「トルコ人の手で自らの文化、伝説、アイデンティティを反映した『ウィッチャー』や『アサクリ』を作りたかった」トルコ産アクションADV『ウルカインのエルトゥールル』【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

「トルコ人の手で自らの文化、伝説、アイデンティティを反映した『ウィッチャー』や『アサクリ』を作りたかった」トルコ産アクションADV『ウルカインのエルトゥールル』【開発者インタビュー】

気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Tekden Studio開発、PC向けに6月12日に早期アクセス開始予定のトルコ産アクションアドベンチャー『ウルカインのエルトゥールル』開発者へのミニインタビューをお届けします。

連載・特集 インタビュー

気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Tekden Studio開発、PC向けに6月12日に早期アクセス開始予定のトルコ産アクションアドベンチャー『ウルカインのエルトゥールル』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、トルコ中世の中心、アフラトの美しい風景を舞台にした3人称視点のアクションアドベンチャーゲーム。息をのむような名所を探索し、近隣の部族とのつながりを築きながら、活気あふれる世界を駆け抜けます。日本語にも対応予定です。

『ウルカインのエルトゥールル』は、6月12日に早期アクセス開始予定


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Hande Hande Karagüzelです。私はトルコ人とエジプト人のハーフで、ファンタジックな世界に飛び込み、壮大な冒険を繰り広げることに情熱を燃やすゲーマーです。お気に入りのゲームを選ぶのにはいつも難儀するのですが、私の心を真に奪ったゲームは『アサシン クリード』(特に1作目と『ブラザーフッド』)、『CONTROL』、そして『Horizon』シリーズですね。

――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?

Hande 本作の特徴的な点は、トルコの歴史と神話との深いつながり、そしてセミオープンワールドのアクションアドベンチャー体験を通して命が吹き込まれているところです。私たちは、プレイヤーたちを楽しませるだけでなく、私たちの文化、伝説、アイデンティティを反映したゲームを作りたかったのです。特に、自分たちの伝統がゲームで表現されることがほとんどないプレイヤーにとって、本物で力強く感じられるものとなっています。

このアイデアは、私とパートナーであるYunus Emre Karagüzelの共通の夢から生まれました。私たちのルーツ、私たちの物語、そして私たちが憧れて育った楽しさと没入感によって形作られたゲーム……「私たちのもの」のように感じられるゲームを作りたいといつも思っていました。これを実現するために、私たちはトルコ全土から才能あるメンバーを集め、それぞれが情熱と専門知識をもってプロジェクトに臨みました。

――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?

Hande 本作は、Tekden Filmが制作したトルコの人気テレビシリーズ「復活:エルトゥールル」からインスピレーションを得ており、これはエルトゥールル・ガジの人生を掘り下げた作品です。このつながりが、本作に豊かなストーリーテリングと歴史的な深みを与えています。システムに関しては、『ウィッチャー』と『アサシン クリード』シリーズから影響を受けています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。

Hande 本作には、私たちが誇りに思う要素がたくさんありますが、中でも最も印象的なのは、ゲームの世界をどのように構築したかということです。私たちは現実世界の地理を使い、本物の歴史的なランドマークを統合することで、体験を現実のものにしました。たとえば、歴史上最も古い教会のひとつであるアンティオキアのサン・ピエール教会や、現代では訪れることが困難なアレッポ城を探索することができます。

また、私たちのチームは、最先端技術の先取りにも力を注ぎました。World Partitionを含むUnreal Engineの最新ツールを採用し、本作の広大でシームレスな世界を構築しています。これらのシステムはまだ進化途中であり、常に安定しているわけではありませんでしたが、私たちは決意をもってこれらの課題に取り組みました。より洗練された強力な技術によってゲームを強化し、プレイヤー体験を向上させるために、私たちはこの取り組みを続けていくことを約束します。

――これまでのユーザーのフィードバックにはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。

Hande 初期のフィードバックは好意的で、プレイヤーたちからは本作のユニークな設定とストーリーテリングを評価していただきました。最も数が多く注目すべきフィードバックは、ライティング、戦闘システム、最適化に関するものでした。アップデートされたNext Festデモでは、これらの部分に可能な限り対応します。

――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。

Hande 開発チームは、コミュニティからのフィードバックとベータテストに基づき、ゲームの改良に全力を注いでいます。セミオープンワールドの拡大、新たなスキルやアップグレードの導入、戦闘システムの強化など、全体的なゲームプレイ体験を豊かにすることを予定しています。

――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?

Hande はい、本作は日本語に対応しています。第一章はすでに完全に日本語化されており、第二章は現在翻訳作業中です。

ファンの皆様からの翻訳に関するお問い合わせや、今後のチャプターのローカライズ協力の可能性については、私たちの公式ウェブサイトからご連絡いただくか、私たちのDiscordコミュニティでご参加ください。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Hande 本作を日本のゲーマーと共有できることを本当に光栄に思います。このゲームは、私たちの文化の豊かな歴史と神話への心からの賛辞であり、その世界に皆さんをお迎えできることにワクワクしています。エルトゥールル・ガジの目を通して、彼の旅を形作った勇気、希望、精神を感じていただければ幸いです。

私たちは細心の注意を払ってこの世界を創り上げましたが、これは皆さんの存在によって真に意味のあるものになります。皆さんの考えや経験は私たちにとって非常に重要であり、それらが本作の未来を形作り、本作をより強固なものにしていきます。私たちはいつでもフィードバックを受け付けていますし、皆さんの意見によって本作が成長していくことを心から信じています。

この旅の一部となってくださり、ありがとうございます。これは言葉では言い表せないほどの意味があることなのです。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について

本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。


オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史 (中公新書)
¥990
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:Chandler,編集:宮崎 紘輔

ライター/バイク乗り Chandler

ゲームと風をこよなく愛する暇人。趣味は多い方だったはずが、最近は家でぼーっとしている時間が増えてきた気がしている

編集/タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

【注目の記事】[PR]
コメント欄を非表示
※一度コメントを投稿した後は約120秒間投稿することができません
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください
  • スパくんのお友達 2025-06-02 7:20:13
    最初から日本語あるのありがたい
    6 Good
    返信
    他の返信を表示 返信を非表示
  • スパくんのお友達 2025-06-02 3:22:43
    ぶっちゃけこれを日本でやるとするとどこのスタジオだと思う?
    コエテクかカプコンか、はたまたセガか…
    0 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2025-06-01 23:30:50
    「自分の国の歴史をゲームにする」はキングダムカムデリバランスのシリーズが成功したし、こっちでも上手くいってほしいね
    35 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2025-06-01 23:05:04
    ブラボー。
    こういう良くも悪くも偏った内容を、他のゲームに求めたり、関係ないゲームの続編に無理矢理入れずに「無いから自分で作りました」は最高だね。
    34 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2025-06-01 14:46:02
    > 「私たちのもの」のように感じられるゲームを作りたいといつも思っていました。

    力強いメッセージでいいね。
    55 Good
    返信

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top