2026年2月27日、『ポケモン』30周年の当日でもあるその日の深夜、『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン(以下、FRLG)』がニンテンドースイッチで遊べるようになりました。
『FRLG』は、2004年1月29日にゲームボーイアドバンス(以下、GBA)向けに発売された『ポケットモンスター 赤・緑』のリメイク作。GBAとしてはすでに『ポケットモンスター ルビー・サファイア』が先行して発売しており、本作はそのプログラムやUIをベースにしたシリーズ初のリメイクタイトルにあたります。
実に約22年の時を超えて最新ハードにて遊べるようになった本作を、当時GBAで遊んでいたポケモントレーナーが、その思い出と共に振り返って行きたいと思います。
プレイ開始5時間でポケモン図鑑は「1匹」。その理由は……
今回、筆者は「普通にクリアしてもなぁ……」と思い立ち、「ヒトカゲ」を選んだ後、おもむろに「攻撃」と「素早さ」の基礎ポイントをMAXまで上げてから旅立つことにしました。

『ポケモン』本編シリーズでは、特定のポケモンを倒すごとに該当ステータスが少しずつ高くなるという仕様があります。
そのため5時間をかけて、素早さを上げるため1番道路ではポッポとコラッタを、また22番道路では攻撃のためにマンキーをひたすらに倒すというプレイをし、攻撃と素早さが突出するヒトカゲが完成してから、ジムバッジ集めへ。

ちなみに本作は、現在の最新作である『スカーレット・バイオレット』とは異なり、基礎ポイントを上げて即時でステータスに反映されることはなく、レベルが上がった時に一気に能力値が上がるという仕組みになっています。
これにより、ステータスの伸び幅が一気に増えるのを視覚的に楽しめるのは爽快です。

ポケモン懐古おじさんの思い出
また『FRLG』はリメイクということもあるのですが、それ以前に本作にしかない要素も色々と存在します。そんな懐かしい要素たちを、いくつかピックアップしてご紹介していきましょう。
ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタ
オリジナル版『FRLG』には、ゲームソフトと説明書のほかに付属品として、「ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタ」なるGBAの周辺機器が付属していました。
これは、装着するとGBAで無線通信を行えるようになるもの。『FRLG』発売と同時に世に登場しました。本来、GBAで通信プレイをするには「通信ケーブル」という物理ケーブルを使わなければ通信ができないところ、本製品対応ソフトでは無線で通信できるようになったのです。
しかも、通信ケーブルは2人で遊ぶなら1本でいいのですが、当時から本作含めGBAでも最大4人で遊ぶことができるタイトルが複数あり、それらを4人で遊ぶ場合は通信ケーブルを「工」の字にせねばならず、ケーブルを“3本”も用意して繋げる必要があったのです。

聞いたことが無いでしょうか?「通信ケーブルを持っている奴はクラスの英雄」という話を。そう、1本持ってるだけでも英雄扱いを受ける通信ケーブルが、通信プレイ最大人数である4人で遊ぶ場合は3本も必要に……。
そんな煩わしさを解決したのが、このワイヤレスアダプタでした。後に非同梱版も発売されたものの、『FRLG』発売当初は必ずアダプタも同梱されていたので、『ポケモン』シリーズの肝となる通信プレイを多くのプレイヤーたちが気軽に楽しめるようになったのです。
そんなワイヤレスアダプタ、当然ながら無線通信がデフォルトで可能となったスイッチ版『FRLG』でも、その存在を確認できます。街のNPCやフレンドとポケモン交換をする際、ポケモンが別のGBAへと移動する演出として、本体と共にアダプタも描かれていることにお気づきでしょうか。

ただの演出ではありますが、当時遊んでいた方はこんなのあったなと思い出しつつ、初見の方は「これが任天堂ハードの無線通信プレイの歴史か」と感じながら、その様子を見てみてください。
おしえテレビ
繰り返しとなりますが、本作は『赤・緑』のフルリメイク作品。そのため、話題性から『FRLG』で初めて『ポケモン』を遊ぶ人も結構いるかもしれない……。
きっとそんな開発陣の心配から生まれたであろう「たいせつなもの」は、「おしえテレビ」です。

あらゆる戦闘中の要素を説明してくれる備忘録的位置づけのアイテムなのですが、後にも先にも登場するのは本作のみ。
面白いことにこのおしえテレビ、用意された映像が流されるのではなく、実際にエンカウント~バトルの流れをゲーム内の処理を用いてリアルタイムで行うため、登場するポケモンが色違いになることがあるという仕様があります。

もちろん、ハジメお兄さんのコラッタが色違いになってもゲットはできません!
『FRLG』ならでは!追加マップ「ナナシマ」
『赤・緑』や以降のシリーズには登場していない、本作ならではの「ナナシマ」は、カントー地方南部に位置する7つの島々からなる諸島のこと。7つの島だからというわけではなく、火山の噴火から7日で誕生したことに由来して、総称でナナシマと呼ばれています。

シリーズ通して冒険の舞台として遊ぶことができるのは、『FRLG』および『エメラルド』のみ。『エメラルド』では一部マップのみ訪れられます。後のカントー地方が登場する作品の『ハートゴールド・ソウルシルバー』『Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』でも実装されていません。
ただし死に設定にされているわけではなく、『ウルトラサン・ウルトラムーン』ではナナシマについて言及するNPCがいるので、その存在が忘れられているわけではなさそうです。
ここからは、そんなナナシマより「1のしま」「7のしま」を紹介。それ以外の島がないのは、それほどプレイ要素がないためと認識をいただければ……。
1のしま
1のしまは、ナナシマで最初に訪れる島です。ポケモンコレクターであり、ボックスシステムの管理人「マサキ」の友人「ニシキ」が暮らしており、主人公はマサキの紹介で殿堂入り前から訪れることになります。

全国図鑑解放後は、イベントを経て『ルビー・サファイア』と通信をできるようにするという重要な解放要素があります。なお、今回のスイッチ版では、現時点では残念ながら『ルビー・サファイア』がないため使うことはできません。今後に期待したいところ。
島の北部には大きな火山「ともしびやま」があり、奥地には伝説の鳥ポケモン「ファイヤー」が、『赤・緑』での居場所であったはずのチャンピオンロードから追い出され、ここに配置されています。

これにより原作とは異なり、ファイヤーを捕獲できるタイミングがチャンピオンロード道中から、トキワジム攻略前になりました。
7のしま(トレーナータワー)
そして7のしまには、ナナシマの中で……いや、本作の中でも数少ないやり込み要素のひとつ「トレーナータワー」が存在しています。
7のしま上陸後、北側に移動するだけでその塔を確認でき、内容を簡潔に述べると頂上までどれだけ速くたどり着けるかを競うタイムアタックコンテンツです。

ただしこのトレーナータワー、クリアしても一切の経験値も賞金もアイテムも、何の報酬もありません。そう、完全自己満足のコンテンツなのです。そのため強制的にやり込む必要は一切なく、ただ速く登れるかを試すのみ。
なおこのトレーナータワー、当時はいわゆる外部拡張コンテンツである『ポケモンバトルカードe+』に対応していて、物理カードのバーコードを周辺機器「カードeリーダー+」を用いて読み込ませると、登場トレーナーが変わるといった仕様がありしました。
当然ながら、物理周辺機器は実装されていないスイッチ版には無い機能なので楽しめませんが、今の「amiibo」に通じるものがあったと考えると、感慨深いものかもしれません。
ちなみに筆者の記録は下記の画像で、結構速い自信はあります。よろしければ、読者の皆さんも本稿を読み終えた後、ぜひこの記録に挑戦してみてください。

実質的な“追加要素”も、スイッチ版にはある!
さて、ここまで古のポケモンおじさんの思い出を語ってきましたが、スイッチ移植版でのみ体験できる流れもあります。それは、「オーロラチケット」「しんぴのチケット」の存在とその解禁方法です。

これらは、当時特定の会場で『FRLG』のカセットとGBA本体を持っていくことで、スタッフさんから「ふしぎなおくりもの」経由でで受け取れたチケットのアイテムデータ。当然ながら、会場に足を運べなかった子供は手に入れることができませんでした。
スイッチ版では、殿堂入り後に「たいせつなもの」ポケットへ自動に追加されます。これは、オリジナル版ではなかった追加方法!
当時の詳しい入手方法は伏せますが、子供の頃に入手できず、チケット入手で起きるゲーム内イベントを体験できなかった筆者としては、とても嬉しく楽しませてもらった次第です。
なお、「オーロラチケット」はデオキシスに、「しんぴのチケット」はルギア・ホウオウに会えるようになるアイテム。
そしてもし今後、『エメラルド』が配信されたならば。もしかして、ミュウをゲットできる、古参ポケモントレーナーからしても超レアなアイテム「ふるびたかいず」も実装されるのでは……と、今からワクワクしてしまいます。

繰り返しになりますが、筆者は『ルビー・サファイア』『エメラルド』も配信してほしいなと思いを馳せつつ、今日もトレーナータワーを登ります。













