今回は、Analgesic Productionsが手がけるPC向けタイトル『Danchi Days』のメディア向け先行体験版をプレイ!本作は、古い団地に住む少女ホシノちゃんが、団地住民の高齢化により中止されてしまった団地の夏祭りを復活させるべく奮闘していく“平成レトロ”団地アドベンチャーです。
去年のデジゲー博レポート絵日記でもご紹介しましたが、今回の試遊版では序盤約1時間をたっぷり楽しめるよう、大幅なアップデートが施されています。

発売前からイベントでプレイしていると古参気取りが出来るので良いですね!
◆とある団地の夏祭りを復活させよう!

日本のどこかにある「トアル団地」。ある日、その団地は激しい嵐に見舞われ、被害を受けてしまう。

この女の子は、主人公のホシノちゃんだ。先日の嵐の影響で、団地の地図が描かれた看板が壊れてしまったらしい。そこで、おばあちゃんや友達のリオくんと一緒に、バラバラになった看板の欠片を探すことになった。

本作では、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を研ぎ澄ませて、さまざまなものを見たり触ったりして感じ取れるのだ。“見る”アクションを通じて注意深く観察すると、対象に応じた新しいアクションが取れるようになる。

怪しい場所を“見る”と、キラキラとしたエフェクトが出現することがある。そのときに五感を集中させる“感じる”アクションを使うとミニゲームが始まる。このミニゲームをクリアすると、対象についての情報を得たり、アイテムを入手できたりする仕組みだ。

水たまりのなかには看板の欠片が沈んでいた。他にも、おばあちゃんの教えてくれた場所を調べ、3つの欠片が手に入ったぞ。

ゲーム的には、怪しいものを見つけ、五感を集中させるといったアクションのチュートリアルなんだけど、おばあちゃんの指示があまりにも的確すぎて、思わず「これ、自作自演じゃないの!?」と疑いたくなってしまう。

「ずっと一緒に団地で遊ぼうね」──そんな願いもむなしく、7年の月日が流れた。

時の経過は残酷なもので、保育園だった場所はシニアセンターに。元気だったおばあちゃんは認知症を患ってしまい車椅子生活を送っていた。

仲良しだったリオくんは知的に成長していたが、その分、現実を冷静に受け止めていて、どこかドライな印象を受ける。

だが、リオくんも本音のところでは悲しんでいるのは表情からも伝わってくる。ホシノちゃんに「認知症」のキーワードで検索してみるように告げ、リオくんは去っていった。

ゲーム中に入手したさまざまなキーワードを使って、PCで検索できるのも特徴のひとつだ.
さっき手に入れた「認知症」のキーワードを使って検索してみよう。検索で見つけたWebページには、「現代の医学では完治が難しい」と書かれており、ホシノちゃんはしょんぼりと肩を落として帰宅するのだった。

序盤に出てくるワードとして「認知症」ってかなり重くない?と思ったけど、そもそも本作の目的は、住民の高齢化により中止になった夏祭りの再開なんだから、「認知症」の話題もおかしくはないんだよな。可愛いビジュアルに反して、なかなかヘビーな題材だぜ。

お父さんと、かつて団地で開かれていた夏祭りの話をしていたところ、それまで話しかけても反応のなかったおばあちゃんが、ふいに反応を見せた!実は、おばあちゃんは夏祭りの委員長として、準備や主催を行っていたらしい。きっとその記憶が刺激されたのだろう。

団地の夏祭りは、住民の高齢化により数年前から開催されなくなっているんだけど、久しぶりに夏祭りを再開させればおばあちゃんの認知症が良くなるかもしれない。そんな希望を胸に、ホシノちゃんは夏祭り再開に向けて動き出すのだった。
◆団地の神様?カッパのモロキュウと参加者集め!

夏祭りの復活に向けて、チラシを配って参加者集め……の前に、給水塔に居ると言われている団地の神様にお祈りしにいこう。

祈りを捧げたらなんか出てきた!このカッパはモロキュウという名前の、神様のようなそうでないような存在だ。名前以外の記憶を失っているのであやふやな存在なんだけど、ホシノちゃんに協力してくれるようだ。
そういえば、試遊版ではモロキュウとの出会いのシーンがカットされていて、最初から当たり前のようにホシノちゃんの隣にモロキュウがいたんだけど、こういう出会いだったんだな。

良かった、ホラー系の話じゃなくて!

ここから団地の敷地内を自由に歩き回り、住民たちにチラシを渡して参加の約束を取り付けていくぞ。

会話だけで参加を約束してくれる場合もあれば、ミニゲームのクリアが必要な場合もある。かなりシンプルな内容なので、いつもゲーム内ミニゲームで詰まりがちな僕でも安心だ。

勧誘に成功した住民は、ホシノちゃんが運営しているホームページに記録される。

住民たちも個人のホームページを持っていて、メールや記事を読んだ反応を送って交流が生まれていく。

そうそう、2000年代初期って回線速度の問題から、画像ファイルを使わないテキストだけのホームページが多かったんだよな。懐かしいな~。

それにしても、高齢化が進んでいる団地なだけあって、住民の年齢層が高めだな。しかも、水たまりクリエイターとか、すべり台で目玉焼きを焼く人とか、ちょっと個性が突出している人が揃っている。
本日のノルマである10人の勧誘を達成し、ホシノちゃんの夏祭り復活計画も順調……かと思われた。

すべての住民が夏祭りの復活に賛成しているわけではない。悪意ある記事を書いた人物が本当に住民なのかは不明だが、いずれホシノちゃんの前に立ちはだかる存在となるかもしれない。
真っ当な記事より、こういう不穏な記事は得てして広まりやすいもので、閲覧数がどんどん上がっていく。
増えていくアクセスカウンターの数字を見ていると、何人もの悪意を感じるようで恐ろしくもあり、「キリ番踏んだら何かもらえないかな~」なんて、インターネット老人会あるあるを思い出して、ちょっとホッコリする気持ちもあったりして……!
寄り道せずに普通にプレイして、1時間以上楽しめました。試遊版からかなりボリュームアップしていましたね!
「“平成レトロ”団地アドベンチャー」のジャンル名の通り、ゲームボーイアドバンス風のビジュアルなど、あの頃の平成の空気感を色濃く感じさせる作品でした。
今回の体験版で勧誘できたのは13人でしたが、まだまだ数多くの住民が登場します。製品版では全員お誘いして大規模夏祭りを開催したいですね!
『Danchi Days』はPC(Steam)向けに2026年に発売予定です。
¥742
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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