マウス操作で筆を操るハードコア書道シミュレーター『毛筆疑似器』【中華ゲーム見聞録】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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マウス操作で筆を操るハードコア書道シミュレーター『毛筆疑似器』【中華ゲーム見聞録】

「中華ゲーム見聞録」第68回目は、筆と墨汁で文字を書いたり、壁に飾って鑑賞したりできる書道シミュレーター『毛筆疑似器(Chinese Brush Simulator)』をお届けします。

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中華ゲーム見聞録」第68回目は、筆と墨汁で文字を書いたり、壁に飾って鑑賞したりできる書道シミュレーター『毛筆疑似器(Chinese Brush Simulator)』をお届けします。

本作はComplex Planeによって、1月24日にSteamで早期アクセス版が配信されました。開発者はハードコアなシミュレーションゲームの愛好家で、「万物はすべてシミュレーションできる」という信条の持ち主とのことです。

ところで、中国には「文房四宝」という言葉があります。これは文人が必要な四つの文房具のことで、「筆・墨・硯・紙」を指します。現代の学生たちはこれらを使用しなくなったため、PC上でそれらを再現しようというのが本作の目指すところです。

ちなみに「文房四宝」の中でもっとも価値の高い物はで、もっとも価値の低い物はとされています。中国や台湾の博物館で硯がよく展示されているのもそれが理由です。硯は消耗が少なく、物持ちがいいことから、質の良い物や年代物は高値で取り引きされています。一方、筆は消耗品という扱いです。

本作は、ハードコアな書道シミュレーターです。硯で墨を擦り、筆を使って紙に文字を書くというものです。「中華ゲーム見聞録」第60回目で陶磁器を作るシミュレーター『陶芸マスター』という作品を取り上げましたが、あちらはゲームとして遊べるように作られているのに対して、本作は本当の意味でのシミュレーターとして開発されています。いったいどんなゲームなのか、そもそもマウスで文字を書くことが可能なのか、さっそくプレイしていきましょう。

書道を始める下準備



ゲームが始まると、いきなりどこかの書房の中に投げ出されます。本作はタイトル画面もゲーム説明もなく、いきなりここからスタートするのです。これもハードコアゆえなのでしょうか。グラフィックは綺麗で、書道をするには良い環境です。

ゲームの操作方法は少しわかりづらいので、ここで解説しておきます。W,A,S,Dで前後左右に移動、ホイールボタンを押しながらマウスを動かすことで視点移動になります。視点の高さはSpaceキー(上方向に視点移動)はCtrlキー(下方向に視点移動)で行います。物をつかむときはマウスの左クリック、物を戻すときはEscキーです。


とりあえずそばにある墨をつかんで、硯で擦ってみました。硯の上に墨を移動させ、マウスの左クリックを長押しすると、墨が硯の高さまで下りていきます。擦るときも、実際にマウスをぐりぐりと上下左右に動かして擦ることになります。


なかなか色が出ないと思ったら、硯に水が入っていないので当たり前ですね。右手の方に水差しがあったので、これをつかんで硯に入れます。マウスのホイールボタンを回すと水を注ぎ始めます。止めるときは逆回しで。硯の右側にバーが表示されますが、これは水がどれだけ入ったかを表しています。


硯に水を満タンに入れた後、また墨をつかんで擦ります。硯の左側に墨汁メーターが表示されたので、色の濃さを調整しましょう。水が徐々に黒くなっていくのがリアルです。ちなみに硯のすぐ右上の方にある鉢は、筆を洗うための水が入っています。その左にある小さな紙は、筆の水気を拭き取るものですね。水分量や墨の濃さで文字の質が変わります。

筆(マウス)で文字を書こう



墨を擦り終え、墨汁の用意が出来ました。さっそく文字を書こうと思いましが、机の左端に扇子があったので取ってみました。クリックすると扇ぎ始めますが、特に意味はないようです。雰囲気づくりといったところでしょう。


筆者は小学校の頃に北京にいたのですが、気候が乾燥しているため、書道の授業に使う筆が翌週になると固まってしまいます。書道を始める前に、まず水で解きほぐす必要がありました。とりあえず筆をほぐすため、水の入った盆の中に筆先を入れます。盆の右側のメーターは、筆先がどれだけ水を含んでいるかを示しています。

ちなみに筆者が通っていたのは日本人学校で、中国の小学校は基本的には書道の授業がありません。今の時代は他にも学ぶべきものが多いとの理由から、書道は重視されなくなってきています。保護者にも「書道に時間を使うぐらいなら、英会話を習わせた方がいい」という人の方が多いでしょう(実際、中国の小学生は忙しいです)。ただ近年では、日本を見習って書道を取り入れた方がいいとの動きも出てきています。


筆先を硯の墨汁に浸します。硯の左側にあるメーターは、筆が墨汁をどれだけ吸っているかを示しています。この量を調整することで、文字の濃さを変えられます。先程の盆の水で洗えば墨汁を落とすことができます。水分が多すぎた場合は、盆の左横の紙で吸い取らせます。


文字を書こうと思いましたが、紙がありませんね。左手にあるツボに紙が入っていますので、クリックすることで机の上に紙を敷くことができます。ちなみにF1キーを押すと、画像のように操作説明を表示させられます。


さて、すべての準備が整い、やっとのことで文字を書くことができます。画面中央左に表示されているメーターは筆圧です。筆の操作方法もちょっと特殊で、マウスを左クリックすることで筆が下りていき(筆圧が強くなる)、右クリックすることで筆が上がっていきます(筆圧が弱くなる)。また右ダブルクリックで筆を持ち上げます。


書きながら筆圧を上手く調整することで、文字の太さなどを変えたりできますが、そもそもマウスで文字を書くこと自体が筆者には困難です。Windowsの「ペイント」を使ってマウスで器用に上手な絵を描く人がいますが、本当に職人技だと思います。


「ゲムスパ」と書こうとしたのですが、最初の2文字が大きすぎて入り切れなくなったので、「スパ」は横に書いて無理やり収めました。筆圧の調整の問題もあり、文字を小さく書くのが結構難しいです。最初の作品はこんな感じになりました。

作品を飾って鑑賞しよう



最後にハンコでも押しておきましょう。ハンコを手に取って、グリグリと朱肉を付けます。日本だとスポンジに朱を染み込ませたスポンジ朱肉を使うことが多いですが、中国だと「印泥」と言って、練ってネバネバの泥のようになった朱肉を使います。筆者も使うことがありますが、しっかりグリグリと擦り付けないと押すときに色が上手く出ません。


最後にハンコを押して完成。ハンコに文字を設定していなかったので、赤い枠だけになっていますね。ちなみに本作ではjpeg画像をハンコに設定することが可能です。また書いた文字もjpeg画像にして保存しておくことができます。


次は出来上がった文字を飾りましょう。壁にある掛け軸をクリックすると、文字を設定する画面に変わります。文字のサイズを変更したり、引き延ばしたりすることも可能です。またPCのフォルダにある画像を貼り付けることもできます。とりあえず先程書いた文字を設定します。


設定完了。うん、ひどい。ハンコを押したのですが、保存されていなかったようです。最初の作品ということで、これはこれで良しとしておきましょう。


本作では椅子をクリックすることによって、その椅子に座ることができます。いわゆる「鑑賞モード」のようなものなので、作品を見やすい位置の椅子に移動しましょう。


別の角度から見た室内の様子です。右手にある鳥カゴですが、クリックすると鳥が鳴きます。クリックしなくても部屋の外から鳥やセミの鳴き声が聞こえてきます。ちなみに部屋の外に出ることはできません。


書道をするときに座っていた椅子の真後ろの壁にも、文字や画像を設定することができます。ここは以前『陶芸マスター』で使用した画像を設定してみましょう。背景に適した色合いで画像を貼り付けられます。


掛け軸の方にも、以前『陶芸マスター』で使用したスパくんを貼り付けてみました。透過処理をしているpng画像でも大丈夫のようです。


最終的にはこんな感じの部屋に。せっかくの落ち着きのあった部屋も、途端に騒々しい部屋に変わってしまいました。他人の家だったら絶対に怒られそうですね。本作で、ぜひとも自分だけの書房を作ってみてください。

ハードコアな書道シミュレーター


本作においては、『陶芸マスター』であったような資金稼ぎなどといったゲーム要素は一切無く、本当に書道をするために開発されたハードコアなシミュレーターです。その分、細部に渡っていろいろとリアルに作られています。例えば筆に含まれる水分量を多めにすると、文字を書いたときに線がじわっと滲んで膨らみます。


筆は黒だけではなく、赤や青など他の色も使うことができます。筆を取る前に、筆を右クリックすれば設定メニューを開けます。カラフルな作品を作って見るのもいいかもしれません。筆には大・中・小の3種類がありますが、小筆が使いやすいように感じました。

本作はあくまで「書道シミュレーター」です。そのためゲーム性を求める方にはあまりオススメできませんが、書道の雰囲気を楽しみたいという方は、値段も安いですし、試しに遊んでみるのもいいのではないかと思います。

製品情報



※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。

■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「中華ゲーム.com」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。新刊「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)。著者Twitter「マイナーゲーム.com」Twitter
《渡辺仙州》

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