アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんに古今東西の素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、2025年6月18日にSteam早期アクセスをスタートしたターン制タクティカルRPG『NITRO GEN OMEGA』です。

自分のチームを作って荒野で成り上がれ!
『NITRO GEN OMEGA』は、イタリアのゲーム開発スタジオDESTINYbitが手がける作品。同デベロッパーはこれまで『Empires Apart』『ダイスレガシー』などの作品を開発し、2020年にはEmbracer Groupに買収されています。
本作は、2024年10月に正式発表となりました。『ファイアーエムブレム』シリーズの部隊マネジメントや『Battle Brothers』のオープンワールド探索などに影響を受けた奥深い戦略RPG要素と、印象的なビジュアルと演出による「スパゲッティアニメ」のサンドボックスタクティカルRPGという名称で紹介されています。
ゲームの舞台となるのは、人類が機械との戦いに敗れた世界。生き残った人々は巨大な柱の上に建つ都市に移り住み、物資を求める生活を送っています。
プレイヤーは、この過酷な世界での新人傭兵チームの指揮官となり、仲間とメカ「メック」で戦いながら各地の人々の依頼を受けて生き延びる道を探し出していきます。
戦闘は独自のタイムラインシステムを採用し、シネマティックな演出で進行。メックの改造やクルーの強化、そして仲間同士の関係性や士気の管理なども重要です。クルーはランダム生成されるので、見た目はもちろん性格や願望なども異なり、プレイヤーごとに自分だけのチームを作って遊ぶこともできます。


Steam早期アクセス段階では戦闘やメックの改造、各地の都市での依頼やサイドクエストなど、ゲームの基本的なメカニズムを体験可能。正式版に向けては、コンテンツの拡充やメインクエストの実装などに加え、マルチプレイを目指した開発計画を進めていくことがSteamストアページで明かされています。
キャラクター選択から悩みまくる!
ゲームはまず自分の傭兵団のクルーを作ることから始まります。キャラクターは各パーツや名前などがランダム生成のため、「パイロット更新」を押しながらひたすら自分好みのキャラクターが出るまでロールし続けましょう。
キャラクターは髪型や肌の色、アクセサリーなど非常に豊富で、更新するたびに個性豊かな姿で登場します。ゲームを開始するまで特性などは明かされないので、まずは見た目を優先して決めてしまいましょう。気に入ったキャラクターはロック可能で、4人のクルーを選んだらいよいよゲームが始まります。




新米クルーの主人公たちは、最初はチュートリアルとして町の周辺でパトロールを行います。
飛行船でマップを移動し、「!」が付いている怪しい場所を調べることで戦闘などのイベントが発生。無事にいくつかの戦闘をこなした後は、飛行船内でクルーの管理を行う「アクティビティ」などの項目を学んでいきます。
『NITRO GEN OMEGA』はかなり覚えるべき項目が多く、現時点のビルドでは決してチュートリアルが親切とは言えません。
まずは苦労して戦闘を乗り越え、船内でのアクティビティ効果を試したり、依頼を受けて「ビー玉(お金)」を集めたり、都市でパーツや強化用のアイテムなどを見て回ったりと、世界の姿をしっかり焼き付けましょう。





行動予測と駆け引きありの戦闘が面白い!
本作の戦闘は、敵味方がそれぞれのタイムライン上にアクションパネルを配置していく形式です。メックに登場する4人のクルーはドライバー・ガンナー・エンジニア・オペレーターの役割を担っていて、攻撃や移動、サポートなどのアクションを各ターンごとに決定・配置していきます。
敵の行動はおおまかに「攻撃」「移動」「特殊」などで表されますが、一度に表示されません。プレイヤーが1人のアクションを配置すると敵側も配置するイメージで、戦闘開始時点では敵がどのように移動するか、どのようなタイミングで攻撃を仕掛けてくるかを予測しなければなりません。





例えば、移動やガードなどを担当するドライバーのアクションを前半に配置した場合、敵の攻撃が後半に集中したらガードできません。比較的優先度の低いアクションを先に配置して、相手の行動を見極めてから攻撃やガードなどを考える、という戦術が有効です。もちろん、一気に倒せる相手なら攻撃を優先しても構いません。
戦闘ではオーバーヒートやクルーの負傷などの危険性もあります。また、ダメージによって士気が上下し、恐怖や不安状態になると行動が制限されることも。戦闘結果でクルーが死亡してしまう可能性もあるので、ステータスを管理して勝利を目指しましょう。




各アクション実行時には、それぞれのキャラクターやメックをアニメで表現します。見た目もバッチリ反映されるので、しっかりと「自分のキャラクター」が活躍する様子を見ることができます。




仲間との関係を作り出せ!
マップ内では、いつでも飛行船メニューを選択できます。そしてメニューではメックの装備変更や修理、パイロットの乗せ替えのほか、傷ついた機体の修理なども行えます。なお、修理には戦闘で獲得できるスクラップが必要です。
飛行船内では、戦闘や依頼で獲得できるポイントを消費して「アクティビティ」を実行できます。
スキルの勉強をしたり、楽器演奏でテンションを上げたり、仲間とヨガやボクシングして絆を深めたり……ゲームが進めば栽培や料理などもできるので、どんどん楽しんでいきましょう。同じアクティビティは、戦闘終了後に再実行できるようになります。





本作は戦闘だけでクルーの各能力を上げるのは難しく、アクティビティで伸ばすことが基本です。レベルが上がれば戦闘で有利になるスキルも覚えられるので、ビー玉に余裕があれば本やゲームなどのアイテムを購入しておきましょう。これらのアイテムは、嬉しいことに非消耗品です!
ゲーム内では、キャラクターごとに仲間との関係性が設定されています。仲がいいと「親友」に、悪ければ「ライバル」になり、戦闘で相手に行動を譲る/行動を奪うことができるように。
形はどうあれ関係を深めることで、新たな戦略につながっていくのです。自分なりの設定に合わせた人間関係も構築できますね。




世界を巡って船とメックを強化せよ!
『NITRO GEN OMEGA』で訪れる町では、メックのパーツやアイテムの購入、新たなクルーの雇用、ビー玉を稼ぐための依頼などができる、さまざまな施設が用意されています。また、一部の町ではサイドクエストが発生することがあり、クリアすれば飛行船の強化パーツも獲得可能です。
メックのパーツには腕部や脚部などがあり、それぞれに異なる兵装や耐久度が用意されています。またメックは2種類のタイプに換装でき、装着できるパーツも変化していきます。
町ごとに扱っている装備の種類やレアリティも変わるので、各地を巡って理想のメックを作るのも本作の醍醐味です。




パーツはコスト制で、当然ながら強力なパーツになればコストが上がっていきます。「心臓」パーツを良いものにすれば最大コストがアップするので、まずはこちらの強化を優先しましょう。また、パーツ構成によってはメックの熱を下げる「冷却材」が付いてない!といった事も起きうるのでご注意を。
負傷や死亡の危険性がある戦闘は“いかに安全に敵を倒すか”がポイントなので、身の丈にあった依頼をこなしながら少しずつメックを強化し、仲間と絆を結んで能力を高めていくことが重要です。






『NITRO GEN OMEGA』は、世界を巡りながら依頼やイベントをこなしてメックを改造していくカスタマイズ性、“被害を抑える”ことが重要な戦略性の高いバトル、自分だけのクルーで物語を作っていく関係性などが楽しめるゲームです。記事執筆時点(2025年6月27日)ではまだメインクエストはないものの、じっくりとメックや仲間を強化していく要素はたっぷりと味わえます。
依頼で資金を稼ぎ、メック強化やアクティビティでチームを強化し、また新たな依頼をこなしていく……というサイクルはシンプルながらとても魅力的。
遊べば遊ぶほどにクルーへの愛着が出てくるので、なるべく最初のチーム結成の段階で“キャラクターの方向性”をロールプレイしておくと一層楽しめますね。ストアページの「少年アニメの監督になったかのような体験ができる」という説明に偽りなしです!




ただし、チュートリアルはあるものの戦闘やパーツ、スキル関連で少し説明不足を感じるのは今後改善してほしい部分です。下手すれば理解できないまま猛攻撃を受けてあっさり破壊される、という自体もあるので、こまめなセーブは必須です。また、マップが無いので町の場所や名前が覚えにくいのも少し気になります(筆者が方向音痴なのもありますが)。
トレイラーでのアクションやアニメの雰囲気が気になった人であれば、ぜひともオススメしたい作品です!
¥5,936
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)













