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「見た目、手触り、動作。ぜんぶパパ・ママと同じ」子供向け”AR-15風”ライフル発売―銃器メーカーの販路拡大に問題視する声も

米国の銃器メーカーが子どもを対象としたAR-15風ライフルを発売。これを受けて銃規制団体からは問題視する声明が相次ぐ。

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「見た目、手触り、動作。ぜんぶパパ・ママと同じ」子供向け”AR-15風”ライフル発売―銃器メーカーの販路拡大に問題視する声も
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米国の銃器メーカーであるwee1tacticalは子供向けの”AR-15風”ライフルであるJR-15を1月中旬に発売しましたが、多くの銃規制団体などからは、子供を対象として販路を拡大していく銃器メーカーの姿勢に対し問題視する声もあがっています。

このJR-15ライフルは「小型で安全で軽量に」をモットーに開発され、弾薬は.22口径弾を使用。装弾数は5発ないし10発の弾倉を使用しているとのことです。

使用弾薬やおよそ2.3ポンド(≒1.05キログラム)程度という軽量さ、また「見た目、手触り、動作。ぜんぶパパ・ママと同じ」という謳い文句からも子供を対象としていることは明白です。この銃に限らずインターネット上の動画サイトでは児童が射撃を行う動画も複数ある一方で、銃規制団体からは反発の声があげられています。アメリカ国内では2020年には18歳未満の子供5100人余りが銃の犠牲になったという報道もあり、幼少期から銃に親しむことの是非は今後も議論を呼びそうです。

JR-15ライフルの元となったAR-15ライフルは、軍用として開発されたM16ライフルから派生したモデルで、民間用としてフルオート機構が削除されたものとなっています。しかし、それ以外の大きな構造的な差異はなく、その拡張性の高さから改造も容易に行うことができ、削除されたフルオート機能を再度可能とするオートシアと呼ばれる部品が流通するなど、度々乱射事件等でも使用されることのある銃でもあります。

今回発売されたJR-15ライフルは、5.56×45ミリNATO弾を使用するAR-15ライフルと異なり、.22口径弾を使用します。この.22口径弾はピストルからライフルまで広く一般的に使用されている銃弾で、その反動の小ささから初心者の練習用に使用されることが多く、狩猟ではウサギや小型のイノシシと言った小型獣を対象に使用されています。しかし、威力が小さいとはいえ至近距離では十分な殺傷能力を有し、1981年のレーガン大統領暗殺未遂事件や2008年のセイヨナキ応用化学大学銃乱射事件といった事件でも使用されています。

なお、銃を使用した凶悪事件とゲームは決して無縁ではありません。アメリカのスラングに「Going Postal」という言葉があります。これは、職場環境における暴力沙汰に発展しうる急激かつ制御不能の激昂を意味し、14人の死者と6人の負傷者を出した1986年のオクラホマ州での銃乱射事件に由来するとされています。この『POSTAL』を名前とするゲームがあり、その内容は主人公であるPostalDudeと呼ばれる男を操作し、無差別殺人を始め様々な凶行を行うというものです。この内容のため、いわゆる不謹慎ゲームに分類されるもので、自主規制としての年齢制限が付されており、2007年には大阪府においてビデオゲームとして初の有害図書としての指定がなされました。この時、GTAシリーズの一部作品も同様に指定され、後にCEROによるレーティングやゾーニングといった流れにつながっていきます。

また、ゲームと暴力性という観点から行われている研究も多く存在します。しかし、その因果関係や分析の妥当性といった視点からも、確実といえる結果は未だ明らかになっておらず、様々な意見が混在している状況です。

奇しくも緊張状態にあるウクライナ情勢等の種々の影響を鑑みれば、今後米国内の銃社会の様相はより急速に変化していくのではないでしょうか。


《K.K.》

SFとオープンワールドとミリタリー系が主食です K.K.

1990年3月の京都府生まれ。ゲーム好きのパソコン好き。ついでに言えば動物も好き。心理学部卒ゆえに人の心がわかると豪語するも、他人の心にはわりと鈍感で、乙女心となるとからっきし。むしろ動物の気持ちのほうがよくわかるが、本人は「尻尾と耳がないからだ」と弁解中。 2022年から「ゲームスパーク」で執筆中。パソコン代の足しにと始めるも、賃金はほとんど課金ガチャに消えている模様。

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