2025年7月17日の発売を予定している、Chronocleが開発し、Hooded Horseがパブリッシャーを手がけるオートバトル・ローグライトRPG『He is Coming(ヒー・イズ・カミング)』。今回、Game*Sparkでは本作を正式リリース前にプレイする機会を提供頂いたので、本作のプレイレポートをお届けします。
なお、本作の事前プレイにあたり、Hooded HorseよりSteamコードの提供を受けています。
魔王が滅んだ世界で、そして勇者は来た……?装備を強化して強くなるオートバトルRPG

本作ははるか昔に「王冠」の力を手に入れた魔王が勇者に倒され、王冠が封印されて幾星霜、魔王と勇者の戦いが伝説として語られるようになった時代が舞台です。

「封じられし王冠とともに、魔王は蘇る」……その予言を信じ、多くの勇者が魔王の復活を阻止するための冒険の旅へと挑みます。あなたはその勇者の1人です。

ゲームを始めると、さっそくフィールドマップへと放り出されます。まずは近隣の探索を始めましょう。

近隣には宝箱や、赤シンボルで表されるモンスターがいます。

宝箱を拾うと、3つのアイテムから1つを選んで装備することができます。ゲーム開始後の初期状態では、1つの武器と4つの防具・装飾品・アイテムが所持可能です。

赤いモンスターのシンボルと接触すると、モンスターとのオートバトルに突入します。バトルは毎ターン素早さの高い方が先制で、攻撃力分のダメージを敵防御力に与え、攻撃力が敵の防御力を越えていればその分のダメージをHPに与える……というシンプルなバトルです。各パラメーターには現在装備しているアイテムの内容がそのまま反映されます。逆に言えばアイテム以外では主人公はパワーアップしないので、アイテムの取捨選択は重要です。

フィールドマップ上には同じアイテムを合成・強化する「ゴーレム」や、強力なアイテムを売ってくれる「商人」、アイテムを1つ同じレアリティのものに交換してくれる「妖精」などが点在しています。特に所持アイテムを合成し、かつインベントリを開けてくれる「ゴーレム」はかなり有用です。同じアイテムを揃えたら積極的に合成を狙っていきましょう。

また、本作では武器の合成はできませんが、性能を強化する「ブレイドオイル」や、特殊効果を付与する「鍛冶」もフィールドの随所に存在します。こうした地点を回って、自キャラクターを強化していきましょう。

フィールド上を移動するたびに時間が経っていき、一定時間が経過するとボスキャラクターが襲来します。ボスキャラクターはザコモンスターに比べて非常に強力で、かつ特殊な能力を持ち合わせています。ここまでにきちんとアイテムを揃えられているかが戦闘の行方を左右します。

ボス敵に勝利すると、持ち運べるアイテムが2個増え、更なる探索が可能になります。やはりまた一定日数経過するとボス敵がやってくるので、それまでに新たなアイテムの収集・強化に励みましょう。主に夜にしか入れない位置にある「英雄の墓」には比較的強力なアイテムが配置されていますので、墓あさりをしてみるのも手です。

やってくるボスによっては、「所持金をすべて盗んでHPを回復する」というとんでもないスキルを持っていることも……襲来するボスはあらかじめわかるようになっているので、対策はしておきましょう。

ボスモンスターはいずれも強力で、プレイヤーは何度も何度も敗れることとなるでしょう。しかしながら本作には装備のアンロックシステムがあり、ゲーム中のさまざまな条件を満たしてゲームを終了すると条件に応じた装備がアンロックされ、次回以降のプレイから出現する可能性があります。こうして装備を充実させていく点はローグライトらしいと言えます。

また、本作は特定の装備を集めると「セット効果」が得られることがあります。例えば、「英雄の剣」「英雄の盾」「英雄の靴」の3種のアイテムを装備すると全能力に+1の補正が付くセット効果が得られます。セット効果はいずれも強力なので、積極的に狙ってみる価値はあるでしょう。
もう一つの勇者への道。生き残るのは俺だけでいい……「キングメーカー」モード

本作はメインモードのほかに、非同期型PvPである「キングメイカー」モードも実装しています。

「キングメーカー」モード自体もメインモードとやること自体は変わりません。周辺の宝箱を探してアイテムを収集し、キャラクターを強化しましょう。

メインモードと「キングメーカー」モードの最大の差が、ボス敵として他のプレイヤーが現れるということです。もちろんリアルタイム対戦ではなく、単にキャラクターデータを読み込んでの非同期対戦ではありますが、本モードでは英雄王の座を目指して、PvPバトルロイヤルが行われるわけです。

「キングメーカー」モードでは2つのアイテムをランダム合成する「木こり」、他の地点に長距離移動する馬など、メインモードにないさまざまな新要素も盛り込まれています。これらの要素も駆使して、他のプレイヤーを薙ぎ倒しましょう。

……とは言え、そう簡単に王座に挑めるわけではありません。何度も挑んで、最強のビルドを目指しましょう。
運要素と難度の高さが気になるがオートバトルは快適。君もキングを目指さないか

さて、ここまで紹介してきた本作『ヒー・イズ・カミング』ですが、筆者個人としては「運要素が非常に高い」点が気になりました。本作は序盤から手に入るアイテムの種類が膨大であるため、「狙った方向性のビルド」というものがかなり作りにくい印象です。
アイテムの入手機会はフィールド上に多数配置されているのですが、そもそものアイテム所持制限数が少ないため、アイテムの取捨選択に悩むということが頻繁に発生します。もちろんこの取捨選択はゲーム性の1つではあるのですが、正直筆者は「もう少しアイテムを持ち歩きたい……!」と感じることが多かったです。

もう1つ本作で気になった点は「ボスがえらく強い」こと。本作のボス敵の強さはかなり強力で、メインモード2体目のボスあたりは理想的なビルドが出来はじめてやっと戦えるかも……といった印象で、3体目ボスに至っては理想的なビルドができていてさえ「これホントに倒せるの!?」と思うような強さを感じました。是非ともプレイヤーの皆様は一度絶望してほしい。
本作の1回のラン時間は短めなので、多少ビルド運が悪かったとしても「今回は運がなかったな、次!」といった感じで軽くプレイできるのは良いのですが、ここまでボス敵強くする必要あった?とは思っています。
何はともあれ、「1回のプレイ時間が短い気楽なオートバトル・ローグライト」としては本作は雰囲気も含め、意外とありそうでなかったタイトルではないか……と筆者は思います。スキマ時間にちょっと遊べるローグライトを求めている方には、本作がぴったり合う可能性もあるかもしれません。
スパくんのひとこと
最強のビルド王に俺はなる!という意気込みに溢れた人は、是非ともキングメーカーの頂点を目指してほしいスパ!
タイトル:He is Coming(ヒー・イズ・カミング)
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2025年7月17日
著者プレイ時間:4.5時間
サブスク配信有無:無
価格:未定
※製品情報は記事執筆時点のもの











