
インディーデベロッパーのRone Vine氏は、販売本数が15万本を突破した協力型ホラー『Emissary Zero』の開発からリリース後までの、詳細な経緯をRedditで語りました。貯金のみを予算に開発を敢行したり、リリースの3週間前にSteamビルド審査に落ちたりする壮絶な経緯が明かされています。
◆たった1人で協力型ホラーの開発に挑戦
2025年3月にリリースされた本作は、化け物が徘徊する不気味な建物を探索し、タスクをこなしながら脱出を目指すホラーウォーキングシミュレーターです。最大4人までのオンラインマルチプレイに対応しており、本記事執筆時点でSteamの総合レビューは82%が好評の“非常に好評”となっています。
Rone Vine氏1人で開発された本作について、元々はリニアなホラーゲームとして構想していたものの、初期段階の時点でマルチプレイ対応のホラーへと方針を決めて、開発を進めたとRedditで明かしています。

同氏が手掛けた過去作品『Estencel』は開発期間が約4年に及んだため、本作では1年以内の短期開発を目標に制作を開始しました。2024年9月にはフリーランスの仕事を辞めて、開発に専念。予算が貯金のみとなった結果、2025年3月のリリースを目標にする必要があり、延期は許されなかったと振り返っています。
2024年10月にはデモ版を公開したものの、当初はあまり良い出来ではありませんでした。そこからアップデートを重ねてデモ版の改善を続けたところ、12月にブラジルの配信者がTikTokに投稿したプレイ動画が7万件以上のいいね数を記録して、プレイヤー獲得に繋がったと説明しています。
◆ビルド審査に落ちSNS宣伝も失敗する過酷なゲーム開発

しかし、リリースの3週間前に著作権上の懸念からSteamビルド審査が不合格になっていまいます。その後はサポートとのやり取りに時間を要したものの、リリースの2日前に無事に承認されたと振り返りました。ほかにも、ストーリーイベントがリリースの2週間前にまとまり、テキストが3日前に完成するといった波乱万丈な開発経緯を語っています。
マーケティングについては、ソーシャルメディアではあまり成果を上げられなかったと報告。宣伝はほとんど実施しなかったものの、発売後には有名ストリーマーたちが本作を見つけてプレイしてくれたと述べています。

リリース直後のSteamでのレビューは、最適化と難易度への不満で賛否両論となるも、1週間以内にパッチによる修正を実施したところ、好評に転じます。売上は順調に伸びていき、TikTokに投稿された動画が大反響を得た結果、2025年4月に売上とプレイヤー数が数倍に跳ね上がったと説明しました。
Rone Vine氏は『Emissary Zero』の開発は完了し、現在は前作のシステムから発展した新しいアイデアを取り入れた続編を制作していると報告。小さなプロジェクトから始まり、最終的には想像以上の成果を上げた本作の開発は、本当に特別な経験であったとコメントしました。
不屈の精神での開発で成功を収めた『Emissary Zero』は、PC(Steam)向けに1,000円でリリース中です。
¥10,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)










