リズムシューティング『Beat Hazard 3』は心霊音声でもプレイ可能? 普通の神経なら選ばない音楽で遊んでみた | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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リズムシューティング『Beat Hazard 3』は心霊音声でもプレイ可能? 普通の神経なら選ばない音楽で遊んでみた

YouTubeでお馴染みの音楽、心霊音声、演説……すべてがシューティングゲームのステージになります。

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リズムシューティング『Beat Hazard 3』は心霊音声でもプレイ可能? 普通の神経なら選ばない音楽で遊んでみた
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11月14日に発売予定のPC向けシューティングゲーム『Beat Hazard 3』。Cold Beam Gamesが手掛ける本作は音楽によってステージが生成されるリズムシューティングゲームです。その幅は本当に広く、音声データならなんでも対応、さらにはデスクトップ音声も「ステージ生成のための素材」として使用できるとあって、様々な配信プラットフォームにも適応することが可能です。

そこで本記事では、「普通(の思考をしてたら)、音楽として使わないだろう」という楽曲(?)をチョイスしてプレイ! 心霊音声や有名すぎる某演説でシューティングゲームが出来るのか、レポをしていきます!

「YouTube」でお馴染みの音楽でシューティング!

まず挑戦した楽曲は「いつもの風景」。YouTubeなどでよく使用されるフリー音源です。本作は音楽に合わせてエフェクトのみならず、ビームの強弱まで変化。それを駆使しながら音楽終了まで生き延びるというシューティングゲームです。よく耳にする、ベーシックなBGMでのプレイ感はどうなっているのでしょうか。

事前にプレイした限り、筆者が感じた本作のキモは音楽によるテンションの変化。しかし、申し訳ないことに「いつもの風景」は変化に乏しい楽曲です。BGMとしては非常に優秀ですが、『Beat Hazard 3』との噛み合わせは奇怪なものとなりました。

YouTuberが実況しているなら「はい! 本日はね! 『Beat Hazard 3』の方をね! プレイしていきます!」とか喋りだしそうですが、音楽そのものとしてはテンションもさほど上がらず……楽曲としての優秀さはともかく、ボーカルもないこのステージはややきついモノがありました。自分で選曲しておいてこの言い草は正直どうかと思います。

「心霊音声」でシューティング!

※心霊音声のため、動画閲覧に際してはご注意ください。

続いてプレイしたのは、「心霊音声からステージを生成したモノ」となります。音声であればなんでも読み込める本作で、心霊音声からもステージが生成されるのか……ということをチェックしていきたいと思いますが……ひたすらにプレイしたくない。筆者はホラー映画や怪談などは大好物なのですが、ホラーゲームが本当に苦手……。没入感がありすぎると恐怖の実感がわきすぎて、何も出来なくなります。

今回使った心霊音声は、海外で収録されたと思わしき15秒あまりのデータ。しばらくは無音が続くのですが、一瞬「ギャア!」と叫び声が入ります。日本の心霊音声なら耐えきれなかったはずなので少し気が楽です。でも、こういう気楽なノリから幽霊に取りつかれるとかが定番なんですよね……。

もしかしたら「その音声の幽霊はついてこなかったけど、近くにいる地縛霊を引き寄せました」みたいな感じになるかもしれません。

楽曲を選択したところ、なんと開始時に可愛らしい幽霊のエフェクトが! すでに選択画面では心霊音声がプレビュー再生されていたため「ヒェッ! 出たっ」となりましたが……可愛らしくて安心します。

データ名に「Ghost」と入っていたためでしょうか、憎い心遣いです。ひとりの部屋でガチめな心霊音声を使ったゲームを遊ぶという、ちょっとおかしい状況に陥っていたので、本作がそれに合わせてくれるということで「自分はひとりじゃないんだ」という気にさせてくれました。

さて、先にプレイした「いつもの風景」では音量が低い箇所などでエフェクトが表示されませんでした。今回も幽霊の絶叫部分以外はエフェクトがないのでは……と杞憂していましたが、風の鳴るノイズを良い感じに本作は拾い、かなり控えめではありますがエフェクトにしてくれます。

曲に合わせてショットも強化されるので「幽霊の叫び声を聞きながら敵機を撃墜」という展開を想像していたのですが……意外なことに、幽霊の絶叫部分では逆にエフェクトが発生しません。

「おかしいな……むしろ音量はアップしているはずなのにな……」そんなことを考えながら、別ベクトルからチャレンジしてみることに。

本作では流れているデスクトップ音声から楽曲を識別、あるいは分刻みでステージとしてくれる機能が入っています。というわけで本作とは別に心霊音声を“4分間ノンストップ”でリピート再生……。検証してみることとします。

ノイズ部分
絶叫部分

検証してみたところ……やはり、絶叫部分だけ不自然にエフェクトが消失します。もしかすると幽霊の声だけ「現実の音」として認識されていないのではないでしょうか……

正直に言うと、筆者はそういう不思議な現象であってくれた方がまだ助かります。なぜって、良い歳した大人がただただ4分間、心霊音声を聞きながらゲームしてる事実はあまりにも悲しすぎますよ。なにか起こってくれた方が気が楽です。

「1stランクイン!」という文字が切なさをブースト。発売前の先行プレイだし、そりゃそうですよね……。しかし、幽霊の声は認識されなくともプレイが可能ということがわかりました。なお、霊障が発生した際は自己責任でお願いします!


そして心霊音声を4分間リピート再生してた心の傷を埋めるために、普通のゲーム内楽曲もプレイ。なんと本作では世界各地のラジオを聞きながら遊ぶこともできます!

筆者にとって、言語が理解できない音楽はすべて「インドかな?」と思ってしまうのでどこの国のラジオかわかりませんが、ボリウッドっぽい楽曲を聞きながら通常のゲームプレイをしてみます。

当然これも、ラジオ経由ですので本作にデフォルトで入っていない音楽。ですがノーマルな音楽はやっぱり心霊音声より圧倒的にプレイしやすいモノとなっていました。普通の音楽でプレイするのもおすすめです!

「文豪の某有名演説」でシューティング!

参考資料

最後にプレイしたのは、非常に有名な日本文豪の某演説となります。心霊音声とは別の意味でプレイしたくないなぁ……と思いながらも、本データがどのようにステージを生成するのかチェック。

名前を伏せていますが、おそらく日本史に残る演説、あるいは事件として語り継がれているのではないでしょうか。この文豪は演説の後、非常に苛烈な死を遂げていますが筆者は一芸術家としての彼をいたく尊敬しています。ですので、前述のような心霊的な怖さは一切ありませんでした。

聞くところによると、このスピーチは音量の問題で居合わせた人間は内容を把握することが出来なかったんだとか。ですので観衆の野次が多く聞こえます。それに対しての「お前ら聞け! 聞け!」という怒声と共にボスが出現……! 何度かプレイしたのですが、決まってこのタイミングにボスが出現します。

なんてタイミングでボスが現れるんだという感情、そして心霊音声とはまた別の「何をやっているんだ」という気持ち……! 彼が研究対象ではありませんでしたが、筆者は文学研究で昭和期の作家を調べていました。ですのでなおのこと複雑な気持ちがふつふつと……。

さて、なぜ彼がこの事件を起こしたのかということは、人々の想像でしか推し量れません。筆者としては、その解釈は人それぞれにあると思っていますが……そのうえで、これは芸術家としての彼が人生の最後を締めくくるにあたり残した慟哭と捉えています。

もし、彼の言葉に聴衆が賛同したとしても、その日からすぐに日本が変わるということはないはず。それをわからないはずはありません。ですので実利を願って動いたのではなく、後に続かせるため、自分という存在を後世に残すためではないかと考えざるを得ないのです。

もちろん、これを聞いて人がどう思ったかというのは大いに分かれます。それでも、筆者がそういった捉え方をしている以上、本演説を聞いているとどこか悲しくなってきます。国を想うということの大きさや激情に改めて敬意を示してしまい、同時に遺言なのかもしれないと思うと悲しくなるのです。

しかし今回は『Beat Hazard 3』のレポ……。客観的に見て本当に悲しいのは筆者の選曲でしょう。

ゲームオーバーになれば演説の続きは聞けませんので、せめてクリアしてから記事を……と考えたのですが、クリア率50%止まり。心霊音声などに比べればプレイしやすいステージですが、序盤からボスが出現するのは筆者のポンコツな腕ではややきつめ……。

こちらもゲームとしては十二分にプレイ可能。むしろ心霊音声などに比べれば遊びやすいマップとなっていました。……ですが自己嫌悪に陥る癖のある方にはお勧めしません!


2022年2月公開のデモプレイ映像

さて、本ゲームをプレイしていて感じたのは「これは音楽に聞き入るゲームだ」ということ。インドのラジオ局を聞いていればそのリズムに身体が揺れますし、心霊音声を聞いていればびくついてしまう。演説を聞けば、しっかりとその内容が頭に入ってきます。

がっつりやっていると、ライブハウスやクラブにでもいるようなトランス感が味わえる本作。音楽でノリたい、という方にはぜひお勧めです。受験生の方も、リスニングCDを流せばさらに没入できるかもしれませんよ! ただ、その際は自己責任でお願いします。

般若心境にASMR、自作のマイソングと選択肢が豊富な『Beat Hazard 3』は11月14日発売予定です。


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《高村 響》

ゲームライター(難易度カジュアル) 高村 響

最近、ゲームをしながら「なんか近頃ゲームしてないな」と思うようになってきた。文学研究で博士課程まで進んだものの諸事情(ゲームのしすぎなど)でドロップアウト。中島らもとか安部公房を調べていた。近頃は「かしこそうな記事書かせてください!」と知性ない発言をよくしている。しかしアホであることは賢いことの次に良い状態かもしれない……。

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