気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Fancy Cat Interactive開発、PC向けに6月13日に早期アクセスが開始されたカジュアルWW2シューター『Heroes of Valor』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、『Battlefield Heroes』や『バトルフィールド1942』『ブラザー イン アームズ』などにインスパイアされた三人称視点シューター。プレイヤーは、枢軸国あるいは連合国の兵士となり、陽に照らされたノルマンディーの砂浜や、絵のように美しい地中海の街並み、灼熱の太陽が照りつけるアフリカの砂漠などの戦場に足を踏み入れます。記事執筆時点では日本語未対応。
『Heroes of Valor』は、1,700円で早期アクセス配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Frederic 私の名前はFredericで、本作のコミュニティではWixZと呼ばれています。私が本作のゲームデザイナー兼プログラマーです。(弟のChristophe(Frenzygator)が、本プロジェクトのアーティスト)
好きなゲームはたくさんありますので、1つを選ぶのは簡単なことじゃないですね。でももし1つ選ぶとしたら、ずっと好きなゲームは『バイオショック インフィニット』かなと思います。私はどちらかというとマルチプレイヤーゲーマーなので、シングルプレイヤーゲームはほとんどプレイしないのですが、『バイオショック』シリーズは常に私を魅了してきました。『バイオショック インフィニット』をクリアした時は、まるで信じられないような旅を終えたような気分になり、今でもずっと心に残っています。
2番目に好きなゲームを挙げるとすれば、VRで再プレイするのが最高だった『Half-Life 2』ですね!
また、私は『バトルフィールド』シリーズも大好きで、『バトルフィールド1942』『バトルフィールド2』『ベトナム』『2142』などはたくさんプレイしてきました。『バトルフィールド1942』は、私が初めてプレイしたマルチプレイヤーゲームなので、私の心の中で常に特別な位置を占めています。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Frederic 2015年に『Battlefield Heroes』がサービス終了して以来、私はそのゲームプレイを復活させることが出来、そのアイデアをさらに拡大/革新的に出来る、似たようなゲームを作りたいと考えていました。本作は、そのようなゲームを作れるかどうかを確認するためのプロトタイプとして生まれたのです。
私たちが異なるようにしたかった主な点は、支払いモデルです。私たちは『Battlefield Heroes』のような、プレイヤーに高価な武器やウィジェットを買わせて競わせるPay to Win/マイクロトランザクションのアプローチが好きではありませんでした。本作では、すべてのプレイヤーに公平な競争の場を提供したかったので、マイクロトランザクションの代わりに、1回限りの購入でゲームを楽しめるようにしました。
また、プレイヤー数が少なくても完璧に遊べるゲームにしたいとも思いました。悲しいことに、最近の小規模なマルチプレイヤーゲームはそれが課題になっているものが多いのです。大きなプレイヤーベースを維持するのは容易ではありません。そこで、プレイヤーの行動をある程度模倣できる賢いボットを搭載しました。その他にも、カスタムゲームでいじれる要素を追加したり、爆撃機やバイクなどの新しい乗り物を追加したり、新しいマップを追加したりと、まだまだたくさんのことがやってきますよ。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Frederic 本作は、『Battlefield Heroes』から大きな影響を受けており、『Team Fortress 2』や『フォートナイト』のような他のシューティングゲームからも少し影響を受けています。
ゲームのコアとなる部分は『Battlefield Heroes』のゲームプレイと雰囲気をベースにしていますが、より新鮮なUI、QoL機能、便利なシステムで、コンセプトを少し現代化しました。
本作では、どのクラスでもリスポーンでき、試合中に武器やスキルも変更できます。これらの要素により、本作はよりカジュアルなものとなっています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Frederic 本作において最も印象的だったのは、挑戦的なほどスマートなボットや乗り物、すべてのスキルや武器など、我々がゲームに望んでいたものをすべて実現できたことだと思います。このような規模のゲームは通常、大規模なチームによって作られるものなので、たった2人の開発者で作ることができたことをとても誇りに思っています。
――早期アクセス開始後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Frederic 子供の頃を思い出すことができたと言うプレイヤーたちから、たくさんのポジティブなフィードバックをいただきました。本作が、『Battlefield Heroes』が残した空白を埋めてくれた、という声は本当に素晴らしいものです。
また、本作がSteamで92%の好意的な評価を得ていることは、私たちが望んでいた以上のことなので、とても感謝しています。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Frederic 現在、本作のビジュアルクオリティをもう少し上げるために、キャラクターとアニメーションを作り直しているところです。それに加えて、新しいクラス(エンジニア)、新しい乗り物、新しいマップ、新しいゲームモード、イベント、新しいコスメティックなど、たくさんの新しいコンテンツに取り組んでいます。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Frederic 日本語を含むいくつかの言語のサポートを追加したいと思っています。これは早期アクセス中に検討する予定です。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Frederic はい、誰でも本作をプレイし、配信プラットフォームで配信することが出来ます。
本作のどの部分を改善すべきか、であったり、もちろんバグを発見するためにも、人々が本作をプレイするのを見るのはいつでも楽しいです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Frederic 『Battlefield Heroes』が日本でどれだけ人気があったかは分かりませんが、本作をぜひ皆さんにも遊んでみていただきたいです。ダウンロードサイズが非常に小さく、一日の疲れを癒してくれるカジュアルなシューティングゲームがお好きなら、本作はあなたにぴったりのゲームかもしれません。
また、本作には活発で素晴らしいコミュニティがあり、いつでも誰でも歓迎です。日本人プレイヤーの参加をお待ちしています!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。