する構成となったステージに対して、時間を掛けて取り組めるようになっているのです。疫病をばらまくネズミ達は火を恐れて近寄らないという性質があり、これを利用して活路を開く謎解きが多くを占めています。

時には頼りない木の枝に火を灯して、僅かの間に次の地点へと駆け抜けねばならない場面もでてくるでしょう。場合によっては、通常では考えられないものにまで火を付けるような状況もあります。いずれにしても、それほど時間をかけて悩む必要のない程度にはまとめられており、ゲームのテンポを損ねることはなさそうです。

現行機最高峰のディティールを堪能せよ



本作はPS4世代の家庭用機タイトルの中では最高峰ともいえるディティールのグラフィックを誇ります。特に建築物や調度品、設えられた小物に至るまでが極めてリアルです。先の祭壇の場面などのように、一瞬しか通らないような場所まで徹底して作り込まれています。


本作は章立ての構成となっており、オープンワールドではありません。その分、動作に掛かる負担は少なめです。多少ロードには時間がかかりますが、始まってしまえば安定してプレイできるでしょう。

探索と逃避の場面がハッキリとしているので、ひとつひとつの状況は濃密に描き込まれています。本作の特徴から、そのほとんどが暗めの描写となってしまうことはやや残念な面とも言えますが、一貫した品質は高く評価できます。


特に光の表現は素晴らしく、目を奪うものばかり。逃避行の中では光とネズミという対比が常に出現しますので、そのコントラストの為にも重視されたことがわかります。影と一体化して蠢くネズミの大群は一見の価値ありです。



仲間たちと協力し「血の謎」を突き止めろ


異端審問官たちがユーゴの身柄を求めていたように、物語の端々でユーゴの身体の中に眠る「血の謎」がキーワードとして出現します。本作のタイトルにあるPlagueはペスト……または疫病のことを指しますが、感染症に関わる医学的な知見に関する物語というよりは、姉と弟の関係性、またユーゴに流れる血に関する物語など、宗教的な要素の方がストーリーの比重としては大きいものとなります。


アミシア達の逃避行の中では、同年代の仲間達との出会いもあります。絶望的な世界の中で、自分たちの居場所を見出そうと奮闘するその姿は、僅かながらのハイライトとしてプレイヤーの安心感を誘うことでしょう。


時には手分けして道を見出さなければならないこともあります。ユーゴは狭い所に潜り込めるので、別の角度から何らかのアプローチを取れる可能性があります。旅の中で出会う仲間達と行動を共にする場合には、様々なギミックを動かすために指示する必要がある場合もでてくるかもしれません。

それでも彼らはその未熟さから、窮地に追い込まれてしまうことも少なくありません。彼らが知恵と勇気を発揮して進めるようになるためには、プレイヤーの後押しが必要なのです。


過酷な逃避行を続ける姉弟の物語、PS4版『プレイグ テイル -イノセンス-』は2019年11月28日に発売です。日本語は字幕が対応しており、音声は英語・フランス語・ドイツ語から選択可能となります。
《Trasque》

編集部おすすめの記事

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

1
page top