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98円で話題のオープンワールドレースゲーム『Need for Drive』プレイレポ…のはずが闇深い事実が発覚したので問題点をまとめる

缶ジュースより安いゲームにはあやしい裏がありました…。

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98円で話題のオープンワールドレースゲーム『Need for Drive』プレイレポ…のはずが闇深い事実が発覚したので問題点をまとめる
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Success Gamesは、2021年2月17日にSteamにてオープンワールドレースゲーム『Need for Drive - Open World Multiplayer Racing』の配信を開始しました。本作は夜の摩天楼を舞台に、自由なドライブを楽しむことが出来るオープンワールドレーシングゲームです。オンラインマルチプレイにも対応しており、友人たちと自慢のオリジナルチューニングされたマシンを走らせることもできます。

本作の驚くべき点はその値段。Steamでは98円で配信されており、2月25日までは1%オフの97円で購入が可能です。発売の記事もGame*Sparkではかなりのアクセスを稼いだわけですが、やはり安さの裏には怪しい秘密がありました。ある程度プレイレポ自体が完成してから事実に気付いたということもあり、本稿前半はゲームの紹介、後半でその問題点をまとめていきます。なお本作には現時点で多分な問題があると判断し、本記事からのリンクは全て削除、そして購入を勧めるものでもありませんので予めご了承ください。

とても98円とは思えないゲームの内容…

100円のゲームというとどのようなものを想像するでしょうか?低クオリティのグラフィックであったり、バグで全くゲームプレイがままならなかったり、邪魔な広告でよく目にするスマホアプリのような、宣伝内容とは全く異なる内容だったりというものを思い浮かべるかもしれません。本作も例に漏れずそのようなゲームと同じかと思いきや……その予想はいい意味で裏切られます。

まずゲームを起動するとガレージで自分の愛車となるマシンを購入することに。車種は全部で13台。初期の所持金は限られていましたので今回は「シルビアS14」を購入しました。



マイカーを手に入れたのでさっそくひとっ走り行きましょう。ゲームモードはシングルとオンラインがあり、せっかくなのでオンラインでプレイします。オンラインロビーを覗いてみるとプレイ時には20人のプレイヤーが遊んでいる様子でした。しかし、部屋数と合計人数は明らかにそれ以上あり何故か数秒ごとに増えていきます。


部屋を作ると、高層ビルが立ち並ぶ夜の街へとやって来ました。グラフィックは100円とは思えないクオリティとなっており、煌く光の描写や水溜りの反射など細かな作りを感じさせます。

街中にはいくつかのレースポイントがあり、そこからレースに参加することができます。オンラインのプレイヤーと一緒にできるかどうか試しましたが残念ながらプレイできませんでした。


筆者が新しく建てた部屋には他のプレイヤーが続々と参加してきており、少しばかりの活気を感じられました。チャットでの交流も可能となっており、皆一様に100円分を遊びつくそうと言わんばかりの意思を秘めた走り屋たちが集結。車のカスタマイズ要素も充実しており、パーツや塗装の変更など自分好みのマシンへと作り上げることができます。



ここまでいい点ばかり注目してきましたが、もちろん安さゆえの作り込みの甘さも目につきます。メインコンテンツであるレースは、CPUと対戦し順位に応じて通貨を獲得していくのですが、車体には当たり判定があり、車体を弾いたり引っくり返したりの激しいレースが展開されます。しかしレース終了後マップに戻ろうとすると無限ローディングに陥り、こうなった場合はゲームを強制終了させて起動しなおすほかありませんでした。


そしてそもそものゲーム性以前に”充実のカスタマイズ機能”には問題点しかありません。冒頭で既に違和感を覚えた方もいると思いますが、本作には日産のスカイラインやトヨタのスープラなどの実在の車が実装されています。しかし、エンブレム部分は意図的に剥ぎ取られており、Steamの紹介文では”トヨタスープラのような古いモデルからBMW M4のような新しいモデルまで13台の車を購入できます”としながらもゲーム内では実在の車名が表示されているのです。本当に許諾を得ていればもちろんエンブレムを隠す必要もないわけですが、値段や後述の問題からも、正当な手続きを経ているとは考えにくいでしょう。


さらに車体の装飾に用いられるステッカーはあからさまに権利を侵害しているものが多く、チューニングパーツの画像にいたっては、自動車パーツメーカーの公式サイトからの流用が確認できました。


しかし、このゲームの本質的な問題はさらに深いところにあったのです……。

またの名を『CrashMetal』

それに気づいてしまったのはこのゲームの音量調整オプションを探していた時のことです。一部音声が爆音すぎたため音量の変更を試みようとしましたがゲーム内にはそれらしき項目が見つからず、仕方なくPC側の調整をいじる事に。低価格帯のゲームにオプション機能がないことは少なくないので慣れたものですが、問題はその先にありました。

Windowsの音量ミキサー機能を使えば、アプリの音量を個別に調節できるのですがどうも『Need for Drive』の項目が見つかりません。その代わりに現れたのが『CrashMetal』という名のゲーム。確かにこのゲームの項目を調整すると『Need for Drive』のゲーム内音量も変化するので間違いなく同一のゲームになります。


この時点で疑問を持ち、『CrashMetal』なるゲームを調べてみるとAndroid、ios向けに配信されているスマートフォンアプリであることがわかりました。比較のためこちらのゲームもインストールして遊んでみます。
※編集注:ちょうど同じタイミングでコメント欄やSteamのレビューでも同様の指摘がされていました。

ゲームを起動するとどこかで見たようなガレージがあらわれます。


マップに出るとそこもかなり既視感のある作りになっています。いえ、もう驚くべきほどそのまんまです。UIから音声、ゲームデザインに至るまで同じなのです。


『CrashMetal』はCrazyDevsとStanislaw Devによって昨年の夏に配信が開始されており、『Need for Drive』とは開発が違うこともわかります。さらにSteamからは『CrashMetal』のPC版となる『CrashMetal - Cyberpunk』も配信されています。



Steamには低価格、低クオリティのゲームは溢れています。『Need for Drive』もその例に漏れない内容かと思いきや、値段以上の内容といっても差し支えないとまとめられそうなところですが、その裏には驚くべき実態が見え隠れしていました。同作のデベロッパーにより、3月に配信が予定されている2作品に関しても類似アプリがすでにリリースされているものとなっており、タイトルのみ多少の変更が加えられているのみで、こちらも大きな問題があるといえそうです。

【編集部より】
玉石混交とはいえ、その中からハードコアゲーマーの琴線に触れるインディーゲームをいち早くお伝えするのが使命と考えていますが、現時点では完全に他ゲームの丸パクリとしか判断せざるを得ないタイトルを紹介してしまったことを読者の皆さまに深くお詫びいたします。他にも多数取り上げるべき話題はありますが、本件も一度ご紹介したうえに問題を把握した以上、そのまま知らぬ存ぜぬというのはあまりに不誠実だと考えていますので、両デベロッパーへの取材等を続けていきたいと思います。
《neko》
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