プロデューサーに気になる要素を聞きました!
さて、プレイ後には質疑応答の時間が設けられ、各媒体によるプロデューサー竹本氏への合同インタビューが行われました。最後に、こちらの模様を掲載し、本稿の締めとします。
ーー今回、『みんなのGOLF』というタイトルが再登場した経緯を教えてください。
竹本尭史氏(以下、竹本):SIE様が創出された良質なIPの魅力を世界中に広めたいという思いから、国民的ゲームとして長く愛され続けている「みんなのGOLF」というIPをお預かりさせていただきました。
ーー『7』ではなく、『WORLD』というタイトルに込められた意味を教えてください。
竹本:プレイされる中で感じていただけたかと思いますが、キャラクターの出身地・コースなどが世界中に渡っているという意味を込めています。さらに『みんなのGOLF』というゲームを、再び世界中に届けるという意味も込めて、『みんなのGOLF WORLD』というタイトルにしました。

くわえて、過去のシリーズで積み上げられた、“リアルなゴルフ体験を手軽にできる”というポイントへ最大限のリスペクトをもちつつも、スペックの向上やユーザーのライフスタイルが変化した現代に合わせることで、『みんなのGOLF』をより多くのお客様に届けたいという思いがあり、新しいモードや、ユーティリティクラブを導入しました。リリースするハードが、PS5/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)の3種類となり、プレイしていただける間口が増え、より多くの世界中のプレイヤーに届けられるであろうということも意識しています。
ーー公開されたPVでは、1作目『みんなのGOLF』をフィーチャーしているシーンがありましたが、本作で『みんなのGOLF』らしさを出すために、気を使った点を教えてください。
竹本:開発初期より、「シンプルな操作と奥深い戦略性」というシリーズで築かれてきた魅力は、絶対に外せないという認識は持っていました。
また、PVでモチーフにした、初代『みんなのGOLF』については、『みんなのGOLF』シリーズのイメージとして、多くの方の記憶に残っている“原点”とすべき存在です。みんなで気楽に楽しく遊べて、1人でもじっくり遊べるゴルフゲームの金字塔への最大のリスペクトを示す意味を込め、制作しました。
ーーグラフィックが向上する専用エディションなど、PS5 Pro、Switch 2への対応は予定しているのでしょうか。
竹本:現状では未定です。発売後、あらためて検討していきます。
ーーコスチュームなど、ゲーム内での課金コンテンツはありますか。
竹本:現時点では予定しておりません。ユーザーの皆様のリアクションやフィードバックを参考にしつつ、改めて検討していきます。
※後に筆者が「いわゆる時短系アイテム、課金のみで入手できる強力なギアなどの予定もないのか」と聞いたところ、こちらも予定はないとのこと。


ーー本作はバンダイナムコさんからのリリースとなりますが、プレイアブルキャラクターなどで、グループが保有するIPとのコラボレーションもあるのでしょうか。
竹本:プレイアブルキャラクターとして、「パックマン」が参戦します。今後のコラボレーションについては未定となります。


ーー本作を通じて、どのような体験を提供したいと考えていますか。
竹本:ゴルフはなかなか敷居が高いスポーツです。そのため、おひとりでのプレイはもちろん、お子さまや友人とプレイしていただくなど「身近にゴルフという存在がある空間」を提供したいと考えています。このような体験に携わることができ、我々としても大変嬉しく感じています。
ーー正直、さらに簡単な操作で楽しめるもの、逆に現実を再現するシミュレーターに近いものまで、すでに多種多様なゴルフゲームが世の中にあると思います。その中で、あらためて『みんなのGOLF』らしさという点を、どのように捉えたのでしょうか。
竹本:おっしゃる通り、現在では多様なゴルフゲームがリリースされています。それを踏まえたうえで『みんなのGOLF』らしさを定義するのであれば、操作はシンプルでありながら、リアルなゴルフの楽しさを再現するために、様々な仕組みや条件が重なって生まれる戦略性の高さだと考えています。
くわえて、1人でもじっくりと、多人数でもワイワイ遊べる、ゲームとしての奥行きも大きな魅力です。シリーズで積み上げられてきた体験・魅力を再現することを最優先の目標としつつ、じっくり遊ぶ際の戦略性に変化をもたらす天候変化、ワイワイと楽しんでいただくためのバラエティモードを新たに導入しました。よりプレイを楽しんでいただくための、我々からの提案と捉えていただけるとありがたいです。
ーーバラエティモードはどのような経緯で導入されたのでしょうか。
竹本:2025年に『みんなのGOLF』を発売するにあたり、より幅広い方々に本作を楽しんでいただくための検討を重ねました。先ほどもお話したように、シリーズが積み上げてきた「リアルなゴルフ体験」を基盤としつつ、「スキルや経験の差がある方同士でも、みんなで一緒に楽しめるモード」を導入したいと考えました。
その結果、過去のシリーズにて採用されていた、ラウンド中に特殊な条件が付与される「色物ルール」というバラエティ要素から着想を得て、ゴルフ・ゴルフゲームの経験を問わず、よりとっつきやすくなるようなルールを採用した、バラエティモードの開発に至りました。プレイスキルに差があっても一方的なゲーム展開が起きにくくなっているため、「みんなで盛り上がる・みんなで楽しめる」ゲームプレイの実現に、大きく寄与できているのではないかと考えています。
ーーラウンド中の時間や天候変化について、「ショットを進めるごとに内部でカウンター的なものが蓄積されていき、一定値を超すと変化する」というようなものになるのか、それとも「完全にリアルタイムでカウントが進む」ものになるのでしょうか。
竹本:ラウンドスタート時にゲーム内でカウントが開始され、そこからリアルタイムで変化していくシステムです。変化が生まれる時間の目安としては、標準的な『みんなのGOLF WORLD』側のプレイ時間をベースに、リアルなゴルフでラウンドした際の所要時間などを踏まえた、ゲーム内の独自時間で進んでいきます。
ーー選択できる操作モードが、3種類あるのも特徴だと感じました。このような仕様にした意図を教えてください。
竹本:開発当初から、従来のなじみ深い『みんなのGOLF』シリーズの操作方法を再現することは決まっており、注力していました。ですが、開発を進める中で様々な方に触れていただいた結果、「シリーズに初めて触れられる方々の中には、従来の操作方法は、ハードルが高いと感じる方もいるのではないか」という考えに至りました。
そこから、「本作で初めて触れられる方にも楽しんでいただくため、今の時代に合わせた操作も用意したほうが良いのではないか」という意見に至り、旧来から馴染みのある操作となるタイプ3に加え、完全に新規となるタイプ1、ハイブリッドとなるタイプ2、新たに2種類を導入した次第です。
なお、スイッチ版では、Joy-Con1つで操作が可能です。多人数で気軽にプレイしていただくうえで、メリットの1つになると考えています。
ーーユーティリティクラブの導入に加え、ビッグエアー・インフィニティといった、シリーズおなじみのギアだけでなく、他にも多様なギアが導入されていたのが印象的です。どのような意図で導入されたのでしょうか。
竹本:地形・天候・時間といったコースのコンディションが重なり、さらに変化していくため、より戦略性の幅を広げるために導入しました。キャラクターの能力を伸ばす、補うだけでなく、コンディションへ適応させるという意味合いを持たせています。
ラウンド前、コース中問わず、より多様な戦略を楽しんでいただけるのではないかと考えています。
ーー過去作では、プレイするコースの季節を選択できたケースがありますが、本作ではそのようなシステムはあるのでしょうか。
竹本:季節の選択はございません。各コースで固定です。
ーーリアルな感覚を追求する一方で、ゲームとしてのバランス感を保つために、どのような点に気を配りましたか。
竹本:一例ですと、日が暮れた夜のコースですね。実際に取材のために赴いたのですが、フェアウェイやグリーンはともかく、ちょっとしたラフですら想像していたよりもはるかに暗く、視界が悪いんです。
このまま実装すると、ゲームとしての遊びやすさに影響してしまうので、実際よりも照度を高くしています。あくまでこれは一例ですが、リアルなゴルフ感覚というベースは極力維持しながら、ゲームとしての面白さや快適さは損なわないように調整しています。
『みんなのGOLF』らしさ、ゲームとしてのゴルフはもちろんですが、雲の流れや星の様子、リアルなサウンドなど、まるで実際にゴルフをプレイしているかのような臨場感を味わっていただけると嬉しいです。
ーーありがとうございました。最後に読者へ向けて、メッセージをお願いします。
竹本:シリーズを通して遊んでくださっているファンの皆様はもちろん、シリーズに初めて触れられる方、カムバックされる方……ゴルフ経験を問わずに楽しんでいただける“みんなで遊べる”『みんなのGOLF』を目指して、今後も開発・調整を進めていきます。
「ゴルフは敷居が高いから…」「ゴルフってよく分からない」という方にも楽しんでいただける作品になるかと思いますので、続報をお待ちください!

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