心の中の女児が目を覚ます――!魔法の世界でパン屋さんを営みながらスローライフを楽しむ経営SLG『ふしぎなベーカリーとおうち作り』【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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心の中の女児が目を覚ます――!魔法の世界でパン屋さんを営みながらスローライフを楽しむ経営SLG『ふしぎなベーカリーとおうち作り』【プレイレポ】

かわいいだけだと思ったら、しっかり現実の厳しさを味わわされて横転

連載・特集 プレイレポート
心の中の女児が目を覚ます――!魔法の世界でパン屋さんを営みながらスローライフを楽しむ経営SLG『ふしぎなベーカリーとおうち作り』【プレイレポ】
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ふしぎなベーカリーとおうち作り』は、不思議な島「スターアイランド」を舞台に、パンを焼き、素材を集め、少しずつお店と暮らしを整えていく放置型スローライフゲームです。とにかくかわいいドットグラフィックとチルな雰囲気が魅力の本作は、2026年1月16日にPC(Steam)にて配信されました。開発はMOON SCAPE、パブリッシングはHAMUXING Network Technologyが担当しています。

子供のころ、将来の夢として「パン屋さん」を挙げた人は少なくないのではないでしょうか。焼きたてのパンの甘い匂い、ふわふわな食感、口いっぱいに広がる幸せ……。あんなに憧れたはずなのに、大人になるにつれ、私たちは少しずつ「パン屋」さんという選択肢から遠ざかっていきました。お店を開業するのにかかる資金、かわいい内装を作り上げるのに必要な経費、早すぎる出勤時間……。パン屋さんになるのを諦めたとき、人は大人になるのかもしれません。

そんな「いつしか忘れてしまったあの日の夢」を、やさしく思い出させてくれるのが、この『ふしぎなベーカリーとおうち作り』です。

本記事では、心の中の眠れる女児が目を覚ます、ファンタジーでファンシーな本作のプレイレポートをお届けします。なお、記事制作にあたってはSteamキーの提供を受けています。

魔法の世界で一念発起!自給自足のパン屋経営!

ゲームの舞台は、きらきら輝くお花が咲き、ふしぎなかたちの生き物が湖を泳ぐ魔法の世界「スターアイランド」。イヴという女性キャラクターが全財産をぶっこんでパン屋のリフォームを遂げたところから物語は始まります。

店舗という資産物件はあるものの、まさかの文無し。もし現実で自分がこの状況だったら……と考えると眩暈がしそうですが、夢を叶えるためには、時にこれくらいの思い切りや覚悟が必要なのかもしれません。あの頃は勇気が出なくて追いかけられなかった夢も、ここでは気軽に試せます。現実の事情はいったん横に置いて、パン屋という夢にもう一度だけ手を伸ばしてみてみましょうか。

後悔を決意に変えて、あの頃の夢を叶えるべくスターアイランドでの生活を始めます!

イヴさんはとにかく思い切りが良く、ベーカリーの名前もポンと決めてしまいます。そしてパン作りや、それに必要な素材集め、果ては経営そのものまでスタッフ(プレイヤー)に一任してきます。見習いたい、この決断力\(^o^)/イエイ!

ベーカリーの近くには農場や湖があり、そこで作物を育てたり魚を釣ったりして、パン作りに必要な材料を集めるのが最初のアクションです。ではまず農場に行ってみましょう。

操作は簡単。「鉢植え」と種などの「素材」、そして「スタッフ」を選べば作業がスタート。それぞれの組み合わせに応じて収穫可能な作物がいくつか表示され、その中からランダムでゲットできる材料が決まります。

同じく湖でも、「釣り竿」と「エサ」、そして「スタッフ」を選択すると、ランダムで魚を入手できます。農業も釣りも、やることは基本的に同じ。道具・素材・スタッフを選んで指示を出せば、あとは結果を待つだけです。操作はとてもシンプルで、忙しさとは無縁。スターアイランドの時間は、ゆっくりと流れていきます。

入手できる材料には3段階のレアリティがあります。希少な材料同士をかけ合わせれば、高単価のパンやスイーツが作成可能となり、それらは高値で売ることができます。本作の目的の1つであるインテリア収集を楽しむために金策には欠かせないのですが、初期の段階では高レアリティの材料はなかなか手に入りません。

クローバーやシンプルな魚を地道に集め、定番のパンやお菓子をこつこつ作って売りさばき、ちょっとお金が貯まったら性能の良い鉢植えや釣り竿を買う。そうして、レアリティの高い作物や魚介を手に入れることができるようになっていくのです。

農業に必要な栽培用アイテムや釣り用のエサといった素材は、ショップで購入可能。品揃えは日替わりで、膨大な種類のアイテムが存在します。高レアリティ素材の獲得率が上がるアイテムや、特定の素材獲得に役立つアイテムなど、様々な種類の素材があるようで、こまごまと画面に並ぶファンシーなグラフィックについ魅入ってしまいます。ひとつひとつのアイテムに添えられた解説文もかわいいです。

農場や釣り場にスタッフを配置し、素材の組み合わせの指示を出せば、素材が尽きるまでオートで作物や魚を獲得し続けてくれます。その間、現実世界で別の作業をするも良し、穏やかなBGMに耳を傾けながら、揺れる水面や風にそよぐ草花などスターアイランドの景色を眺めてボーッとするも良し。本作の魅力は、こうした「何もしない時間」を肯定してくれるところにあります。

そうして集めた材料で、今度はいよいよパン作りです。

ベーカリーでの作業も農場や釣り場と同じで、「調理台」と「材料」、そして「スタッフ」を選択すれば、材料が尽きるまで延々とパンやお菓子を作り続けてくれます。ベーカリーとは言いつつ、作れるものはパンだけではありません。ドリンクやケーキ、焼き菓子にアイスなど、実に様々な種類の商品を生成可能です。

現実ではお目にかかれないようなファンタジー素材が当たり前のように登場するのですが、それらを組み合わせることで生まれるパンやスイーツもまた、スターアイランドならではの不思議でかわいいものばかり。

魔法だけで焼き上げた「ふわふわパン」。無味らしい。カロリーも低そう。
もちもちタピオカが隠れた「ゼリーパールパン」。美味しそうだけど、材料はクラゲ。
宝石のような輝きを放つ「ダイヤソーダ」。かわいい~!
現実世界でも大活躍の「たいひ」。ファンシーなスターアイランドでも優秀な肥料として重宝されているよう。

実際に食べてみたいものもあれば、ちょっとヤバそうなものもあって、その振れ幅も楽しいです。キャラクターやUIのデザインも徹底してかわいいもので構成されており、操作しているだけで気分が和みます。穏やかなBGMも相まって、プレイ中は終始チルい空気に。

雰囲気、グラフィック、音楽。全てが心の中の女児が泣いて喜ぶ完成度で、スターアイランドでの生活は、まさに理想化されたスローライフそのものと言えました。

しかし、そんな夢の世界にも、現実の影は静かに忍び寄ってきます――。

ファンタジーでチルな世界を、現実の魔の手が襲う――!

素材集めにもすっかり慣れ、パンやスイーツの在庫もそれなりに潤ってきたころ。いよいよ満を持してインテリアショップへ足を運びましょう。

ちなみに本作には、「失われたスターアイランドの輝きを取り戻す」というささやかな物語も用意されています。島の住人いわく、その輝きは、少しずつ整えられていく暮らしやインテリアと深く結びついているのだとか。

かわいい。とにかくかわいい。テーブルも棚もベッドも、全部かわいい。これらの“かわいい”を集めることこそ、このゲームの本質! そう思って、気になる家具の値段を確認してみると……。

ベッド$5000、所持金$1727

高ッ!

全然、買えない!

魔法の世界だからといって、家具がタダで手に入るわけではありません。かわいいベーカリーを作るには、それ相応の売上が必要です。あと何個パンを焼けば、このテーブルに手が届くのか。どれだけスイーツを売れば、壁紙を張り替えられるのか……考え始めた瞬間、スターアイランドに現実が侵食してきます。そう、ここでも経営は甘くない。

ちなみに、インテリアショップのラインナップも日替わりなのですが、「家具入替チケット」というアイテムを使用すれば、日が変わるのを待たずしてラインナップを入れ替えることができます。手の届く価格帯の家具を求めてこのチケットを使ってみたら、逆にとんでもない高額インテリアが店頭に並んでしまい、完全に心がへし折られました。

※謎の貝がらオブジェ$80000

ならば、もっとパンを作ろう。そのために、引き続き素材を集めよう。……と、意気込んだところで、もうひとつの現実が立ちはだかります。素材集めには、きちんと時間がかかるのです。魔法の世界スターアイランドで唯一魔法が通じないもの、それが時間。作物はすぐには育たず、釣りも一瞬では終わりません。現実と同じ速さで、ただ、静かに時間が流れていきます。

さらに言えば、出費はインテリアだけではありません。肥料やエサなどの消耗品にもお金がかかり、市場の相場と手持ちの商品が噛み合わない日は、売上がそのまま経費に消えていくことも……。

ちなみに、パンを売る市場にはちゃんと“ご機嫌”があります。スターアイランドの市場では、パンやスイーツの買取レートが日替わりで変化し、「今日はこのジャンルが高く売れる」という波が存在するのです。レートの高い日に相応する商品をまとめて売れば、一気に大儲けすることも不可能ではありません。

……理屈の上では、ですが。

問題は、その「売りたい日」と「売れるだけの在庫が揃う日」が、そう都合よく重ならないこと。高レートの日に限って在庫が足りなかったり、倉庫にパンが山積みの日は相場が渋かったりする。魔法の世界にも、市場の気まぐれはあるようです。

そうしてしばらく自転車操業を続けた結果が、こちらのベーカリーです。

いくら魔法の世界でも、理想のお店作りは一朝一夕では叶わないようです……。

とはいえ、本作はもともと「かわいい世界に浸りながら、のんびり遊ぶ放置ゲー」。夢中になるとつい焦ってしまいますが、血眼になって効率を追い求めるゲームではないのです。かわいくてチルな空気を味わいながら、時に片手間に、時に時間に身を委ねて、ゆっくりと経営を続けていきましょう。

それでいいのです。焦る必要はありません。人生は、思っているよりずっと長いのですから。

女児になることが許される世界、それがスターアイランド

ふしぎなベーカリーとおうち作り』は、「遊びごたえ」や「スーパープレイをキメる達成感」を提供するゲームではありません。しかしこのゲームには、気付けばこの世界での生活に夢中になってしまうような魅力があります。

画面の端から端まで、とにかくかわいい。ドットで描かれたファンタジーな風景、キュートなキャラクターたち、見ているだけで気持ちが緩むスイーツやインテリア。穏やかなBGMも相まって、スターアイランドには常にチルでエモーショナルな空気が流れています。

かわいい世界に身を置き、何も起きない時間を過ごすための場所を用意してくれるゲームです。忙しい日常の合間にふと立ち寄り、パンを焼き、部屋を眺め、また現実に戻る。その心地よい距離感が、最初から許されています。夢中になって画面を見つめてしまう日もあれば、片手間にそっと起動して、いつの間にか時間が過ぎている日もある。そんな付き合い方が自然に成立するのが、本作の特徴です。

心の中に女児の息吹を感じた人はもちろん、忙しない日々にちょっと癒しがほしい人は、スターアイランドでのんびりベーカリーを営んでみませんか?


ふしぎなベーカリーとおうち作り』は、PC(Steam)向けに配信中。


ライター:難波,編集:みお

ライター/ゲームと映画と小説と移動と格闘技と犬が好きな兼業ライター 難波

雪山のペンションで殺人事件に巻き込まれたり、きらめき高校で青春を謳歌したり、時を渡る翼で時代を駆け星の未来を救った経験を経て、現在はしがない会社員。主にRPGとADV、ホラゲーとギャルゲーが好きで、郷愁と可能性に満ちたドット絵のゲームに目がない。すてきなゲームを世に生み出してくれる作り手への感謝とリスペクトを原動力に文章を書いています。棺桶に入れてほしいゲームは『FF15』。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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