5月某日、Game*Spark編集部に舞い込んできたのはバンダイナムコエンターテインメントから未発表の新作タイトルの取材のお誘いでした。
その作品というのは、なんと「見下ろし型のローグライトアクション」とのこと。そんなわけでローグライトアクション大好きマンこと筆者は、こめかみに白羽の矢をブッ刺されながら田町・バンダイナムコ未来研究所へ向かうのでした。


ロビーのパックマンさん(向こうが年上なので)に挨拶してから向かいます。
バンナム新作はブラウニーズとタッグで送る完全新作和風ローグライトアクション

通された会議室で発表された新作のタイトルは『トワと神樹の祈り子たち』という、和風なアクションアドベンチャーでした。画面中央の女子が主人公「トワ」、周りに配置された性別・種族もバラバラなメンバーがトワを助ける「祈り子」たちです。大樹の根本に栄えた、シンジュ神を祀る「シンジュの里」が舞台。世界を少しづつ蝕んでいく穢れ「マガツ」がシンジュの里に迫ります。

トワは“八人の仲間を集め、シンジュ神から与えられた刀と杖を以てマガツを討つ”というシンジュ神からの啓示を受けます。そうして、トワと祈り子たちはマガツ討伐の旅へ向かう、というのが大きなあらすじ。

祈り子は個性豊かな男女8人。彼女は大人なお姉さんといった雰囲気のオリガミ。

堅物そうな雰囲気が見受けられるこの子はシギン。耳がケモノ系ですね。

完全なる犬系男子、バンプクに……

完全なる鯉系男子、ニシキ。ちなみにスタッフ内での一番人気だそうです。


マガツの巣食うダンジョンに向かうには、祈り子の中から「ツルギ」と「カグラ」と呼ばれる役割を二人選択します。それぞれ「ツルギ」は刀をふるい、先陣を切り、「カグラ」はカンナギの杖で法術を放ちツルギの戦いを補佐する役割です。8人の祈り子たちにはそれぞれツルギに選ばれた場合とカグラに選ばれた場合で固有のアクションを持つため、どの組み合わせにするのかが重要な選択となります。


シンジュの里ではトワを操作し、ダンジョンで手に入れた鉱石などを使って祈り子たちの能力を高めたり、攻略に役立つパッシブスキルなどを習得できます。また、トワたちと個性豊かな拠点キャラクターたちとのサイドストーリーも膨大に用意されているとのことです。


ダンジョンで手に入る「玉鋼」を消費すると、自分好みの見た目の一振りが作れる「刀鍛冶」のミニゲームで遊べます。設計図では刀の曲がりや長さ、厚さなどを自由に決定し、実際にトワが刀を打つ段階では上手くこなせば刀の性能が上昇します。また、制作した刀には「祝福」とよばれるパッシブスキルが付与され、攻撃力や体力などが強化されるそうです。

物語の舞台となるシンジュの里は、マガツの影響によって時が停滞、一定以上時代が進行しなくなっています。解消するには、各ダンジョンの最奥に待つマガツの眷属を撃破する必要があります。マガツを撃破すると時は動き出し、里は発展。なんと里に住むキャラクターたちもそれに伴い成長、または老い、世代が変わっていくという、ゲーム的にも物語的にも重要な要素です。

祈り子がマガツの眷属を倒した際に執り行われる儀式「神葬(かんはぶる)」。この儀式によってマナを操り、トワの待つ里へ送り届けるということなので、非常に大事な儀式です。詳細な内容は今後明かされるとのことでした。
いざ体験版をプレイ!
今回は試遊もさせていただきました。今回選べるキャラはオリガミ、レッカ、ニシキ、シギンの4人。その中からツルギ役とカグラ役を選択します。

ツルギに「オリガミ」を、

カグラに「レッカ」を選択。

各キャラの動かし方はダンジョン直前にダミーのターゲットがいるエリアで確認可能です。

ロード画面がカワイイ。

ダンジョンではこのように敵が湧き出してきますので、バシバシッと浄化していきましょう。

ダッシュで敵の背後に回り込み攻撃を成功させれば「背面攻撃」と表示され、ダメージアップ。

敵からの攻撃はこのようなわかりやすい表示が出現することも。すぐさま軌道上から離れて攻撃を華麗に回避。

画面左下の「トワの刀」の部分のゲージに注目。同じ刀による攻撃を繰り返していると、加護が切れてしまい、切れ味が落ちてしまいます。こうなった場合は本差から脇差に武器を切り替えて戦いましょう。本差・脇差それぞれのゲージを切らさず、適度に交換しながら戦うことが重要です。

本差と脇差で攻撃をスタイルが大きく変わります。事前にダミーターゲットがいるエリアでの確認が大切ですね。

カグラ側のキャラのアクションはLT・RTに集約されています。これはレッカの法術「不倒陣」。カグラを中心にダメージを無効化する陣を敷く便利な効果です。また、もう一つの「炎矢」はカグラの前方に火球を放つ法術です。こちらは一度使用すると、クールダウンが終わるたびに再発動する自動使用のスキルでした。激しいアクションの中で法術を使い忘れてしまうこともあるため、こういうシステムはありがたいです。

すべての敵を倒すとリザルトが表示されます。この時に討伐時間などによってクリアランクが決定されます。ランクによってクリア時に入手できる恩寵の選択肢が増えるので、道中も素早く対処したいですね。

今回は一番上のクリアランクだったので、4種類から恩寵が選べます。恩寵には無銘(無色)→貴品(緑)→業物(青)→稀代(紫)といったレアリティが存在するようです。まずは本差の攻撃力を10%アップする金華ノ壱を選択。


道中には特殊なエリアも存在します。これは中央に鎮座した「マガフシュ」と呼ばれるものを破壊しなければいけないエリアです。マガフシュを破壊するまで他の敵がえんえんと湧き出てくるため、画面左下の黄色いゲージを消費して発動できるツルギの「必殺攻撃」など強力な技も出し惜しみせず使い、素早い破壊が求められます。ちなみに撃破した際、通常の部屋よりレアリティの高い恩寵が出やすいようです。


ときには温泉が出現することも。効果は永続ではありませんが、ツルギとカグラの能力をかなり高めてくれます。

湯気で見えないんですけど!

こちらは「ジュロの露店」です。道中に手に入れた鉱石を恩寵などに交換できます。恩寵は自身の強化につながるものなので、ノーリスクで入手できるのはありがたいです。
今回はこれらのプレイの録画が許可されていましたので、スタート地点からボス戦までの動画を御覧ください。……ちなみに、「初回プレイでボスを撃破できることはまず無いと思います。」と開発の方がおっしゃってましたが、なんと撃破できたんです!が……、その際の動画はこちらのミスで音が撮れておらず……。
本当に残念でしたが、その後再プレイし、ボスにボコボコにされるまでの動画がありますのでそちらをどうぞ。ちなみに、今回の体験版は15分の制限時間がついています。15分をすぎると画面が暗転し、終了画面が表示されてしまうため、全体的に先へ先へ!と急いでいるのはそのためです。

ほ…ほら!本当に倒したんですって!
「刀は好きなだけ曲げられるようにしました」PDインタビュー
内容を体験させていただいたのち、本作のプロデューサー長岡 大祐氏・ディレクター山下 修平氏両名にお話を伺いました。
――本作は見下ろしローグライトアクションの中では珍しい和風の世界観を構築しています。このような和風の世界を作り上げようと思ったきっかけはなんでしょう。
バンダイナムコエンターテインメント プロデューサー 長岡 大祐氏(以下長岡)
うち(バンダイナムコ)からまず和風、オリエンタル寄りなものを、というオーダーを最初に出させていただいたんです。この企画が動き始めた当時、日本以外からも日本を舞台としたタイトルがリリースされて、それらがワールドワイドでも受け入れられていました。また、ゲームに限らず、様々なコンテンツで同様の受け入れられ方をしており、オリエンタルなものの受容性が高まっているなと感じたのがきっかけだったと思います。
ブラウニーズ ディレクター 山下 修平氏(以下山下)
和風のタイトルが受け入れられるというのもあって、和風のローグライトアクションは無いし、良いんじゃないかな?という感じでした。
――ゲーム中「神葬(かんはぶる)」を行うと、時が進む。ということでしたが、これがゲームの進行を進めるカギということでしょうか。
長岡 そうですね。
――「神葬」によって時が進み、拠点の住民が成長したりといった要素もあるとのことですが、進んだ時を元に戻すことは可能なのでしょうか。
山下 戻せますが、通常のフローでは無いです。拠点の機能なども元に戻り、一度クリアしたエリアも再度攻略に向かう必要があります。一部のアイテムは引き継げますので、強くてニューゲームのようなかたちに近いです。
――ミニゲームの刀鍛冶についてお聞かせください。刀身を曲げたり、長さや厚みなども調整し、自分だけの一振りが作れるとのことですが、例えば極端な、とても長かったり異常に反った刀身にした場合に、当たり判定が変わってしまったりは……、
山下 は、無いです(笑)。見た目が性能に直結してしまう形だと、見た目を強制してしまうことにもなってしまうので。キャラクリのようなイメージで好きに作ってね、と。
長岡 実は最初は曲がり幅などもそこまで大きくなかったんです。あくまで刀の体を保ってるところまでだったのですが、途中から好きなように曲げたいという声もあり、もう曲がるだけ曲げられるようにしようと。ケレン味といいますか、実際はありえないんですが、形として面白いものも作れるようにしました。
――360度ぐるんと反った刀なんて極端なものは……?
長岡 作れる…んじゃないですかね?
山下 ぐるんと反った刀はいけますね。
――作れるのですか!?そうやって作成した刀を他の人に見せびらかすというか、こんなの出来たよ!とお披露目するようなことは可能でしょうか?
長岡 はい、このゲームはフレンドとマルチプレイであそべます。ダンジョンに作った刀を持ち込む事が出来るので、その際に作った刀をみせることは可能ですね。
――刀作成ガチ勢が生まれそうですね。
――ローグライトアクションという性質上、まずはとにかく本編のバトル部分を楽しんで、ストーリーはあとからゆっくり見たい方というのもいらっしゃると思います。そういった遊び方へのサポートなどはありますか。
長岡 拠点に吟遊詩人の「サク」というキャラクターがおりまして、話しかけると回想という項目があります。そこで現状進んでいるぶんのストーリーなどは見返せるようになっていなっているので、ある程度スキップしながら進めた後でそこまでの各種シナリオを見返せるような要素はありますね。
――本作はストーリークリアまで何時間ほどを想定しているのでしょうか。また、クリア後に開放される要素などは存在するのでしょうか。
山下 ストーリークリアならおおむね30時間から40時間くらいですね。やりこみを含めるとかなりのイベント量があるので、すごい時間になりますね。本作は毎回8人の中から2人を選んでマガツとの戦いに向かうのですが、どのキャラの組み合わせにもそれぞれお話を用意しているので、全部見ようと思うと結構果てしない、すごいボリュームです。クリア後ですが、倒されずにどこまで進めるかといったエンドレスダンジョンのようなものや、ボスラッシュモードも用意しています。
――ダンジョンの中で操作しているキャラクター、たとえばツルギの側がやられてしまった場合はそのままゲームオーバーになりますか?復活させるといった要素はあるのでしょうか?
山下 復活させるといった要素は無いのですが、ツルギとカグラは運命共同体といいますか、HPを共有している形です。それぞれが800と800のHPだとしたら、合計1600のHPを持つ状態です。その両方のHPが0になるまでは二人とも倒れることはありません。
――倒れてしまった場合にロストする要素はどのようなものがありますか?
長岡 わかりやすいのは恩寵と呼ばれる、エリアの敵を一掃した際に得る自身の強化項目ですね。あとダンジョン内で使える、通貨のような役割の鉱石ですね。ダンジョン内のショップなどで使えるものですが、こちらもロストします。
――今回試遊させていただいたバージョンでは8人のうち4人を操作することができました。それぞれキャラごとにツルギ・カグラ用のアクションが用意されていましたが、ゲームを進行していくことで増えていくアクションなどはあるのでしょうか。
山下 ツルギとしてのアクションは増えませんが、カグラの法術はダンジョン内で手に入れた鉱石を持ち帰り、拠点の強化などをすることで新たに技が開放され、使用できる技が増えていきます。
――キャラと世界観は好き!でもアクションが苦手……、といった方に、プレイしやすくなるようなお助け要素などは用意されているのでしょうか。
長岡 はい、あります。「ストーリーモード」というのが用意されていまして、道中倒れてしまうたびに、少しづつ敵が弱くなってくれるシステムです。それを使っていただければ、ストーリーを楽しむことは可能かなと。
――では、逆にローグライトアクション中毒者へ向けて、難易度が上がる要素などにどんなものがあるか教えていただけますか。
山下 やっぱり基本的に後半に行けば行くほど敵は強くなりますね。あとルートの長さ自体もどんどん長くなっていくので、単純に難易度っていうのは上がっていきますね。今回遊んでいただいた体験版は1フロア+ボスという設計でしたが、先に進むと3フロア+ボスみたいに、どんどん伸びていくみたいな感じで難易度が上がっていきます。
――ダンジョン突入時に自身で縛りを入れるシステムなどは用意されているのでしょうか。
山下 ダンジョン選択時の縛りは無いのですが、パラメーターを結構自由にいじれる場所はあるので、そこで強化を0にするといったプレイは可能ですね。
――今作を発売前にユーザーが体験できる機会はありますか。
長岡 そういった機会もご用意できるよう、絶賛検討と画策を進めているところです。
――発売後のDLC展開などは予定されているのでしょうか。
長岡 スキンなどの所謂特典物はあるのですが、それ以外の追加コンテンツというのは予定はしていないですね。本編1つで完結するゲームになっています。

和風ファンタジーの世界観が唯一無二な見下ろし型ローグライトアクション『トワと神樹の祈り子たち』はニンテンドースイッチ、Playstation 5、XboxシリーズX/S、Steamで9月18日発売予定となっています(Steam版のみ9月19日)。価格は税込3,960円です。
また、ゲーム本編に加え、ゲーム内開放機能として全196ページの設定資料がデジタルアートブックと崎元仁氏が手掛けた全54曲の楽曲を収録したサウンドトラックがセットになったデジタルデラックスエディションの発売が予定されています、価格は税込4,950円となっています。

パッケージ版早期購入またはダウンロード版の予約特典には、祈り子たちの特別な衣装がセットになった「祈り子たちの御召し替えセット」が付いてくるとのことなので、気になった方は公式サイトを要チェックです。
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