2025年2月にSteamで配信中の作品から疑わしいマルウェアが検知されたとの騒動が伝えられましたが、またもマルウェア関連の問題がSteamで発生していたようです。
Steamページから公式サイトに誘導しマルウェア配布...
2025年2月の騒動はSteamでリリースされたゲーム内に疑わしいマルウェアが検知されたというもの。今回話題となった『Sniper: Phantom's Resolution』の場合、問題のソフトはSteam外に配置されていたとのことなので状況がやや異なります。
この問題を伝えたTheGamerによると、2025年3月17日に海外掲示板Redditにて「『Sniper: Phantom's Resolution』のSteamページからアクセスできる公式サイトが怪しげだ」との投稿が行われたことが発端。また、その公式サイトからはデモ版をダウンロードすることが可能で、それ自体がウイルスではないかとの疑惑も浮上していました。
この投稿を受けて仮想マシンなどを駆使して疑惑のデモ版を調査するユーザーも。Unity製ゲームのように偽装されているものの、管理者権限にアクセスしてPC上のデータを盗み出そうとする挙動が見られたと主張し、デモ版を起動してしまったユーザーは関連ファイルを全て削除してパスワードを変更すべきだと報告しています。
開発チームは第三者に濡れ衣を着せられたと釈明も真偽不明
これを受けて、Sierra Six StudiosはRedditやSteamなどで声明を公開しています。それによると、本作に関するコンテンツが配信されるのはSteamページからのみであり、それ以外は詐欺の可能性が高いとのこと。また、マルウェアと思われるデモ版が掲載されていた公式サイトについては、第三者がドメインを購入して公開したページであり、開発チームとは一切の関わりがないと説明しました。
（第三者が作成したと主張する）公式サイトへのリンクがSteam内の開発者のみが設定できる場所に設置されていたのは何故かという質問に対しては、プレイヤーの注目が高まってからサイトを作ろうとドメイン購入を後回しにしたまま入力して放置してしまっていたからだと回答。また、本作がゲームとして存在する証拠として50秒程度の開発中の映像を公開しました。
Steamページは現在も閲覧不可
3月20日の時点でValveと連絡を取り状況を説明していると話していましたが、それから5日ほどが経過した記事執筆時点では開発チームからの続報は公開されていません。Steamページおよび問題の公式サイトも閲覧できない状態となっています。
なお、本誌では2024年12月のSteamストアページ公開時に本作を紹介する記事を掲載していました。しかし、現時点において本作の危険性を判断することはできず、（現時点では閲覧できないものの）公式サイト等へのアクセスを試みることは推奨できません。今後、事態に動きがあった場合も自己責任での判断をお願いします。
Steamゲームから直接、あるいは外部サイトに誘導してダウンロードする形で悪意のあるソフトウェアを提供するという手口が広まれば、特に新興のデベロッパーが手掛けるPCゲームへの信頼性が失われ、日本でもPCゲームの勢いを削ぐことにもつながりかねません。
今回のケースに関しては、開発チームが悪意を持って行ったのか、あるいは説明通り第三者によって濡れ衣を着せられたのか、今の情報からでは判断することは難しいですが、どちらにせよSteamには安心して利用できるような運営を今一度望みたいものです。
