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Steamにも円安の波が!?Valveが「各地域の推奨価格」の定期更新めざす

ValveのSteam開発者向けドキュメントに追記された箇所によると、Valveは各地域の推奨価格レートを頻繁に更新するとしています。

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Twenty47studio/ゲッティイメージズ
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止まらない円安。ついに一時はドル150円を超え、日本政府の介入らしき急激な円高を経てもまだ留まるところを知らないようです。そんな中、Valveが提供するゲーム配信プラットフォーム「Steam」の開発者向けドキュメントにおいて、各地域の推奨価格に関する記述に変更が入っていることが明らかになりました。

追記された箇所によると、Valveは各地域の推奨価格を定期的に更新するとしています。Steamでゲームを配信する場合、パブリッシャーや開発者は、Steamが対応するあらゆる通貨に対し、それぞれ価格設定が可能となっています。が、全ての地域における理想的な価格を調査して設定することは(特にインディーデベロッパーには)難しく、Steamでは、米ドル価格を基準とし、各国価格として自動的に算出された推奨価格を入力することができる機能が提供されています。

この推奨価格は、外国為替レートのみで変動するわけではなく、購買力や消費者物価指数などの指標を加味して行われているとのこと。しかし、今回の変更を説明する文章においてValveは、あらゆる要因による経済の変化に対応し、各通貨の価格を自分で調査する時間がない開発者にとって有用な基準にできるようにする旨を明らかとしています。

この変更が直接何を原因としたものかは明らかにされていませんが、その裏側には、一部のSteamユーザーが、本来Steam上で設定されたリージョン設定を回避する何らかの方法で、ゲーム価格の非常に安い地域からゲームを購入する「リージョンスワッピング」の存在もあるのではないでしょうか。リージョンスワッピングの例では『Let's Build a Zoo』(定価19.99ドル)の予約注文の85%が、同作が1.50ドルで入手可能であったアルゼンチン経由であった事例などが知られており、国内のインディーゲームデベロッパーからの同様の報告がSNSを賑わせた事例もあります。

ただし、今回の変更がこのリージョンスワッピングの防止が主眼にあったとしても、円安が進む日本においては、現時点でも既に推奨価格では為替に対して安価でのゲーム購入が可能となっている状況であり、今後なんらかの影響を避けることは難しいのかも知れません。

一方で、この機能は既存のゲーム価格を自動的に為替基準で改定してしまうものではありません。あくまで新たに価格を設定する際にシステム側から推奨される価格を変更するものであり、その影響の殆どはあったとしても新作、それも日本向けのゲーム価格を別途設定していないタイトルに限られるところでしょう。ですが、自動的な価格の改定が行われない以上、特定のタイミングで発売されたゲームが将来的な為替市場の変化で逆に割高になってしまうケースも出てしまうのかもしれません。

いずれにしてもPCハード価格だけでなくソフトにも忍び寄る円安の影響。果たして先行きはどうなるのでしょうか。


《H.Laameche》
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