2003年、のちのゲーム史を分けたかもしれない「残り開発期間12ヶ月」の判断―幻の旧『Fallout 3』開発中止の裏側を初代『Fallout』主要スタッフが明かす | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

2003年、のちのゲーム史を分けたかもしれない「残り開発期間12ヶ月」の判断―幻の旧『Fallout 3』開発中止の裏側を初代『Fallout』主要スタッフが明かす

Black Isle Studiosが開発中だった『Fallout 3』の舞台裏を明かしました。

ゲーム文化 カルチャー

初代『Fallout』の主要スタッフの一人として知られるTim Cain氏が、Black Isle Studios製『Fallout 3』の開発中止の裏側を明かしました。

幻の『Fallout 3』開発中止の裏側を『Fallout』主要スタッフが明かす

現在『Fallout 3』として知られている作品はBethesda Game Studiosによるものですが、初代『Fallout』と『Fallout 2』を手掛けたBlack Isle Studiosもそれ以前の過去に続編の開発を進めていました。しかし、「Van Buren」というコードネームで知られるBlack Isle Studios製『Fallout 3』の開発は難航。2003年にパブリッシャーInterplay Entertainmentの判断で開発は中止となり、スタジオは閉鎖されました。

Bethesda Game Studios『Fallout 3』

Tim Cain氏は動画の中で、開発中止に自身も関わっていたと説明。1998年にInterplayを退社したCain氏ですが、2003年の夏ごろにInterplayのバイスプレジデントから「開発が難航している『Fallout』新作をプレイして見込みがあるかを教えて欲しい」との連絡を受けて、「Van Buren」のプロトタイプをプレイしたとしています。

プロトタイプのプレイ後、Cain氏は完成までにあとどれくらいの期間が必要かを尋ねられ、開発チームの技量を踏まえて18か月あればとてもいいゲームになるはずだと回答。もっと早くならないかと再度尋ねられたものの、デスマーチやクランチと呼ばれる事態に陥っても12か月よりは早くならない上に、チームの燃えつきやバグだらけでのリリースに繋がるのでおすすめできないと答えたといいます。

『Fallout 2』

資金難で開発継続が困難に

Cain氏の見積もりが6か月より長かった場合、バイスプレジデントは開発中止を決断するつもりだったとのこと。当時のInterplayは資金難に陥っており、6か月以上開発を続けることは不可能と判断され、実際2003年中に「Van Buren」の開発は中止されるに至りました。

『Fallout 2』

Cain氏は、ゲーム開発は最終的にお金の問題になり、誰かを開発中止の悪者として非難することは難しいと説明。そして、これがInterplayの『Fallout』に関わった最後の機会だったと振り返って動画を締めくくっています。

《kamenoko》
【注目の記事】[PR]
コメント欄を非表示
※一度コメントを投稿した後は約120秒間投稿することができません
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください
  • スパくんのお友達 2024-06-21 18:34:30
    1や2、BoSやTacticsの売り上げは当時どんなもんだったんだろ?シリーズが複数出てるなら徐々に落ちていったんだろうけど、ベゼスダの3でそんなに待ってる人がいたんだろうか
    9 Good
    返信
    2件の返信を表示 返信を非表示

編集部おすすめの記事

特集

ゲーム文化 アクセスランキング

  1. 30年越しに家庭で遊べるようになった『エアーコンバット22』は『エースコンバット』へ繋がる原液が詰まっていた【特集】

    30年越しに家庭で遊べるようになった『エアーコンバット22』は『エースコンバット』へ繋がる原液が詰まっていた【特集】

  2. 『ドンキーコング』映画になる!?任天堂とユニバーサル・ピクチャーズが登録、米国著作権システムで発見

    『ドンキーコング』映画になる!?任天堂とユニバーサル・ピクチャーズが登録、米国著作権システムで発見

  3. 『モンハンワイルズ』カスハラや誹謗中傷が原因か。カプコンによる最適化に関する講演が中止へ

    『モンハンワイルズ』カスハラや誹謗中傷が原因か。カプコンによる最適化に関する講演が中止へ

  4. オープンワールドRPG『Of Ash and Steel』序盤を体験できるクローズドプレイテストが開始―クエストマーカーなしの冒険とサバイバル

  5. ガン闘病中の『スカイリム』プレイヤーが『TES6』新作出るまで動画を毎日アップ―1ヵ月投稿止まり注目集める

  6. 『RimWorld』Steam同接6.8万人突破で記録更新―グラヴシップを建造できるDLC「Odyssey」発売で盛り上がり見せる

  7. 黙示録的アクションRPGアドベンチャー『Chernobylite 2』原点回帰の大型アップデート第三弾が8月上旬に実施予定

  8. メカを組み替え戦うアナログウォーゲーム『エンバー:オブシディアンプロトコル』が日本上陸。各種関連商品が2025年10月発売予定

  9. 『あつまれ どうぶつの森』より昔のグラフィックの方が良かった…初期作のスタイルに回帰してほしい海外ゲーマーの主張が話題

  10. 『バイオハザード』『サイレントヒル』風味のローポリサバイバルホラー『Heartworm』8月1日にSteam配信!

アクセスランキングをもっと見る

page top
Game*Spark
ユーザー登録
ログイン
こんにちは、ゲストさん
Avatar
メディアメンバーシステム