「ある方の勘違いが、本作らしさを象徴する要素の一つに」深層墜下アクションストラテジー『Million Depth』【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「ある方の勘違いが、本作らしさを象徴する要素の一つに」深層墜下アクションストラテジー『Million Depth』【開発者インタビュー】

気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Cyber Space Biotope開発、PC向けに11月12日にリリースされた深層墜下アクションストラテジー『Million Depth』開発者へのミニインタビューをお届けします。

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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Cyber Space Biotope開発、PC向けに11月12日にリリースされた深層墜下アクションストラテジー『Million Depth』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、宇宙にある居住空間で暮らしている少女「モマ」が、通信相手の人物を求め、100万階層の地底世界「ミリオンデプス」に挑む深層墜下アクションストラテジー。自分が動きを止めれば敵の動きも停止するバトルや、パーツを組み合わせて武装を作り出すクラフト、物々交換の駆け引きが味わえるショップなどが特徴です。日本産のゲームのため、もちろん日本語にも対応済み。

『Million Depth』は、1,870円(1月6日までは20%オフの1,496円)で配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

αPopこんにちは。αPopと申します。本作はCyber Space Biotopeという小規模チームで開発しており、私はそのディレクター、プログラマー、シナリオライターを兼任しています。

一番好きなゲームを一つに絞るのは難しいので、いくつかのカテゴリに分けさせて頂くと、ゲームシステムでは『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』、ストーリーやグラフィックでは『十三機兵防衛圏』、カードゲームでは『Slay the Spire』が好きです。

――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?

αPop本作の特徴は3つあります。

1つ目は、バトルシステムです。キャラクターを動かさなければ、敵や敵の弾も止まる「時間停止バトル」という仕組みになっています。一見アクションゲームのようでありながら、立ち止まってじっくり考えることもできる、ストラテジー的な側面を併せ持つバトルシステムです。

昨今の横スクロール型ローグライクやメトロイドヴァニアは、ハイスピードなアクションを売りにした作品が多く、どれも個性的でクオリティの高いインディー作品が揃っています。そうした作品群と真っ向から勝負しても、勝ち目は薄いと感じていました。

また、それらの多くはアクションが苦手な人にとっては非常に難易度が高く、私自身も何作かプレイしましたが、ほとんどをクリアできませんでした。そこで生まれたのが、「アクションが苦手な人でもプレイできるアクションゲーム」という発想をもとにした、このバトルシステムです。

2つ目は、クラフトシステムです。道中で入手した小さなブロック(パーツ)を組み合わせ、好きな形を作って武器として戦うシステムになっています。

凹凸を増やすことで攻撃力が上昇するほか、「設計図」の通りにパーツを組み合わせると、剣や槍、盾など、特殊な能力を持つアップグレードパーツへと変化します。プレイヤーはこれらを自由に組み合わせ、いわば自分だけの最強の武器を作り上げていきます。

このアイデアはもともと、「プレイヤーが自由に描いた絵を、そのまま武器として使えたら面白いのでは?」という発想から生まれました。

そこからさらに、時間停止バトルと自然に噛み合い、工夫しがいのあるクラフトシステムにするにはどうすればいいかを検討した結果、敵弾に触れると武器のパーツがポロポロと崩れていくという、現在の特徴的な戦闘システムにたどり着きました。

最後の特徴は、3つの世界線をまたいで変化するストーリーとマルチエンドです。各世界線には複数のイベント階層があり、ある世界線でのプレイヤーの行動が、別の世界線の物語に影響を与える仕組みになっています。

これは「並行世界」を、ただ並べて描くのではなく、プレイヤーの介入によって未来が変わる…ゲームならではの体験を実現するために生まれたアイデアです。そのため、世界線ごとに時間のズレがあるという独自の設定を取り入れています。詳しくはネタバレになるため語れませんが、ぜひ実際にプレイして、その変化を体験してほしいです。

また、複雑になりがちなマルチエンドやフラグ管理を分かりやすくするため、「世界線の歪み」というメニューを用意していて、これが存在する事も本作の特徴の一つとなっています。このメニューでは、どの世界線の行動がどのイベントに影響しているのかを視覚的に確認でき、フラグの切り替えも可能です。また、このメニューを見ることで、なぜその行動が別の世界線に影響したのかを読み解く楽しさも味わえます。ストーリーで語られていない部分も、ここから読み取れたりするので、是非注目してみてください。

――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?

αPop本作は、宇宙と地球の地下100万階という、最も離れた場所にいる二人が通信している場面から物語が始まります。主人公はそこから、「キミ」を探すため、地球の地下へと墜ちていきます。

その道中、地球の地下には、かつて人類が残した文明の痕跡や、自然が作り上げた不思議な構造など、多様なフィールドが登場します。こうした世界観は、「地底旅行(ジュール・ヴェルヌ著)」から強い影響を受けています。

また、世界線や通信といった要素については、「未来からのホットライン(ジェイムズ・P・ホーガン著)」から着想を得ました。

このように、本作は古典的なSF作品から多くの影響を受けていますが、あえてSFの難解な理論については詳しく説明しない作りにしています。それは、ゲームとして、SFの「分かりやすく楽しい部分」を中心に味わってもらいたいと考えたからです。「ゲーム」という形であれば、それが可能だという思いもありました。

また、ゲームシステムの面では、『風来のシレン』シリーズから影響を受けています。一見するとまったく異なるゲームに思えるかもしれませんが、『風来のシレン』の面白さを分解し、そのエッセンスを本作のさまざまな要素に取り入れています。よろしければ、どこにその影響が現れているのか探してみてください。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。

αPop開発中盤の頃、パブリッシャーであるPLAYISMの代表の水谷さんが、とあるゲームイベントで本作の進捗を見てくださったことがありました。その際に、「武器の“痛そうな部分”で敵を攻撃すると、きちんと高いダメージが出るのがすごく良いですね」と言ってくださったんです。

ただ、その時点では、そのような仕様はまだ存在しておらず、完全にその方の勘違いでした(笑)。ところが、その言葉を聞いた瞬間、私は「凄く良いアイデアだ!」と強く感じました。

家に帰ってすぐに実装し、結果として、武器の形状やどの部分で敵を捉えるかがより重要になりました。それによってクラフトシステムは一段と奥深いものになり、本作らしさを象徴する要素の一つになったと思っています。

――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。

αPop体験版のリリース以降、非常に多くのフィードバックをいただきました。体験版の公開から製品版のリリースまでの期間は決して長くありませんでしたが、数十件に及ぶ要望に対応した結果、製品版は大きく遊びやすさが向上し、同時に、より魅力的な作品へと仕上げることができました。

その中でも特に印象的だったのが、ダメージ計算式に関する鋭い指摘です。基本攻撃力に加算されていた「部分攻撃力」を、+の加算式ではなく×の乗算式にしてはどうかというアイディアでした。

この意見は、本作をかなり深くやり込まなければなかなか辿り着かない内容でしたが、本作の特徴である「攻撃力の高い部分で敵を捉えるほど、より大きなダメージを与えられる」というバトルシステムを、より明確に表現するために欠かせない提案でした。

この変更に伴い、非常に多くの関連箇所を修正する必要がありましたが、作品が確実にさらに面白くなるという確信があったため、最終的にこのアイデアを採用しました。

――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。

αPopスチルの見返し機能など、多くのプレイヤーからいただいているご意見を検討していくことはもちろんのこと、本作をより深くやり込めるようにするため、RTSモードや最高ダメージの保存機能など、今後も継続してアップデートを行っていく予定です。

現在、大型アップデートの計画も立案中ですので、続報を楽しみにしていただければと思います。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

αPopはい、すべての範囲において配信および配信による収益化を許可しています。ただし、各世界線のエンディング部分のみを切り出した動画や、サウンド視聴を主目的とした動画については禁止とさせていただいております。

また、トゥルーエンドを含む内容を配信する際には、「ネタバレ」表記をお願いいたします。あわせて、SNS等でも、ネタバレを避けたい方が回避できるよう、ご配慮いただけますと幸いです。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

αPop本作の開発は、ゲームシステムとシナリオの両方に力を入れるという、大きな挑戦でした。幸いにも、どちらについてもご好評をいただいており、幅広い方々に楽しんでいただける作品になったと感じています。

少しでも気になる部分があれば、ぜひ体験版をプレイしていただき、『Million Depth』の世界へ墜ちていく感覚を味わってみてください。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について

本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。

ライター:Chandler,編集:Akira Horie》


ライター/バイク乗り Chandler

ゲームと風をこよなく愛する暇人。趣味は多い方だったはずが、最近は家でぼーっとしている時間が増えてきた気がしている

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Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

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