気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、FusionPlay開発、PC/PS5/スイッチ向けに5月30日にリリースされたドット絵アドベンチャーRPG『Nice Day for Fishing』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、コメディシリーズ「Epic NPC Man」の世界を舞台にしたドット絵アドベンチャーRPG。英雄たちの謎の失踪や世界を覆う邪悪な力の脅威に立ち向かうべく、NPCの漁師であるベイリンが立ち上がります。冒険者となったベイリンは、釣り竿を武器に釣りバトルや様々なクエストをこなしていきます。記事執筆時点では日本語未対応。
『Nice Day for Fishing』は、2,750円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Konrad こんにちは、FusionPlayのCEO、Konradです。2013年からゲーム業界で仕事をしています。従来のソフトウェア開発からゲーム業界への転向は、心からの決断でした。私は子供の頃からゲームが大好きでした。セガのゲーム機で育ち、『ファンタシースター』シリーズの大ファンになったのです。初代『ファンタシースター』は、私の子供時代に最も影響を与えたゲームでしょう。ゲームと言うものが、撃って、やられて、を繰り返すだけでなく、もっと複雑で、想像を超えた素晴らしい物語を語ることができるということを教えてくれたのです。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Konrad 本作は、RPGと釣りゲームを組み合わせたユニークなゲームです。RPGのコアとなるシステムをすべて取り入れつつ、戦闘は水中で展開され、モンスターは魚に置き換わっているのです。オリジナルのアイデアは、本プロジェクトのクリエイティブ・ヘッドであるRené Perlbachによって生み出されました。彼が社内の会議でごく初期のプロトタイプを提案し、私たちはこれをプロジェクト化することを決定したのです。
基本コンセプトはその後、「釣りゲームであること」と「RPGであること」という基本原則を強調するため、どんどん進化していきました。これによって、釣り針で海中ダンジョンを探検したり、巨大なボスと戦ったり、さらにはクラスのようなビルドを作成できる装備というアイデアが生まれたのです。はい、水中で唱えられる魔法もあるのです。選んだ装備の種類によって、あなたのキャラクターは魔法重視になったり、戦士やタンク寄りになったりしますよ。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Konrad 本作の舞台は、Viva La Dirt Leagueが制作した「Epic NPC Man」シリーズの一部であるアゼリムという世界です。このゲームの開発が決定したとき、私たちはすぐに「これはEpic NPC Manの世界観にぴったりだ」と思いました。ちょうどその頃、ショートムービーの「ベイリンの旅路」が公開されたばかりで、たった一言しか発せないシンプルなNPC漁師でも、ショーの主役になれるかもしれないということを示していたのです。
Viva La Dirt Leagueと一緒に開発し、彼らの作り出した世界とそこに住むすべてのNPCを完璧に表現するゲームを完成させました。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Konrad Viva La Dirt Leagueによる献身的なサポートが、私たちにとっては本当に素晴らしいことでした。彼らは本作を自分たちの物語の一部とすべく、心血を注いでくれたのです。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Konrad プレイヤーの皆さんには、Viva La Dirt Leagueのキャラクターとのコラボや珍しい水中戦闘システムを気に入っていただけているようです。最も印象的なフィードバックは、Viva La Dirtのファンの中には、推しのアイドルたちを応援するために、複数のプラットフォームで本作を購入する人までいるということでした。また、本作を2周し、レベルをMAXにした人もいました。これには本当に長い時間がかかります。私たちは、人々が本作をこれほど気に入ってくれたということに驚いています。
しかし、一部のクエストが少し反復的すぎて、プレイヤーを行ったり来たりさせすぎるという否定的な意見もありました。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Konrad 最初のコンテンツアップデートをすでにリリースし、ゲーム後半にファストトラベル・ポータルを導入しました。これにより、すでに訪れた場所への移動がより速くなります。このコンテンツアップデートは、コミュニティからのフィードバックで見られた最大の懸念に対処するために制作されました。これ以外にも新しいコンテンツの開発に取り組んでいますが、今のところ公式な発表はできません。しかし、我々は本作を来年以降もサポートし続ける予定です。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Konrad 日本語も含めたさらなるローカライズを考えていますが、残念ながらまだ決まっていません。ローカライズはパブリッシャーであるTeam17が管理しているため、有志翻訳については正直わかりません。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Konrad はい、もちろんです!YouTubeやTwitchで本作をプレイしている姿を見るのは大好きです!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Konrad もしまだViva La Dirt Leagueを知らないなら、彼らの動画を1つか2つ見ることを強くお勧めします。彼らは、ゲームに関することを面白おかしくする、すごく楽しい俳優チームです。本作は、彼らのコンテンツをゲームとしてあなたのご家庭にお届けする作品なのです。
ドイツの開発会社、ニュージーランドの俳優たち、そしてイギリスのパブリッシャーによって作られた、この奇妙でクールな組み合わせを気に入ってもらえると嬉しいです。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。




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