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Steam版『夜が来る!』は“一般向けゲーム”として熱中できるのか?リマスター要素をがっつり適用し、20年越えの「現代ファンタジー」をプレイ

有名成人向けゲーム、実はSteamで売っているそのままの状態では「一般向け」です。であれば普通のゲームとして遊んで現代のプレイ感とマッチするのか。敢えてパッチを当てず、そのゲーム性に注目してみました。

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Steam版『夜が来る!』は“一般向けゲーム”として熱中できるのか?リマスター要素をがっつり適用し、20年越えの「現代ファンタジー」をプレイ
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■リマスター版の追加要素で、ゲームバランスは様変わり

リマスター版では、本編ストーリーの追加・変更はないため、当時の物語を今の感覚で味わった感想について述べましたが、ゲーム部分は大きな変更がいくつもあります。

解像度や音声の新規収録、どこでもセーブなども大事な要素ですが、プレイする上で特に大きな変更は「リマスターオプション」と、2つのゲームモード「モダン」「オリジナル」の追加です。

オリジナル版『夜が来る!』のダンジョンパートは見た目の印象よりも手ごわく、また厄介なトラップなども待ち構えています。物語は気になってもダンジョンパートで挫折し、そのまま中断したプレイヤーも周囲にいました。

当時そのままのバランスで『夜が来る!』が出ても、令和のプレイ感にはそぐわないだろうと懸念していましたが、そこは開発サイドもおそらく見越しており、その対応ともいうべき「リマスターオプション」とゲームモード「モダン」が搭載されています。

そこで今回は、リマスターオプションを全てONにし、快適なプレイで遊べる「モダン」を選択してプレイしてみました。

■主人公の活躍が増す「想魔刀」の追加

まず「モダン」ですが、「チュートリアルの追加」「キャラクター好感度表示の追加」「敵情報の確認可能」「特殊技「想魔刀」の追加」といった恩恵を受けられます。

このうち前者のふたつは文字通りの内容で、大きな影響こそないものの、あった方がいいのは間違いありません。ステータスの理解やヒロイン攻略を助けてくれます。

「敵情報の確認可能」もそのままの意味ですが、光狩の属性なども表示されるため、弱点や効果の薄い属性が一目で分かります。属性の影響は戦闘の優劣を大きく左右するので、情報の表示は非常にありがたいところ。

敵の属性を覚えておくのもプレイヤースキルのひとつですが、昨今のRPGは弱点表示が主流なので、時代に合わせた順当な変化と言えるでしょう。

そして特に重要なのが、「特殊技「想魔刀」の追加」です。「想魔刀」は主人公の新たな特殊能力で、設定的には「かつて使っていた武器を顕現する」といったもの。平たく言うと、戦闘中に使い分けられるサブ武器の装備です。

ただし、このサブ武器の存在は非常に大きなものでした。属性による有利不利がかなり影響するバランスなので、メイン武器とサブ武器を使い分け、複数の属性攻撃を行えるのはかなり大きな強みです。

この「想魔刀」の追加で、主人公・亮の立場が改善されました。実は、オリジナル版の亮は特殊な攻撃を取得せず(「重ね」はスキル扱いで効果を発揮)、通常攻撃かアイテムと使う程度の立ち回りしかなかったのです。

しかし「想魔刀」のおかげで複数の武器を持ち歩けるため、属性や効果で使い分ける強みが亮に生まれました。オリジナル版の亮は不遇な立ち位置だったので、戦闘の貢献度が大きく変わった「モダン」は、主人公救済の意味でも有意義です。

■「配置物強制表示」で、驚くほどストレス軽減!

「モダン」は、「想魔刀」や「敵情報の確認可能」といったシステムに関わる変更もありましたが、「リマスターオプション」の内容はシンプルかつ分かりやすいものです。

「リマスターオプション」の効果は、「アイテム所持数増加」「2倍モード」「配置物強制表示」の3つに分かれています。

「アイテム所持数増加」を適用すると、アイテムの最大上限が「99個」に。回復アイテムを数多く持ち込めるなど、その恩恵は説明するまでもないほど明確です。

「2倍モード」は、レベルアップに必要な経験値、ステータス向上に関わる訓練値、アイテム購入や武器製造にかかる月片の獲得量、そして仲間特訓値の全てが、通常プレイと比べて2倍になります。

効果の説明だけだと手応えを感じませんが、実際にこのオプションを適用すると、ゲーム進行全体がスムーズに回っていきます。単純にレベルやステータスが向上しやすいのはもちろん、武器の製造にかかる月片も稼げますし、装備条件のステータスも満たしやすくなりました。

そのため、「強くなった→装備可能な武器が増えた→お金もあるので購入できた→装備したら敵を楽に倒せるようになった」といったサイクルが加速し、止め時を失うくらい気持ちよくゲームが進みます。

その分、敵との戦いが物足りなくなる面もあったので、人によっては「2倍モード」の使用を控えたり、中盤からはOFFにするような使い方がいいかもしれません。

そして最後の「配置物強制表示」は、個人的に最も嬉しかったオプションです。ダンジョンパートにあたる「狭間」では、見えない敵がいるほか、隠されたトラップや宝箱も潜んでいます。

右クリックで周囲4マスを調べると隠れた存在を見抜けますが、「何もないかもしれない空間をいちいち調べる」のは、回数を重ねるごとに負担感が増していきます。危険な場所の見当はつきやすいものの(行き止まりや大部屋に入る直前など)、その都度繰り返すのは率直に言ってストレスを感じました。

かといって闇雲に突っ込むと、敵がいたら不意打ちを食らいますし、トラップが発動したら悪影響を受けるため、強気に進むのは攻略のハードルを上げるばかりです。

しかし「配置物強制表示」を適用すれば、その全てが表示状態に。調べる手間がなくなったダンジョン探索は、「こんなに快適に遊べるのか!」と驚いたほどでした。

見えないからこそ緊張感があるし、達成感が生まれる……という考えも理解できますし、表示の有無はプレイヤーの意見が分かれる点でしょう。

ただし、見えているからといって、ゲーム性の全てが損なわれたわけではなく、トラップは「解除に挑むか、時間をかけて迂回するか」という選択を迫られますし、マップの構成上戦わないと進めない場合もあります。楽にはなりますが、手ごたえを失うほどではない絶妙なバランスだと、個人的に感じました。


「想魔刀」の追加で主人公の活躍が増えた上に、リマスターオプションによる強制表示でダンジョン攻略のストレスが減ったおかげで、プレイの手触りは非常に良好。正直、パッチを適用していない=“ご褒美”がないことをすっかり忘れるほど、没頭して楽しみました。

ただ、今回は主旨として「パッチ適用なし」で遊びましたが、プライベートで選ぶのであれば「適用あり」で遊ぶと思います。なんのかの言っても、やはり“ご褒美”は嬉しいものです。

物語面の弱点は前述した通りですが、育成やバトルシステムもシンプルで、奥深い駆け引きまで求めると味気なく感じるかもしれません。しかし、訓練→武器強化→ダンジョン攻略のサイクルは、テンポが上がったこともあって心地よく、またイベントも小刻みに挟まるため、飽きを感じにくい構成になっています。

(Steam側の機能で無理やり割り当てない限りは)コントローラー操作に対応しておらず、ダンジョン移動はキーボード、戦闘中はマウスの方がやりやすく、操作感のばらつきは残念でしたが、明らかな難点はその程度。物語やバトルのいい面、悪い面も含め、『夜が来る!Square of the MOON Remastered』は令和7年に遊んでも十分楽しめる現代ファンタジー作品でした。

通常価格も1,980円(6月14日までのリリースセール中は1,584円)と、お手頃なのも嬉しい点です。せっかくなので同じ路線で、次は『ぱすてるチャイム 恋のスキルアップ』のリマスター化をお願いします!


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ライター:臥待 弦(ふしまち ゆずる),編集:Akira Horie》

ライター/楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦(ふしまち ゆずる)

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

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