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SIEが「EVO」株式を売却したので、対象タイトルに『スマブラ』が復活する?SNSで話題になるも期待のし過ぎにご用心

今回の発表が『スマブラ』復活につながるという意見を疑問視する声も多く見られます。

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SIEが「EVO」株式を売却したので、対象タイトルに『スマブラ』が復活する?SNSで話題になるも期待のし過ぎにご用心
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ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が株式持分を売却したことが明らかになった格闘ゲームの祭典「EVO」について、任天堂の『大乱闘スマッシュブラザーズ(スマブラ)』シリーズが対象タイトルに復活するのではないかとの声がSNS上で広がりを見せています

SIEの「EVO」株式売却で『スマブラ』復活を期待する声が広がる

事の発端は、SIEが世界最大規模の格闘ゲーム大会であるEVOの株式持分を、ソニーグループから出資を受けるeスポーツ企業NODWIN Gamingへと売却したこと。

SIEはグローバルスポンサーとしての立場に回り、2028年までコミュニティへの取り組みを継続すると表明しています。なお、SIEが「EVO」を共同買収したと発表したのは2021年3月のことでした。


「EVO」と『スマブラ』のこれまでの関係は?

では、『スマブラ』シリーズと「EVO」の関係はどのようなものだったのでしょうか。

EVO公式サイトで確認できる年表では、注目タイトルには記載されていないものの、「『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズが初めて登場した(2007年)」「『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』がメインラインナップに初登場した(2015年)」「初年度の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』トーナメントに3,500人以上が参加した(2019年)」などの記述を確認できます。

ところが、2019年を最後にEVOで『スマブラ』シリーズがメインラインナップに登場することはありませんでした。厳密には、2020年2月5日に発表された「EVO 2020」のラインナップに『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が含まれていましたが、新型コロナウイルスの流行により開催中止が決定

その後、2020年5月に代替イベントとして「EVO Online」が発表されましたが、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』はオンライン対戦の環境が他ゲームほど整えられていなかったためか、ラインナップから除外されていました。


オフライン開催に戻ったタイミングで復活するだろうとの楽観的な見方もなされていた『スマブラ』シリーズでしたが、EVO Onlineの発表から間もなく、EVOそのものを揺るがす大きな出来事が巻き起こります。EVOの共同設立者で当時のCEOでもあったJoey Cuellar氏が、未成年に対して裸体を晒すよう仕向けるなどのセクシャルハラスメントを行っていたと告発されたのです。

この告発により、カプコンやバンダイナムコエンターテインメントアメリカなどはEVO Onlineから撤退。EVO Onlineは中止が発表されました。また、Cuellar氏は告発内容を認めるとともに、今後一切EVOに関わることはないと伝えられています


さらに、それに前後する形で『スマブラ』シリーズの競技シーンでも多数の選手・関係者に対し、同様の問題が相次いで浮上することに(参考:AUTOMATON)。EVOと『スマブラ』シリーズ競技シーンは同じタイミングで混乱を極めていたわけです。

そして話は、2021年3月のSIEとRTSによるEVOの共同買収に繋がります。買収後の初大会となった2021年のEVOは、2020年に予定されていたものと同じくオンラインでの開催に。ラインナップに『スマブラ』シリーズ作品は含まれていませんでした。

しかし、2021年にGame*SparkがSIEに対して行った取材では、「EVOは今後もあらゆるゲームプラットフォームを歓迎します」とのコメントを得ており、PSハードに登場していない『スマブラ』シリーズもラインナップに含まれる可能性があることが示されました。


その翌年、「EVO 2022」は2年ぶりにオフラインで開催されることに。しかし、2022年2月に「任天堂の選択により『スマブラ』シリーズはラインナップに含まれない」ことが発表されました。

その後、2024年2月に海外メディアDexertoが行ったインタビューで、EVOジェネラルマネージャー・Rick Thiher氏は『スマブラ』シリーズの復帰に前向きな姿勢を示していましたが、「EVO 2025」に至るまでシリーズタイトルがラインナップに登場することはありませんでした。

SIEによる「EVO」株式売却が『スマブラ』復帰につながるとは限らない

任天堂はEVOの不参加を貫いている理由を明らかにしていないため、SIEの買収が原因なのか、あるいは2020年の告発ラッシュが影響しているのか、それ以外の理由があるのかは不明。

そのため、SIEがグローバルスポンサーに回ることが任天堂のEVO復帰に繋がるかどうかも不明であり、慎重な見方を示す投稿もSNS上で散見されます。

また、2023年には任天堂がコミュニティ大会やライセンス大会に関するガイドラインを発表するなど、EVOに『スマブラ』シリーズが参加していた頃から状況が変化している部分も多くあります。

明確に『スマブラ』シリーズがEVOに参加できない理由が判明しているわけではありません。その一方で今回のSIEによる株式売却が『スマブラ』シリーズのEVO復帰の可能性を大きく高めるという根拠もないため、過度に期待し過ぎずに動向を落ち着いて見守るというのが適切な反応といえるのではないでしょうか。



ライター:kamenoko,編集:八羽汰わちは



編集/多趣味オタク 八羽汰わちは

はちわたわちは(回文)Game*Spark編集部員、デスク担当。特技はヒトカラ12時間。

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