
2009年のサービス開始から16年。2016年の日本サーバーOBT(オープンベータテスト)開始から数えても9年。長きにわたり無料オンライン対戦ゲームの代表格として人気を博し続け、いまや「あって当たり前」のタイトルとなった感のある『リーグ・オブ・レジェンド(以下、『LoL』)』。
特にここ数年、ストリーマー諸氏の活躍によって日本での人気は完全な再燃を見せており、新規プレイヤーも着実に増えていると聞きます。筆者も2016年ごろまでは熱心に遊んでいたのですが、とあるプライベートな出来事をきっかけに心が離れ、また「このまま遊び続けていたら、自分が嫌な人間になってしまうのではないか」という危惧もあり、ここ数年は半ば引退状態、「見る専」のような状態になっていました。
そんな中、2025年12月3日に行われたアップデートによって、『LoL』に前代未聞の巨大な変化が訪れました。それが「WASDによる移動操作」のネイティブ対応です。これまで「クリックで移動する」のが鉄則だった『LoL』において、この新操作の搭載がゲームに及ぼす影響は計り知れません。
シーズンの切り替わりという節目も重なり、『LoL』は今まさに「始め時」。そして筆者のような引退プレイヤーにとっても、これ以上ない「復帰のタイミング」と言えるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、復帰勢である筆者がWASD操作をじっくり試してみた記録をお届けします。操作に慣れるため、プレイの舞台は主に「スイフトプレイ」を選択しました。ランクマッチでの検証はこれからですが、この機会に『LoL』を始めようと思っている方や、筆者と同じく復帰を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
WASD操作の始め方とおすすめの設定


まず注意点としてお伝えしなければならないのが、現状(2025年末時点)、WASD操作の設定やキーコンフィグはクライアント上(ロビー画面)ではなく、試合中のゲーム画面内からしか行えないという点です。
スキルをマウスボタンに割り当てたい場合などは、あらかじめ「プラクティスツール」などを起動して、設定を作っておかないと、実戦でかなり苦労することになります。これから『LoL』を始めてWASD操作を使いたいという方は、チュートリアルの最中にポチポチと設定をいじるのがよいでしょう。厄介なのは最初だけですので、頑張ってみてください。
また、あくまで筆者の主観的な使用感ですが、WASDに指を添えていると、従来の配置ではサモナースペルが押しづらかったり、逆に誤爆してしまったりするケースが多発しました(どうでもいいときにめっちゃフラッシュ押しちゃいます)。そのため、筆者はサモナースペルをマウスのサイドボタンなどに設定しています。
アイテムスロットの「6」や「7」などは、WASD移動をしながら咄嗟に指を伸ばすのが物理的に困難です。アクティブ効果(使用時効果)を持つアイテムは、比較的指が届きやすい「1」「2」「3」あたりのスロットに置く癖をつけておいたほうが、操作の混乱を防げるでしょう。たとえばLogicoolの「G502」のような、追加ボタンが多いマウスを用いるのが結構オススメに感じます

これもあくまで筆者の個人的な肌感ではありますが、WASD操作に切り替えると、従来よりもマウスカーソルを画面内で見失いやすくなるように感じました。もともと年齢的な要因もあってか、激しい集団戦の最中にカーソルの位置がわからなくなることが多かったのですが、WASD移動ではその傾向がより顕著になります。そのため、同様の悩みを持つプレイヤーの方には、設定でマウスカーソルのサイズを最大まで大きくすることを強くおすすめします。
また、WASD操作への転換に伴い、ミニマップの操作やピン(Ping)を焚く動作にも、慣れが必要だと感じました。このあたりは、自分が押しやすい位置へじっくりキーコンフィグを練り直す必要があるでしょう。初心者の方であれば、まずは難しいことを考えず、「カーソルとミニマップを最大サイズに設定する」。これだけでも、劇的にプレイしやすくなるはずです。
実戦でのインプレッション

WASD操作の実装後は、以前のマウス操作(右クリック移動)に戻すことなく、主に「スイフトプレイ」や「ランダムミッド:メイヘム」といったモードを主戦場として遊びました。友人たちとパーティーを組んでの対戦も含め、累計で数十戦ほどはプレイしたかと思います。
戦績確認サイト「OP.GG」で自身のデータを振り返ってみると、興味深い傾向が浮かび上がってきました。ADCをプレイした際の勝率やスコアが著しく高い一方で、ジャングラーやサポートといったロールを選んだ際の勝率は振るいません。また、特殊ルールである「メイヘム」でも、今のところあまり勝ち星を挙げられていないようです。
もちろん、数十戦程度のサンプル数では、マッチングの運や慣れの度合いによる偏りもあり、断定的なことは言えません。筆者は引退前、ADCというロールをほとんどプレイしたことがありませんでした。
そんな未経験のロールで(ノーマルとはいえ)好スコアを出せるという事実は、「WASD操作がADCの操作に向いている」という事実を示しているように思えます(まあ、あと普通に新規プレイヤーが多く、対面の練度が高くない可能性が高い、ということも言えるとは思います)。

筆者がプレイしていて特にその恩恵を感じ、すっかり気に入ってしまったのが、通常はADCとして運用されるチャンピオン「カリスタ」です。
カリスタはパッシブスキル「戦の所作」により、通常攻撃やスキルの直後に移動を入力することで、その方向へ跳躍して移動するという非常に特殊な操作感を持ったキャラクターです。従来の右クリック操作では、敵を狙う動作とステップを踏む動作でマウスを激しく往復させる必要があり、非常に忙しい操作が求められました。
しかし、WASD操作であれば「右手で敵を狙い、左手でステップの方向を決める」という役割分担が直感的に行えるため、マウス操作時の忙しさが嘘のように軽減されます。
一度、設定ミスでミッド(Mid)レーンに割り振られてしまったことがあったのですが、思いがけずレーンを圧倒することができ、面白いように勝ててしまいました。あの時の爽快感は、まさに「新時代の『LoL』」を象徴するような体験でした。
もちろん、WASD操作が万能というわけではありません。一部では「WASD移動ではAA(通常攻撃)のモーションキャンセルが難しく、結果としてDPS(時間あたりのダメージ)が低下する」という指摘も耳にします。マウス操作との格差を埋めるために、意図的にそのようなバランス調整が施されているっぽいです。
しかし、少なくとも筆者程度の腕前であれば、そのあたりの細かな数値の低下はさほど気になりません。むしろ、マウス操作で四苦八苦するよりも、WASDで直感的に立ち回るほうが、自分自身のパフォーマンスは明らかに向上していると断言できます。

反面、メイジチャンピオンやジャングラー、サポートなどをプレイした際には、WASDの優位性を感じづらいときもありました。前述の通り、WASD操作はピンやミニマップの操作が難しいため、そのあたりをよく見る必要のあるロールだと、やや操作しづらいです(とはいえ、これに関しては慣れてきましたが)。特にジャングラーはかなり難しく感じました。
また、近接攻撃を主に使うメレーチャンピオンですとWASD移動と攻撃の直感性はやや後退し、「相手を殴れない位置でウロウロしてしまう」というようなこともありました。慣れればどうにかなるのでしょうが、現状ではまだまだムズいです。筆者がスイフトよりもメイヘムの勝率が低い理由も、このあたりにありそうです。

まだまだ実装されたばかりで「強い」のか「弱い」のかは、はっきりとはわかりません。しかし、WASD操作で遊ぶ『LoL』がめちゃくちゃおもしろいということは事実として感じました。
久々の復帰でしたが今のところは気持ちよく遊べていますし、個人的には、より自分一人のゲームプレイに集中しやすく、爽快感も高いと感じています。先述したようにロールごとに向き不向きははっきりありそうですが、慣れでなんとかなる部分も大きいです。なにより筆者は、もうWASDでなければ『LoL』をプレイすることができない、と感じるほどに馴染んでしまいました。
プロを目指したり、ランクで上位を狙ったりする場合は、操作の「強さ」について真剣に向き合わねばならないタイミングもあるかと思います。しかし、カジュアルに遊ぶぶんにはWASD操作は非常に楽しく、明確に「選択肢に入りうる」と感じました。今から『LoL』を始めるのであれば、復帰勢だけでなく新規プレイヤーの方にも自信を持っておすすめできます。
国内での人気も上り調子な『LoL』。友人と遊ぶ機会もあるでしょうし、ソロでも十分に楽しいですから、このアップデートを機に再度触ってみるのは「かなりアリ」だと思いました。筆者自身、仕事でプレイしているということを忘れ、久々に『LoL』に熱中できる楽しい時間を過ごせましたよ!













