気の抜けるタイトルに反して中身はめちゃくちゃしっかりガンスミスな『鉄 砲 鍛冶 シ ュ ミ レ ー タ ー』プレイレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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気の抜けるタイトルに反して中身はめちゃくちゃしっかりガンスミスな『鉄 砲 鍛冶 シ ュ ミ レ ー タ ー』プレイレポ

依頼を受ける、作業をする、確認をする……という工程を経て進行するシンプルなものですが、それぞれの工程で行えることが多岐にわたり、また実に丁寧にゲームが作られているため、非常に満足度の高いプレイフィールでした。

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今回はGameHuntersが開発を手掛け、パブリッシャーをPlayWay S.A.が担い、2023年07月19日にSteamにてWindows PC向けに早期アクセスリリースしたガンスミスシム『鉄 砲 鍛冶 シ ュ ミ レ ー タ ー(Gunsmith Simulator)』をご紹介したいと思います。

『鉄 砲 鍛冶 シ ュ ミ レ ー タ ー』とは?

本作は、新米ガンスミスとして鉄砲鍛冶工房を切り盛りしていくシミュレーターです。

英語の原題は『Gunsmith Simulator』。キリリと引き締まった鉄の手触りすら感じさせる格好良さに対して、Steamで表示される日本語のタイトルだと『鉄 砲 鍛冶 シ ュ ミ レ ー タ ー』……なんでしょうか、この腰砕け感。半角スペースが悪さをしている気がしてなりません。

しかもよく読むと「シミュレーター」じゃなくて「シュミレーター」というのもシュールさを加速させます。シミュレーター警察が喉まで出かかった言葉を飲み込むのに時間がかかるタイプの公式パンチ……個人的には思わずフフッと笑ってしまいました。

話を戻して本作は、そんな腰砕け感が漂うのはタイトルだけで、実際のゲームデザインは非常によくできており、早期アクセスの段階でありながら手堅く遊びやすい素晴らしいプレイフィールでした。

銃ひとつとってもモデリング、グラフィック、分解・組み立ての動作など拘りが光りますが、ゲーム的なアプローチで遊びやすさを追求することも忘れておらず、全体的に「銃の修理やメンテナンス作業をこういう工程で行うのだな」という丁寧な体験が楽しめます。

ハイスコアを目指して急ぐようなプレイではなく、のんびりと作業の流れ全体を遊ぶような感じが、筆者は大好きです。

前置きが長くなりましたが早速やってまいりましょう。なおGame*Sparkでは、過去に開発を手掛けたGameHuntersのCEO、Plawski Krzysztof氏にインタビューも行っております。興味のある方におかれましては是非そちらもご覧ください。


操作・設定・言語

本作の操作はキーボード&マウスで行います。コントローラーで遊べないこともないのですが、細かな部品を摘んでどうこうする……といった動作が何度も出てくるので、個人的にはキーボード&マウスの方が現状最も最適化された操作系だと感じます。

その他設定項目についてですが、いずれも細かく調整が可能となっています。本作は1人称視点のゲームで、机での細々とした作業が主体ではありますが、作業場内の移動や射撃場との行き来など、何かと視点が忙しく動くので、人によってはだいぶ酔いやすいかもしれません。

そのためか、特に「ゲーム」項目に関しては調整できるものが多い印象ですね。筆者も酔いやすいタイプなので、視野率変更などそういった設定に助けられました。また言語はばっちり日本語に対応しています。フォントや一部翻訳がやや固いかな?と感じる程度で、プレイに大きな支障はありませんでした。

本編開始

さあ始まりました『鉄 砲 鍛冶 シ ュ ミ レ ー タ ー』。タイトル画面から名前を決めてこの世に生まれたるはガンスミス「スパくん」です。前世でモデルガンをベースにその道を極めすぎた結果手が後ろに回って異世界転生というよくわからない脳内設定でプレイしてまいりましょう。

ロードが終わると広々とした工房に放り出されました。画面右上に現在行うべき目標が表示されるので、いざなわれるままPCへアクセスします。

どうやらスパくんは祖父ラリーからこの工房を受け継いで、人生の門出を迎えたようです。これは筆者の個人的な印象ですが、この手のシミュレーターゲームの冒頭は、誰かに店を譲ってもらう系の立ち上がりが多い気がします。異世界転生モノでトラックに轢かれる並の導入が普遍的に確立されているような……。何の話だ。

ともあれ物語は進み、ここからはチュートリアル的に「おじいちゃんのColt」を分解・修理・カスタマイズしていきます。

まずはこの棚からケースを受け取ります。ここには今後、受注した仕事の銃や、注文したパーツ、購入した物品が流れ着きます。各種作業を行う際のスタート地点と言えましょう。

ケースを持ち出してテスト用テーブルに置きます。このケースも銃によって異なるデザインが用意されており、古いタイプの銃だとホルスターなんかも一緒に入っていて、本作での再現に対するこだわりを感じさせます。

分解しよう!

今回の仕事における必要作業、クライアントが希望する構成を確認したら、まずは分解作業に取り掛かります。

本作のプレイバリューを構成する要素において、この分解・組み立て作業は非常に大きな部分を占めていると感じます。銃についてさっぱり詳しくなくても大丈夫、キーを押せばその時点で対応可能であるパーツがハイライトされるので、あとはクリックするなりして適宜操作を進めれば良いという簡単仕様がグッド。

取り外した部品を机に表示された枠ごとに並べれば一発でどの部品がどういう状況なのかもわかりやすいですし、画面内に表示される各種情報ウィンドウが進捗の把握に役立っています。全体的にこだわりの動作演出もさることながら、ゲームとして、初心者に対してもわかりやすいよう、とにかくユーザーインターフェースに気を配っているのが素晴らしいですね。

ただし、その際のカメラワークについては今後のアップデートで改善を期待したいところ。作業時には、カメラを自由に拡大縮小したり、手に取った銃を回転させたり移動させたりできるのですが……。

カメラが選択したパーツに向かってぐっと近づことがしばしばで、そのズームイン・アウトの動きで若干酔いかけるという……!また手元にズームインしたままで、取り外されたパーツは画面外へスイッと持っていかれるため、いちいちカメラを再調整するのが手間ですね。

部品を注文しよう!

一通り分解が終わると、このように部品概要が表示されて、物によっては破損・欠品があるため新しくパーツ注文をする必要があります。

そこでまたPCへ戻って今度はネット通販で部品を揃えていきます。

この通販サイト、なんと検索バーに日本語入力でお目当てのパーツを直接探していけます。しかも何のパーツをどこのショップで探せばいいのかについても、画面右下のショッピングリストが全て表示してくれるので迷子になりません。繰り返しますが、本作のプレイヤーに対する丁寧な心配りは素晴らしいものがあります。

とはいえたまに、日本語に訳してあるがゆえにパーツ名が途切れてしまい、類似品との判別が難しいことがあります。そんな時は先程の検索バーで銃の型番をそのまま打ち込めば、ある程度は絞り込むことも可能だったり。

購入したパーツを棚で受け取り、組み立て式テーブルに並べます。画面上の緑色にハイライトされたパーツが交換および新規パーツですね。パーツ交換もボタンクリック・ホールドでとっても簡単。トントン拍子で作業が進みます。

汚れを拭き取ろう!

さて、破損はしていないものの、動作に影響を及ぼすレベルで汚れているパーツもあります。そこで今度はクリーニングテーブルでゴシゴシと汚れを取り除いていきます。

この作業がまた気持ちいいんですよ……ボタンクリック・ホールドで汚れたパーツがみるみる輝きを取り戻す感触が非常に心地よい。まったくゲームとは関係ないのですが、個人的に好きなレストア系YouTubeチャンネルがあって、例えるならこんな作業(動画12分43秒頃~)を見ている時の気持ちに近いです。

また組み立て式テーブルに戻って、オレンジ色にハイライトされたパーツにオイルを塗り込んでいきます。

そして仕上げに組み立てをして……

作業完了です!依頼によっては追加で追加装備を取り付けたりしつつ。

作業後は射撃場で確認しよう!

キチンと動作するかテストしてみましょう。というわけで車へ積み込みます。

射撃場へやってきました。ここでは簡単なミニゲームをいくつか遊ぶことが可能で、実際に自分が組んだ銃の性能などを確かめることができます。なお筆者は性能チェックそっちのけで射撃場での試射を楽しんでいました。

射撃については、何か人間の手や腕が表示されて銃を構えるといったことはなく、あくまで銃単体のアニメーションですね。

ともあれそうやって動作確認も終えた銃は、丁寧に箱へしまって依頼主へ返送し、仕事が完了します。以降はPCで各種依頼を引き受けながら少しずつスキルと対応可能作業の幅を増やしていクことになります。

おわりに

依頼を受け、銃の整備・修理を行い、射撃場などで試射を行う……文字にすれば本作の基本的な流れは極めてシンプル。しかしそれぞれの段階で用意された工程や作業は非常に多く、それでありながら退屈させません。

もちろん作業系のゲームが苦手なプレイヤーにとっては地味な操作が続いてちょっと厳しいかもしれませんが、筆者のように分解・組み立て・掃除・メンテナンスの作業が大好きな人間にとって、本作でのプレイフィールは素晴らしいものがありました。

とはいえ、もちろん早期アクセスの段階故に、カメラワークなどまだまだ荒削りな部分もある本作。今後はユーザーからのフィードバックを取り入れながら開発を進め、製品版では作業台の追加以外に、火縄銃などの歴史的な銃にも触れることができるそうです。今から本作がどのように仕上がっていくのか楽しみでなりませんね。

  • タイトル:『鉄 砲 鍛冶 シ ュ ミ レ ー タ ー』

  • 対応機種:Windows PC(Steam)

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)

  • 発売日:2023年7月19日

  • 著者プレイ時間:2.5時間

  • サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し

  • 価格:2,300円(2023年7月27日まで2,070円のセール中)
    ※製品情報は記事執筆時点のもの

スパくんのひとこと

ちょっと気の抜けるタイトルに反して、ゲーム内容は物凄くしっかりしているスパ!作業の心地よさは絶品スパね!


Microsoft Flight Simulator : スタンダード 日本語版
¥11,791
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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