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パッド派ゲームライターの「はじめてのマウス操作」体験記―『VALORANT』『PUBG』『バトルフィールド2042』で感じた“新たな選択肢”

パッド派ライターによる『VALORANT』を通しての、初めてのマウス体験……!

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パッド派ゲームライターの「はじめてのマウス操作」体験記―『VALORANT』『PUBG』『バトルフィールド2042』で感じた“新たな選択肢”
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シューターゲームのプレイヤー間で、頻繁に話題として取り上げられる「パッド・キーマウ論争」。マウスによるエイムは必要不可欠という意見から、作品によってはエイムアシスト機能があるのでパッドでも活躍が出来る……という喧々諤々な議論が、ゲーマーコミュニティの中で日々繰り返されています。

そんな情勢の中、特に競技シーンを目指さずエンジョイするため「パッドの方がいい」としているゲーマーも少なからず存在します。かくいう筆者もその一人。PCとキーボード/マウスを使える環境にも関わらず長年パッドを愛用してきました。友人と『バトルフィールド2042』をプレイする際「せっかくだからマウスでやろうぜ!」と言われても「おう! いいね! やれたらやるわ!」と言いつつ無視してパッドで遊んでいた、ちょっとモラルがないゲーマーでした。

しかし先日、『VALORANT』競技シーンの盛り上がりというかなり安直な理由で同作をプレイ。

筆者のゲームに対するスタンスは「エンジョイ」。実を言うとこれが理由でキーマウを敬遠していました。「負けても悔しくない」という性質もありますが、シューターゲームに限らず多くのゲームを遊ぶスタイルの筆者には、なによりパッドで遊ぶことがエンジョイに繋がると考えてもいたわけです。

そんな中『VALORANT』の熱気に当てられ、少年心からか「競技を意識したプレイ」をしてみたくなった筆者。PCのみで展開しているゲームということで、本作にはパッドを使うルートはほぼ存在していません。

本記事では長年のパッド愛好家だった筆者が『VALORANT』というキーマウの世界に入りこんで何を感じたか。「マウス」という道具を使うだけで意識の変化が起こった驚きも含め、ざっくりヌルゲーマーの「『VALORANT』キーマウ操作レポ」をお送りします。

ざっくりパッド・キーマウの違いを振り返り

今更説明は不要でしょうが、まずは一応ざっくりとパッド操作と“キーマウ”の違いをおさらい。ゲームパッドの方は言わずもがな、「コントローラー」を駆使するスタイル。“キーマウ”はPCのキーボード、マウスを使用して戦うスタイルになります。この二つはシューターゲームにおいて「パッドマウス論争」と呼ばれるほどに加熱する議題ですね。

一般的には、エイムにおいてマウス操作の方が有利と言われています。それはコントローラーのスティックより、マウスの方が精密かつ素早く動かせるという事に由来。これは本ジャンルにおいて最重要課題と言えるでしょう。

ですがパッドもパッドで便利です。キーボードに比べて手のひらにフィットし、簡単な説明で直感的なプレイングが可能になります。操作ミスがほとんど無いのがありがたい所。最近ではエイムアシスト機能でマウスにも劣らぬ精度を誇ったりもしますね。

昔は連射機能つきのパッドとかあったなぁと思いつつ、シューターゲームの種類によってはパッドで名をとどろかす伝説級のプロもいたり……。

ただ、本記事には「どちらの方がシューターゲームに向いてるか」「俺がパッドマウス論争に終止符を打つ……!」という意図はありません。筆者は生粋のガチエンジョイ勢。チームプレイしてたら何かと指導を受けがちなタイプの存在です。そんな輩がプロゲーマーを目指すという方、プロに近い実力を持つ方に何か言う資格はないでしょう。いつもキャリーされてるようなものなので、逆ギレみたいになる。

ただ、だからこそ重視したいのが「どっちの方がゲームをより楽しく遊べるか」ということ。ゲームにおけるエンジョイを主眼において、「キーマウをプレイしてみた」レポとしていきます。

なぜ筆者はパッドを愛用していたか、あるいはキーマウに苦手意識を持っていたか

愛用のパッドは使いすぎて汚れがひどすぎたため別画像

パッドユーザーの筆者がマウス勢に感じた一番初めの恐怖は「振り向きの速さ」です。

パッドユーザーである自分は“スティックを倒してゆっくり振り向く”のですが、キーマウ勢は独楽みたいなスピードで後ろを向く。筆者がFPSを始めたばかりのあるとき、苦戦を強いてきた凄腕スナイパーに対して、ゆっくりマップを迂回して背後をとったことがあります。

パッドなら完全に振り向けないタイミング、やっと仕留められるというその瞬間、スナイパーはくるっと回転。逆転ヘッドショットを貰いました。そのとき、筆者の中で初めて「キーマウ」に対しての憧れが生まれたのかもしれません。

筆者はパッド勢ではありましたが、キーマウの凄さには憧れの感情すらありました。じゃあなんでパッドに拘ったかというと、それは多分ひとつの意地もあるはず。「負けたくない」という思いがキーマウ自体に向いたのかもしれません。

ゲーマーには、「こうなりたい」という理想像・到達点があると考えてます。RPGのキャラメイクで自分の理想像を反映させるように、シューターゲームにおいても「こういう存在になりたい」はあるはず。

筆者の場合、それが「強者を目指す」ではなく「ゲームだからエンジョイするべき」だったのです。真面目にやらない・強くならない、というつもりではなく“エンジョイをするためのパッド”だから、無理にマウスに手を出さない。逆に理想像が「真っ向から撃ち合って無敗」なら迷わずマウスを手に取っていたはず。要するに、パッドを使うプレイスタイルは自分の理想像とマッチしていたわけです。

そして次の理由として「ゲームをしている感」が欲しかったのもあるでしょう。なんだか信仰じみてしまいますが、筆者としては「コントローラーはゲームの象徴」というイメージが強いのです。ゲーマーはコントローラーを握るだけでワクワクするものと、我ながら偏見を持っています。レトロゲーのコントローラーなどもプレイするでもなく握るだけで、「ゲームを愛している実感」が湧いて幸せになりませんか?

筆者のように友人を騙し騙し『バトルフィールド2042』を遊ぶという状況は結構問題ですが、それはモラル的な別問題として……。少なくともパッドでゲームをプレイするという汎用性・そしてシンボル性は重要な「楽しさ」でしょう。

しかし、ここまで来ると「楽しさ」「エンジョイ」ってなんだよと思う方も多くいるはず。「勝つことの楽しさ」も、絶対に忘れてはならないゲームの喜びです。負けてもいいやと思っていたら、RPGもクリアできません。

ゲームにはエンジョイする過程で必ず「勝ち負け」が存在していて、そこの「勝ち負けへの拘り」のバランスで「エンジョイ勢」「ガチ勢」の区分が生まれていると思います。ですが、その2つはあくまで「どちらに寄っているか」というだけの話で、エンジョイ勢だってガチになりたい瞬間はあります。

そんな「勝ちたい/楽しみたい」のバランスが、今回の『VALORANT』競技シーンの影響を受け、「競技性を強く意識したエンジョイ勢」に傾いたわけです。

また同時に、『VALORANT』そのものが勝ち負けや技術向上の楽しさを上手く刺激してくれるゲームとなっていました。なぁなぁですませない、エイムや立ち回りの厳しさがそこにあります。今現在、強く感じる想いは、このゲームで強くなればもっとエンジョイできるはずという実感。そこには「マウス」という道具の影響も大きくありました。

というわけで次の項では、ヌルゲーマーが『VALORANT』競技シーンの影響を受けながら「エンジョイ」したインプレッションを、パッド・マウスでのプレイをベースに語ろうと思います。

『VALORANT』『PUBG』『バトルフィールド2042』キーマウ レポ

まだプレイし始めて日は浅い、本当に浅いのですが……。『VALORANT』開始初期は「間違えて変なキーを押したらどうしよう」などと考えながらデスマッチを繰り返していました。事実、パッド勢が恐れる点として、「押し間違え」への恐怖はあるのではないでしょうか?

ゲームごとに対応ボタンが違うし、それが割と無数にある。そもそも指は届くのか、掌の置き所を間違えてはいないか、そんなことが頭をよぎります。キーマウ移行の最大の障害は、キーボードへの信頼感のなさではないかと思います。

ただ、デスマッチを脱して『VALORANT』を何戦かこなすうちにキーボードにも慣れ、徐々にトリガーハッピーな気分に……! ハンドガンで遠距離ヘッドショットが出来るんですよ! これは凄いことです! 実を言うと、筆者はパッドで遊ぶ際、「精度を捨てる」という観点から集弾性が甘い銃器を選ぶようになっていました。狙う位置は首元から下。弾のばらつきによってヘッドショットを狙う考えでした。そんな中、マウスによってヘッドショットを意図的に狙えるのは素晴らしい!

その“捨てた考え”を持たなくていいんだと気付いたときは、長年心のどこかでしこりのように引っかかっていた「パッド」「マウス」の重圧から解放されたような心地になりました。キーボード操作に不安は残っていますが、それ以上に無意識の抑圧から解放された気分です。

1vs2の状況下、2連ヘッドショットを決めれた時は爽快でした。勝利を自分のエイムで決められたとしばし感動に浸っていましたが……その瞬間、ボイスチャットから「444444!」との声が聞こえました。

『VALORANT』は、守勢なら敵を全滅させても設置された爆弾を解除しないと敗北です。トリガーハッピーな余韻に浸って爆弾の解除方を忘れてしまっていた筆者に「こいつキーボードの4で解除できるのわかってねぇな!」と味方が察してくれたわけですね。すげぇ早い判断。マジで助かりました。次のラウンド開始時「なんか勝てたけど、すいませんね……へへへ……」と気まずい雰囲気。パッド勢の問題……というより筆者が真面目にボタン配置を覚えていなかった問題ですね。マジですみません。

  気まずい空気に圧されてスクショを撮れなかったので、別マッチ画像

さて、本記事を書くにあたり、かつて親しんでいた『PUGB』や『バトルフィールド 2042』もプレイ。多角的に考察していこうとの目論見です。しかし結論から言うと『PUBG』ではマウスの恩恵をあまり実感できませんでした。これは筆者の立ち回りが原因だと思います。

1on1の状況下では「エイムは苦手である」との先入観から解き放たれましたが、身に染みた立ち回りが、基本的に「エイム主体」でなくなっていたのでしょう。ソロモードでエイムに頼らず勝つというのは、いかに「相手の認識から外れるか」を意味しています。その点で『PUGB』はパッドでも遊びやすかったのです。相手に追い詰められたときは混乱を起こして脱兎のごとく逃げるプレイングもアリですし、実際そういった方法で遊んでいました。

一方で、個人的には『バトルフィールド2042』が最も「パッドでは不便」と感じたゲームかもしれません。集団で息を合わせた戦略的な押し合いでは裏をかくことが難しい。足並みを揃え、集団で死角を無くしていくゲームですから、反応速度やエイムの技量がかなり求められていたのかもしれません。

そう考えていたこともあって、今回『バトルフィールド2042』ではAIに対して思う存分復讐しました。ヘリの中の運転手を狙撃できる、感動。もう「曲がり角から盾を構えて接近、そのまま殴り殺す」なんて荒業をやらなくていいんだ……。

そんなこんなで、今回パッドからマウスに切り替えて感じた最大のメリットはマウスの「相棒感」。キーボードには割と困惑してしまいますが、マウスへの信頼感は着実に芽生え始めています。

これは不思議なことで、パッドのときはそこまで感じていなかったモノです。割と本記事は主観的な側面、つまりメンタル面が多い内容となりましたが、ゲーミングマウスを構え、キーボードに意識を落とすということは、「試合への集中感」を大きく高めてくれます。

パッドの最大の利点は「慣れ」。これまで他のゲームで慣れ親しんできたこともありますし、今後もシューターゲーム以外でパッドを多用していくと思います。しかし、画面に食い入るような緊張感こそ、キーマウが持つメリットなのかもしれません。

そういった意味で、マウス/キーボードは筆者にとって「新たな選択肢」となりました。「もうパッドには戻れない!」ではなく「別に……またパッドも使うだろう」というイメージ。実際に汎用性が効くのはパッドの方ですし、なんとなく実家から出てひとり暮らしを始めたばかりの「ひとり暮らしは気が引き締まるけど、まだ家には自分の部屋があるしなぁ」というような何かが……。

マウスの利点はエイムや反応のみじゃない!

もちろん、ゲームは上達のみを求めるのではなく、なによりエンジョイするべきものとの考えは今も変わっていません。しかし、今更ですが「強くなりたい」という楽しみも膨らんでいるのがわかります。

そこにはパッド勢として長年持っていた、「キーボード/マウス操作ではない」という苦手意識。「エイムは程々に弱い」というコンプレックスが払拭できたのも大きいでしょう。「パッド」「マウス」の葛藤は結構、一部のゲーマーにはプレッシャーとなり得ます。もしも“キーマウ”ができる環境なら、一度試しておいた方が「エンジョイ」に繋がるかもしれません。

筆者は、ヌルゲーマーとしてのプライドを持っています。ストイックに勝利を追い求めるゲーマーではないにせよ、「自分がどのようにエンジョイできるか」の幅を増やしていけたという意味で、パッドからキーボード/マウスに切り替える試みは、本当に良い体験となりました。筆者と同じようなパッド勢の方がいたならば、ぜひ、緩い気持ちで“キーマウ”に挑戦してみてください。



《高村 響》

ゲームライター(難易度カジュアル) 高村 響

最近、ゲームをしながら「なんか近頃ゲームしてないな」と思うようになってきた。文学研究で博士課程まで進んだものの諸事情(ゲームのしすぎなど)でドロップアウト。中島らもとか安部公房を調べていた。近頃は「かしこそうな記事書かせてください!」と知性ない発言をよくしている。しかしアホであることは賢いことの次に良い状態かもしれない……。

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