アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、2017年3月17日にリリースされた巨大ロボットゴルフ『100ft Robot Golf』です。
巨大ロボが挑むのは妨害ありのゴルフ!
『100ft Robot Golf』 は、アメリカのインディーゲームデベロッパーNo Goblinが開発を手がけています。同社は2014年に回転するタクシーで目的地を目指す『Roundabout』でも知られています。また、共同創設者の1人Dan Teasdale氏は、過去に『Destroy All Humans!』『Rock Band』など多くのゲームに携わっています。
本作は2015年に「PlayStation Experience 2015」で開発が発表され、海外PS4/PS VR向けに2016年10月に発売。PS VR向けには拡張コンテンツ「Kaiju Driving Range」もリリースされています。PC版は2017年3月17日にSteam向けにリリースされ、AI改善やマウス/キーボードサポートなど、いくつかの変更が加えられています。
ゲームはその名の通り【100フィートのロボットがゴルフで対決する】というもので、ゲーム内には11人(?)のパイロットとロボットが登場。中には「犬5匹」や「首だけの男」など、とても奇妙なメンバーが揃っています。また『Saints Row』シリーズの「ピアース」がゲストキャラとして参戦しています。
もちろん単純にロボがゴルフをするというだけでなく、ミサイルやビームで相手を妨害したり、障害物を破壊したりといったアクションも可能。さらにゲージが溜まれば必殺ボールも使用可能です。また、非常にユニークな点として「ロボットの種類でUIや操作が変わる」という特徴があります。




スイングに入った相手は妨害禁止です
『100ft Robot Golf』のゲームルールは非常にシンプルで「相手より早くカップインする」ことでホール勝利となります。ただし、通常のゴルフのように交互に打つわけでなく、ボールが静止していれば次のショットを打つことができます。つまり、プレイヤーは基本的に自分のショットを追いかけて行くことになります。
もちろんOBやウォーターハザードのようなルールもあり、プレイ不可能な場合は打ち直しになります。先にカップインした方が上位になるルールで打ち直しは大きなタイムラグになるので、しっかりとコースや打球方向を見定めることも重要です。



そして巨大ロボットゴルフの醍醐味は、妨害行為が許されているということです。ゲーム内ではゴルフクラブで殴りかかったり、装備している武器で攻撃することで、相手をノックバックさせられます。ただし、スイング中の相手には攻撃が通じないどころか、相手のスイングで逆にノックバックを受けてしまいます。このあたりはさすが紳士の競技ですね!
また、各種攻撃はコース上の障害物破壊にも用います。コースに設置されているビルやドームなどのオブジェクトにボールが当たれば跳ね返ってしまうので、先に進路上にある近くの物を破壊しておく、といった戦略も立てられるのです。





ちなみに最もシンプルな妨害方法に「相手の打ったボールに体でぶつかる」と言うものがあります。ショットの機動は見えるので、うまくぶつかることで相手のボールを谷底に落としたりすることも不可能ではありません。


個性豊かなロボットたちを操縦せよ!
ゲーム内に登場するロボは、比較的オーソドックスにゲージの強弱を狙うタイプ、ショット時にボタンを押す強さで調整するタイプ、3つのゲージのタイミングよく揃えて“シンクロ率”のようなものを高めるタイプなど、いくつかの操作タイプに分かれています。
操作タイプやロボットごとにUIも大きく異なります。どこかで見たような6角形の表示があったり、レトロな雰囲気のPC画面のようなゲージが表示されたり、複数パイロットなら同時に表示されたりと、一発で“どんな感じのロボットなのか”がわかるのも面白いところです。




ロボットの武装には、攻撃特化のレーザーだけでなく、空中で発動可能なダッシュなどの種類があります。ダッシュは移動に便利な反面、少し離れたオブジェクト破壊が苦手という弱点も。さらに、必殺技でも補助や妨害などがあるため、ロボットごとで大きく戦略は異なります。
『100ft Robot Golf』では、最低限のゴルフゲームの要素もしっかり抑えています。ホールでは風や地形に合わせてクラブの種類やショットの長さ、ボールを打つ位置などを調整しなくてはなりませんし、力任せに打っているだけでは簡単にカップインできません。とはいえ月面や海底ステージでは、また違う戦術も必要になりますが……。



狙った場所にアプローチするために最適な力加減などを視覚化するシステムがあり、そのあたりの操作はカジュアルです。しかし、実際のホールでは後ろからレーザーで撃たれたり、ビルにボールがぶつかったり、山や谷底にボールが落ちたりすることも。コースには思わぬショートカットなども隠されています。



パロディたっぷりのキャンペーンが面白い!
本作のメインモードであるキャンペーンは、ロボットゴルフツアー協会の会長Vahniと相棒であるMaxによる野望と陰謀を中心とした物語が展開します。本作は90年代のアニメに影響を受けており、どこかで見たようなパロディたっぷりに、多くのキャラクターが活躍するストーリーも見どころです。
キャンペーンは章形式になっていて、それぞれの章で異なるロボットを使用した試合が行われます。これはロボットの基本的なチュートリアルにもなっているもので、比較的難易度は低めなほか、キャンペーンの成果はあまり本編に影響しません。





なお、各チャプターのリザルトでは、成績に応じて銅メダルから金メダルまで獲得可能です。メダルはショップで機体やボールのスキンと引き換えることができ、他のモード向けにカスタマイズすることができます。カスタマイズではスキンのほか、効果音も変更可能です。


ストーリーでは、ツアーに参加するパイロット達による、それぞれの複雑な事情やゴルファーとしての矜持、そして変化していく人間関係など、さまざまな物語が進行していきます。このストーリーもなかなか魅力的で、フルボイスなのも嬉しい部分。最終局面の展開や、ラストシーンは必見(?)ですね!





『100ft Robot Golf』は「巨大なロボットがゴルフで対決する」というインパクト抜群な題材で、魅力的な世界観を描き出しています。ゴルフゲームとしてのプレイ感もしっかりあり、その上でミサイルやグレネード、必殺剣などのロボットアニメ的な数々の要素も楽しめます。
本作で、是非とも遊んでほしいのがキャンペーンモード。どこかで見たようなロボットやキャラクターによる物語は、コース中の演出などもあり、最終的に思わぬ盛り上がりや展開を見せてくれます。


リリースからすでに8年近い時間が経っているため、残念ながらオンラインマッチはほぼ人がいない状況です。ただ、Steam版では「Remote Play Together」による分割プレイなどにも対応しています。4人でやると適度な妨害や抜け駆けがあり、パーティーゲームとして盛り上がるので、機会があればフレンドを誘って遊んでみてください!
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