丸眼鏡お姉さんのジェムマッチローグライト『ANTHEM#9』は大量コンボ&爽快演出で脳がぶっ飛ぶ気持ちよさ【Bitsummit the 13th】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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丸眼鏡お姉さんのジェムマッチローグライト『ANTHEM#9』は大量コンボ&爽快演出で脳がぶっ飛ぶ気持ちよさ【Bitsummit the 13th】

開発者はゲーム開発未経験!1本をじっくり作る理由を訊いたインタビューも。

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丸眼鏡お姉さんのジェムマッチローグライト『ANTHEM#9』は大量コンボ&爽快演出で脳がぶっ飛ぶ気持ちよさ【Bitsummit the 13th】
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2025年7月18日から7月20日まで開催されてたインディーゲームの祭典「Bitsummit the 13th: Summer of Yokai」。本記事では、集英社ゲームズが出展しているジェムマッチローグライト『ANTHEM#9』のプレイレポートをお届けします。

大量コンボをかませ!

本作は、秘密結社「ANTHEM#9」のエージェントとなり、強大な敵と立ち向かうジェムマッチローグライトゲームです。主人公は、このお姉さん「ルービット」。色気がある丸眼鏡……最高のキャラデザです!!

基本的なゲームプレイは進むルートを選択し、バトル・ショップ・イベントなどをこなしていくオーソドックスな流れ。本作の特徴的な部分は、特にバトルに現れています。

画面下部では毎ターンランダムに赤・青・緑のジェムが配られます。スキルには必要なジェムが書かれており、それと同じ順序で選択すると発動できます。このジェムシステムはしりとりのようになっていて、例えば1つ目が「赤・青」、2つ目が「青・緑」となっていれば、「赤・青・緑」と選択するだけで2つとも発動できるのです。

さらに、「緑・赤・青…」と選択していけばふたたび1つ目につなげることができ、少ない選択で多数のコンボを繰り出せます。30コンボなどを繰り出すことも難しくなく、ズガガガーン!!!と敵に突き刺さる演出は非常に爽快でたまりません。初期状態では3つ持っている「AP」を使えば、ジェムの色を変えることもできるため、計画的に使いながら最大コンボを狙っていくのが本作の遊びです。コンボが増えるほどダメージの倍率が上がっていくのも嬉しいポイントです。

一方で、ジェム選択には30秒の制限時間もあるので、じっくり選んでいられないのが本作のミソ。素早く、かつ効果的にジェムを並べていくのが重要です。

さらに、敵のスタミナを1ゲージ削ると敵の攻撃をキャンセルできる上、APを使えば敵の行動順序を入れ替えることも可能。キャンセルは一番上の攻撃から行われていくため、キャンセルを発生させた上で強い攻撃を一番上に持ってくれば大きなダメージを防げます。さらにさらに、敵の行動をすべてキャンセルできれば、ボーナス攻撃が追加されるため、敵を「封殺」する気持ちよさがあるのです。

デッキは2つあり、ターンごとに交替していきます。そのため、どのようにスキルを選んでいくかは重要。ひとつ強いものを持っていても、他のものと繋ぎづらければせっかくのスキルも活かせません。計画的に、全体を活かすようにデッキを構築していく力が求められます。

いろんなところに頭を使いますが、うまくカチッと戦略がハマるとぶっ飛ぶ面白さです! ローグライトファンは、絶対に注目すべき1作です。

開発者はゲーム開発未経験!1本をじっくり作る理由

ここからは、本作を開発する個人ゲームクリエイターのkoeda氏と、集英社ゲームズで本作をプロデュースする森田航氏(以下、森田)に行ったインタビューをお届けします。

――本作はさまざまなインディーイベントでお見かけしていましたが、現在の開発状況はいかがですか。

koeda:いまはシステムや要素がすべて固まり、ほぼほぼ完成形が見えている状態です。ここからユーザーテストや最後のバランス調整を行い、ブラッシュアップしていきます。

森田:公式Discordサーバーも開設したので、そこでユーザーのみなさんからご意見をいただいて、最後の調整に入っていく段階ですね。

――主人公「ルービット」のデザインが非常に魅力的です。こだわりを教えて下さい。

koeda:ルービットは主人公だけど眼鏡キャラで、Sっ気が強くて、しかも毒使いというビジュアルや設定に少し癖のあるキャラクターです。1回見ただけで強く印象を残せるようなキャラにしたいという思いを込めて作り上げました。

――ゲーム中の3Dモデルのモーションもこだわりを感じました。

koeda:本作はストーリー部分が多い作品ではないので、ただ可愛いだけじゃなくて、少し高圧的な性格を表現するために、ちょっとしたモーションで伝わるように工夫しましたね。

――Steamページには、ルービット以外にも複数のキャラのシルエットがありました。これはプレイアブルキャラですか?

森田:はい、プレイアブルです。近々発表させていただくので、ご期待ください!

――マンガのコマのようなUIも印象的です。

koeda:私自身が日本の漫画やアニメといったサブカルチャーがずっと好きなのに加えて、グローバルに向けて日本が誇るマンガ文化を届けるような作品を作りたい!という思いで取り入れています。

――しりとりのような要領でジェムを繋いでいくシステムは非常に気持ちよかったです。どのように発案しましたか?

koeda:一般的にデッキ構築型ローグライトというジャンルではカードを使って攻撃するというシステムが多いと思うのですが、不慣れなプレイヤーさんはどうしてもいると思っています。

本作では、そんな方でもプレイしやすいよう、3色のジェムを使うというわかりやすいバトルシステムを採用しました。カードよりも直感的に理解できると思います。

――コンボがたくさんつながったときの演出も爽快です。

koeda:そこは本作の売りのひとつになっているのですが、その部分は集英社ゲームズさんの開発サポートが始まってから特に尖らせた部分です。

基本的なシステムはもとから変わっていないのですが、本作はコンボが気持ちいいという点は集英社ゲームズさんに見いだしていただいた部分で、それがよりプレイヤーに伝わるように意識して設計しました。『ぷよぷよ』や『パズドラ』などの連鎖があるゲームも参考にしています。

――本作はどれくらいのコンテンツ量があるのでしょうか。

koeda:本作はいわゆるステージ制になっていて、全12ステージを用意しています。その上で、より奥深くやり込むための要素として、高難度のステージ1つと、クリアするたびに開放されていく新しい難易度も存在します。

森田:試遊版は1ステージしか入っていないので、単純計算で10倍以上のボリュームがあるということになります。

――ローグライトはバランスが重要なジャンルかと思いますが、本作の開発において「やらないようにしている」ことはありますか。

koeda:明確にこれをやらないというよりは開発において、絶対にすべてのスキルやアイテムに“意図”を持たせていて、惰性的に実装しているものはありません。すべてのアイテム・スキルに「こう使ってほしい」という意図があるので、それを発見をしながら遊んでみてください。

森田:ただ、開発の進め方として「思いついたけどやらない」はやらないようにしていますよね。思いついたものは全部試すようにはしてみています。時間がかかる作り方ではあるのですが、一度頭によぎった以上は、とりあえず確かめてみます。

koeda:そこは個人開発者の利点ですよね。大きな開発チームだと、ひとつ仕様を実装するにも全員を説得して意思を統一しなければならない。でも、私の場合やると決めたら簡単に試せるので、成功しなさそうなアイデアでも一度は試してみるようにしています。で、だめだったらだめだったことを確認できたなと。

――成功しなさそうなアイデアが実装してみたら意外とよかった……みたいなこともあるのでしょうか。

koeda:そうですね。実は本作、もともとコンボを売りにするということは自分の中では重きを置いておらず、もっとダメージ計算しながら理詰めするようなゲームのほうがいいんじゃないかと思っていたんです。

コンボが増えることでのダメージ倍率上昇は最初は計算しづらいから微妙だろうな、と思っていたんですが、いざ実装してみて他の方の意見を伺うと、それが気持ちよさにつながっていて。実装してよかったなと思います。

――本作を開発する以前はゲーム開発の経験が一切なかったとお伺いしているのですが、どのように学んでいったのでしょうか。

koeda:ゲーム開発を始めようと思ったのは30歳を過ぎたころで、最初はUnityの入門書を買って勉強を始めました。Unityには実は資格があって、その試験を受けるなどして自分のスキルを高めていきました。

いまはYouTubeにゲームの作り方を上げてくれている方もいらっしゃるので、そういったものも勉強に使いました。

――初開発作品でジェムマッチローグライトというジャンルを選んだ理由は何でしょうか。

koeda:よく言われる考え方は、「最初は簡単なゲームから作りなさい」というものです。ただ、自分の場合始めるのが遅かったので、簡単なゲームづくりから始めていたら、一体自分の作りたいゲームを実現できるまで何年かかるんだろう……?と思ってしまったんですよね。

長い時間がかかってしまうのなら、難しい道のりでも最初から自分が1番作りたいと思っているゲームを作るのが最良の選択だと思いました。もともとこのジャンルは大好きなので、自分でも作りたかったんです。

――集英社ゲームズさん側として、本作に注目した点やパブリッシングのきっかけは何でしょうか。

森田:本作は「集英社ゲームクリエイターズ CAMP GAME BBQ vol.2 デモなし部門」で大賞を受賞した作品です。応募された企画書がずらりと並ぶ中で、本作のデザインの奇抜さがまず目に飛び込んできたんです。

そして、そこからゲームシステムの説明を読んでみると非常に巧妙に作られていて、「これはお話を聞いてみるしかない!」となりました。実際にkoedaさんと面談して、きっかけやポリシーを訊いてみると、改めて本作の見た目からは想像できないような深みがあると確信し、大賞を受賞した時に自分から「ぜひ自分にプロデュースさせてください」と会社、そしてkoedaさんにお願いしました。

――プロデュース側としてはどのような支援を行っているのでしょうか。

森田:開発資金やデバッグ、ローカライズといった、個人ではなかなか難しい部分は、全部支援させていただいています。

その上、本作の場合はkoedaさんが多忙でなかなか自分で作ったものをしっかり遊ぶ機会が取れないため、自分がプロデューサーとして真っ先にプレイしてます。

koedaさんからの「これとこれ、どっちの方がいいと思いますか?」という質問に答えるなど、いわゆる“壁打ち”的な役割も努めていて、それこそ漫画家と編集者のような関係で支援させていただいています。

――最後に、本作を楽しみにしているユーザーにメッセージをお願いします。

koeda:本作はもう、完成が目の前に近づいています。ここからはしっかりユーザーさんのご意見を取り入れて最後の調整を行っていきたいと思っているので、もう少しおまたせしますが、近々良い発表もできると思います。ぜひご期待ください。

――ありがとうございました!

『ANTHEM#9』は、PC(Steam)向けに発売予定です。

ライター:みお


ライター/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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