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『RimWorld』拠点作りは先人の知恵に学ぼう!世界遺産から考える都市防衛【ゲームで世界を観る#48】

シナリオエディットで大量の資材を持ち込みましょう。

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ゼロから住環境を作り上げるサバイバル系のゲームは色々ありますが、何もないところに放り出されてどうしたら良いか分からない、そんな理由で敬遠している人も少なくありません。

何が必要で目標をどうするか、何かイメージのとっかかりがあれば、自分で考えながら進められるようになりますが、それだけの把握ができるのはゲームでの経験を積んでから。特に難しいのが攻めてくる敵を撃退する防備です。バリケードの良い置き方などゲーム内では全く説明もないので、手探りでやるか攻略サイトを調べるのではないでしょうか。

そんなときに参考になるのが、世界遺産の中にある建造物や史跡です。人間が新天地に選んだ場所はどんなものか、様々な環境下でどんな生活をしてきたか、成功失敗含めた例を見ることができます。今回は『Rimworld』を使って、世界遺産に登録された2つの街造りを検証していきましょう。

四神相応:京都市街地

京都盆地

京都は風水における最上の地形「四神相応」であるとされています。四神、則ち、青竜、白虎、朱雀、玄武によって守られた場所は都市造りに最適であり、中国を中心に日本を含むアジア圏に広く取り入れられています。風水というと霊的なパワーというイメージが付きものですが、古来からの気象地勢に関する経験則の積み重ねを多分に含んでいて、科学的に検証すると意外と理に適っていることも多いのです。徳川家康が江戸の街を拓くときには南光坊天海が「この場所が四神相応だ」という助言を授けたという逸話があり、最終的に近世における世界最大の人口を持つ都市に発展しました。

四神相応は具体的に、東側は青龍が表す「河」、西側は白虎が表す「街道」、南側は朱雀が表す「湖」、北を玄武が表す「山」に囲まれた平地のことで、中央に麒麟を当てる場合もあります。つまり三方を自然の地形に守られつつ交易や軍事に使える街道に接している。なかなか厳しい条件の場所ですが、確かに地の利はあるでしょう。

『Rimworld』で同様の場所を探すとなると、巨大河を含む湖や海に接する場所でしょうか。温帯であれば肥沃な耕作地も期待できますね。

ちょっと狭いですが、大河と山岳に挟まれたちょうど良い場所を見つけました。東側は湖になっています。さて、ここで防備を整えるとするとどうなるでしょうか?水の側に都市を構えると、水軍を持たない敵に対して圧倒的に有利になります。水上にはカバーも何もないので、ほぼ丸見えの敵を一方的に射かけることが可能です。川を無理に渡ろうとする敵には射程で劣らない限りはまず蜂の巣にできますね。

そして残る二辺の片方は山に阻まれて大軍の侵入は困難、要所に砦や関所を設け、少ない人員や設備でも守りやすい地形になっています。そうなると攻める側は多方面からの攻略はかなり難しく、防衛側は街道側の一面に集中できるのです。

四方のうち二方を水に囲まれている河口付近は肥沃な三角州も多く、港を築いて水運を生かすのも難しくありません。そこに陸運の街道が接続できれば交易の要となるのは間違いないでしょう。山からは澄んだ地下水が流れ込み、「四神相応」の土地とは都市造営と防備に必要なものが揃っている理想的な立地だと言えます。

星形要塞:イタリア・パルマノーヴァの都市要塞

では逆に、地の利も何もない真っ平らな平野に都市を築くとなったらどうなるでしょうか。警戒は全方位に向けなければならないので、防衛に当てる労力が多大なものになります。設計がやりやすいからといって平地に拠点を構えた結果、四方八方から攻められて壊滅、なんて経験ありませんか?人数の少ない序盤だと、守りを固める資源も人手も足りないまま平野を開拓するのは結構難易度が高いのです。

平地の多い欧州で銃連隊の戦闘が中心になると、弓よりも直線的になった射撃に合わせて砦の形もシャープな直線が増え、やがて幾何学的に美しい「星形要塞」と呼ばれる砦が登場します。特にお勧めしたいのがイタリアにある「パルマノーヴァ」で、城塞都市として造られた町並みは上空から観ると見事な美しさを誇り、世界遺産には「16~17世紀のヴェネツィアの防衛施設群」のひとつとして登録されています。日本では北海道にある五稜郭が有名ですね。

攻めてくる敵を銃連隊で迎え撃つとき、各辺は連携して十字砲火や相互カバーを行いながら籠城します。どこからやってきても必ず側面が取れる角度を計算した結果、この不思議な星形の形になりました。

星形要塞で特徴的なのが、大きな角に加えて細々と付いている小さな出っ張りの部分。大きな辺からおとりのように飛び出している部分は、城壁に張り付いた敵への対策です。城壁の弱点は奥まった角の部分で、ここに押し込まれると射撃がかなり急角度になって非常に当てにくいのです。ここに梯子でもかけられようものなら侵入を許してしまうので、死角を潰すために考案されたのが出っ張りです。少し内側に出すだけで、死角になっていた角の部分に側面と背後から撃てる、これが秘訣です。

一方でこの出っ張りの部分は弱点にもなり、兵士が集まっているところに大砲で撃ちかけられるとひとたまりもありません。砲撃の大型化や、戦争が「点」から「線」に移行するに当たってこのような要塞は必要とされなくなりました。『Rimworld』でも固まって防衛しているとグレネードでやられてしまうのでご注意を。

シナリオエディットを使えば、資材を大量に持ち込んで最初から理想の陣地を造れます。さらに開発者モードで侵攻イベントを次々に発生させて耐え抜く遊びもできそうですね。軍師になったつもりで都市防衛に挑んでみましょう。


《Skollfang》

好奇心と探究心 Skollfang

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