
同じ自動車競技でも、ラリーはレースとはまた異なる見どころ、異なる形の迫力を含んでいます。
大会によって様々なルールが設定されているラリーですが、多くの場合は舗装路・未舗装路が混在するコースを慎重に走行する競技性になっています。
タイムアタックの場合は1秒でも記録を短縮するためにアクセルを踏み込みながら、悪路にタイヤを取られないよう細心の注意を払ってステアリングを回す……という、文章にすれば矛盾した表現になるのがラリーです。
今回、そんなラリー競技を再現した早期アクセス中の本格ラリーシム『Assetto Corsa Rally』をプレイする機会に恵まれました!
今の時点で日本車はないが……
フォーミュラレースとは違い、ラリーは多くの場合市販車の改造車を使います。そのため、メーカーからすれば、ラリーは新型車の性能や耐久性を世に伝える絶好の機会。ラリーによって世界的な知名度を得た車も存在します。

『Assetto Corsa Rally』では、実在する10台の車が公式ライセンスカーとして登場。プジョー、ミニ、シトロエン、ヒュンダイといったメーカーが名を連ねています。
その中にはアルファロメオのGTA 1300 Juniorといった、長年のモーターレースファンの琴線に触れるような1台も。

ただし、現時点では日本メーカーは登場していない模様。う~ん、もったいないなぁ。
とはいえ、日本車のないラリーゲームなんて、面白くないじゃん……と考えてしまうのは早計です。現在は早期アクセス中ということもあり、開発元は今後、登場台数を充実させると公言しています。今後のアップデートに期待しましょう!
「ペナルティを取られない走り」が重要に
ラリーでは、助手席に座る「コ・ドライバー」の存在が極めて重要になります。
本番前、ドライバーとコ・ドライバーには主催者から「ロードブック」というものが渡されます。これには「コマ図」と呼ばれる略地図が記載され、参加車両はこのコマ図に従って走行。『Assetto Corsa Rally』は、画面にコマ図が表示される仕組みです。ゲーム特有の仮想的な地図はありません。

ダカール・ラリーもそうですが、車にGPS装置自体は搭載されているものの、それで得られる位置情報を車内の人が確認するモニター等は一切ありません。
GPS装置は、あくまでも主催者が車両の位置を把握するためのもので、競技に参加するコ・ドライバーは今も昔も紙とペンを振るってノートを作ります。ドライバーも、コマ図の読み方を覚えなければなりません。カーナビの音声案内なんてないぞ!
このコマ図の読み方を覚えてしまうと、文字通り直感的なドライビングができるようになる……とのことですが、このゲームは車の運転が非常に難しい!
コントローラーを使って、アクセルに相当するボタンを押しっぱなしにすることもできるのですが、何しろここはオフロード。あまりスピードを出して曲がろうとすると、タイヤが取られて制御が利かなくなってしまいます。コースアウトや転倒も珍しくなく、その場合はペナルティとしてタイムが加算されていきます。

このゲーム、要はいかにペナルティを取られず完走するかが第一に求められるのです。速く走れればそれに越したことはありませんが、少なくともゲームを始めたばかりの頃の腕前では早く走ることは不可能と言い切ってもいいでしょう。
転倒した場合はそこからのリスポーンが可能なものの、気が付けばどんどんペナルティが加算されているという事態に……。
我々一般ドライバーは、公道で車を走らせる際は「アクセルの継ぎ足し」ということを行います。程よい位置でペダルをずっと踏むだけではなく、状況に応じてペダルから足を離したり、また踏んで回転数を上げたり……という運転の仕方です。
『Assetto Corsa Rally』でモノを言うのは、まさにそのような「継ぎ足し運転」。その上で、程よい具合にブレーキを利かせる技術も極めて重要です。
WRCの暴れん坊コリン・マクレー

とはいっても、ラリードライバーの中には慎重な運転などに一切興味を示さず、アクセルペダルを床にくっつけるのが基本という姿勢を貫いた人物も実在しました。
WRCで25勝を挙げ、スバル所属時代にインプレッサの車名を世界に轟かせたコリン・マクレーは、あまりに派手なクラッシュが多いことで「マクラッシュ」という異名を取りました。その走りぶりは、常に“優勝かクラッシュか”というレベル。慎重な走りなどは最初から考慮していないという姿勢です。
頑丈に作られているはずのインプレッサを壊してしまうことはよくある、そんなマクレーのパフォーマンスを車内カメラで観察してみると、あらゆる悪路を乗り越えるステアリング操作のテクニックと、彼に指示を与えるコ・ドライバーの超人的な活躍に圧倒されてしまいます。しかし、コ・ドライバーってよく車酔いしないな……?

そんなマクレーと同じことを『Assetto Corsa Rally』でやると、転倒は必至。とにかくこのゲームで重要なのは、ペナルティをもらわずに完走し切ることです!
細かいセッティングも可能!
また、本作ではアクセル、ブレーキ、サスペンション、ダンパーなど車の各部位について、細かい調整が可能です。その上で、天候に合わせて履いているタイヤの種類を変えることもできます。

ラリーでよく取られるテクニックは、前後でタイヤの種類が異なるという方法です。中途半端に路面が濡れている場合は、ドライタイヤとウェットタイヤを同時に履いたりもします。
そのあたりの塩梅をどうすべきかは、まさにチームの判断力が問われる部分。そうした点もしっかり再現されている『Assetto Corsa Rally』は、やはり「ラリーシミュレーター」と言える作品です。
そんな早期アクセス中の『Assetto Corsa Rally』はSteamで3,400円、11月28日まで20%オフの2,720円で配信されています。













