パブリッシャーのDeep Silverとウクライナに拠点を置く4A Gamesとは、終末世界FPS『Metro』シリーズの最新作となる『Metro 2039』を正式に発表しました。
核戦争後世界を美化・楽しく描くつもりはない。
本作は、ロシアの作家であるドミトリー・グルホフスキーの小説を原作としたFPS『Metro』シリーズの最新作です。2019年に第3作目となる『メトロ エクソダス』から、実に約7年ぶりとなる本作ですが、その間、4A Gamesが位置するウクライナは、ロシアによる侵攻を受けており、その影響は本作にも現れています。

舞台となる地下社会では、かつて分裂していた勢力が一つの旗のもとに統一される一方で、強力な指導者による支配が進行。プロパガンダや誤情報が蔓延し、人々は恐怖と抑圧に支配された環境での生活を強いられています。「敵対するものはすべて排除する」という過激な思想が広まり、社会はより閉鎖的かつ危険なものへと変化しています。収容され運ばれていく子供たち、プロパガンダに苦しめられる人々など、より生々しい世界が描かれています。


『Metro』シリーズはこれまで「戦争を防ぐ」というメッセージを内包してきましたが、『Metro 2039』では大きく方向転換が図られています。本作ではポストアポカリプスの世界をロマン化(美化)したり、テーマーパークのように楽しく描くつもりはないとのこと。「沈黙の代償」「専制の恐怖」「自由の代価」といったテーマが中心に据えられ、プレイヤーに対してより直接的な問いを投げかける内容となっています。開発チームは戦時下の現実に直面し、その経験が物語や表現に強く反映されていると説明しています。
主人公“ストレンジャー”と、再び地下へ向かう旅
プレイヤーは“ストレンジャー”と呼ばれる主人公として、かつて離れた地下世界へと戻ることになります。彼は暴力的な悪夢に苛まれる人物であり、その内面も含めて物語の重要な要素となります。本作はシングルプレイのストーリー重視な作品として展開され、よりダークで閉塞感の強い体験が重視されています。閉所的な空間と心理的圧迫が、プレイヤーに強い没入感をもたらすとしています。
本作の特徴の一つが、「フローズンストーリー」と呼ばれる環境演出。これはセリフやテキストに頼らず、空間そのものから過去の出来事を伝える手法です。例えば、途中で放置された食事、未完のカードゲーム、弾の抜けた銃を握る遺体など、何気ないオブジェクトの配置から、そこで何が起きたのかを想像させる設計となっています。こうした積み重ねにより、プレイヤーの没入感を高める狙いがあります。
技術面では、独自の「Fourier Engine」を採用。シリーズで培った技術を基盤に、レイトレーシング表現を再構築し、より高品質かつ安定した描写を実現しているといいます。

本作の環境はすべて個別に設計されており、いわゆるプリセット的な配置は存在しません。すべてのオブジェクトに存在理由があり、プレイヤーは空間から人の気配や生活の痕跡を感じ取ることができます。
ウクライナの現実とともに作られる作品
先述の通り、開発チームはウクライナにルーツを持ち、現在も戦時下の環境で制作を続けています。停電や攻撃の脅威といった困難の中でも開発は継続されており、その経験自体が作品に影響を与えていると語られました。その開発の様子も、映像に収められています。また、本作は原作小説の作者ドミトリー・グルホフスキー氏と共に制作されており、自由や真実といった価値観を共有しながら物語が構築されています。


「どう生き延びるか」「誰を信じるか」といった問いをプレイヤーに突きつける作品となります。選択には必ず代償が伴い、その重みを体験として提示することが目指されています。
『Metro 2039』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに今冬発売予定。
なお、今回の発表はファーストルックに位置づけられており、ゲームプレイとシネマティクスを組み合わせた初映像も公開されました。今後の続報にも注目が集まります。









