
近年、PCゲームの新作タイトルはすさまじいペースの速さでリリースされ、Steamプラットフォーム上だけでも一日に数十本といった数の作品が発売されています。自身の嗜好に合ったゲームを探そうと思えば新作旧作問わずよりどりみどりであり、ゲーマー側には無数とも言える選択肢が用意されています。
そういったゲーム情勢のなか、筆者が直近で最もアツく打ち込んだゲームは『Devil Daggers』でした。2016年に発売したゲームをなぜ今?と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし本作は発売10周年を迎えた今もなお熱狂的なファンに遊ばれ続け、日々自己記録を更新しようと傾倒するプレイヤーに支持されています。
筆者は本作を約120時間プレイし、500秒間生存を達成しました。その経験を元に、本記事でゲームの大まかな流れやテクニック、敵の解説などを通して、『Devil Daggers』の筆者なりの魅力を伝えたいと思います。
本作の真髄は「どこまで生き残れるか」

『Devil Daggers』のゲームジャンルを敢えてここで定義するなら、「サバイバルアリーナシューター」です。本作にはゲームクリアの概念は存在せず、どれだけ長く生き残ったとしても最後に待っているのは死です。プレイヤーは無尽蔵に増え続ける悪魔と対峙し、いずれ訪れる死をどれだけ先延ばしに出来るか足掻き、戦い、時には逃げることを要求されます。そういった意味での「サバイバル」です。また、ゲームの舞台となるマップはたった一つで、何ら遮蔽物の無い闘技場(アリーナ)のような空間で戦うことになるため、「アリーナシューター」が適切でしょう。
圧倒的にシンプルなゲーム画面

さて、ゲームを開始するとチュートリアルやカットシーンも何もなく、プレイヤーは突如として真っ暗なアリーナに放り込まれます。そこに映るのは、本作唯一の武器であるダガーを発射できる右手、ただそれだけです。体力バーも、残弾数の表示もありません。表示が無いことには理由があり、プレイヤーは敵に一度でも触れれば即死し、ダガーは無限に発射できるため、そういったHUDに存在価値は無いのです。
初めてプレイするゲーマーはこの余りにも質素な画面に面食らうかもしれません。しかし裏を返せば、画面の情報量が少ないということは、プレイヤーは目に映る余計な情報に脳のリソースを割く必要が無く、目の前の敵との戦闘に専念しやすいということを意味します。

しばらくすると、暗闇から何とも形容しがたい音(声?)とともにイカのような形状をした悪魔が現れます。イカの悪魔は触手を広げ、体内からドクロ群を吐き出します。ドクロはプレイヤーを殺すためだけに行動し、プレイヤーを追尾あるいはマップ上を徘徊します。ドクロやイカの悪魔にダガーを放ち対処している内に、マップ内の何処からともなく第2、第3のイカが出現します。
悪魔を倒し、赤いジェムを回収しよう
さて、イカやツノ付きのドクロを倒すと赤いジェムがドロップされることに気付くでしょう。プレイヤーはこのジェムを収集することでダガーを強化することができます。10個回収で射撃速度アップ、70個回収で更に射撃速度アップ+ホーミング射撃機能追加……といった具合です。ただし、プレイヤーが射撃中は落ちたジェムを回収できないという仕様があるため、回収するために一瞬射撃を中断する必要があります。
当然、悪魔はその間も容赦なくプレイヤーを追い続けるため、「目の前に迫っている悪魔を倒したいが、射撃をすると武器を強化するためのジェムを回収できないので、危険を冒してでも攻撃を止めないといけない」といったジレンマに襲われることになります。上述した通り、悪魔と一瞬でも接触するとプレイヤーは死亡するので、射撃を止めるリスクは極めて高いです。

序盤の敵の紹介
“序盤”といっても人によって範囲が異なるとは思いますが、本記事では230秒程度までを“序盤”と呼ぶことにします。

本記事でドクロと呼んでいるもの。ツノ無しドクロはひたすらプレイヤーを追尾し、ツノ付きドクロはより高速にプレイヤーを追尾するか、マップ上を彷徨います。

通称イカ。一定のスパンで体内からドクロの群れを召喚します。赤いジェムが埋まっている箇所が弱点で、弱点に一定のダメージを与えると死亡します。

通称クモ。プレイヤーに直接的な攻撃はせず、マップ上に落ちたジェムを吸収し小さいクモに変容させます。顔面が弱点ですが、少し射撃を受けると下にうつむき弱点を隠すような動作をするため、一気に倒し切ることが重要です。クモが出現中はプレイヤーは一切ジェムを回収できなくなるため、初心者プレイヤーには中々嫌われている存在です。

通称ムカデ。腹面にびっしり埋まった赤いジェムが剥がれ切るまでプレイヤーを追跡し、地面に隠れたり地上を這い回ったりします。大量のジェムをドロップするので、ダガーを強化する上でぜひ倒しておきたい敵です。
すぐ死ぬ。どうしたらいい?
すぐに死んでしまって続かない……そんなときは、倒す敵の優先順位を付けましょう。プレイヤーを追尾しているツノ付きドクロは非常に高速で簡単に追い付いてくるため、真っ先に倒すべき場合が多いです。また、追尾中に息遣いのような声を上げるため、プレイヤーの背後から迫っていても音で存在を察知できます。その後、クモが出現中なら落ち着いて倒します。ツノ無しドクロの群れからは、マップ上で曲線を描くように走り回ることで、ある程度の時間逃げ続けることが出来ます。
敵が多すぎて結局すぐ死ぬ。
敵を倒しつつ赤いジェムを回収し武器の強化を狙いましょう。現在の所持ジェム数はキーボードの2のキーを押すことで表示されます。最初は10個、次は70個取得を目指しましょう。70個集め武器が進化すると驚くほど敵の殲滅力が上がります。もし70個回収自体が難しいと感じるなら、出現したイカを敢えて倒さず放置し、召喚されたドクロだけを殺すことで効率良くジェムを集められます。
攻略に詰まったら先人のプレイを参考に
本作にはランキング機能が搭載されており、グローバルランキングを覗けば上級者の過去のプレイをゲーム内からシームレスに視聴できます。ある地点で死に続け自力での打開が難しい、と感じたら他プレイヤーのプレイを参考にするのも一つの方法です。
ただの「高難易度ゲーム」ではない
ここまで読むと『Devil Daggers』は“難しいだけ”のゲームと思えるかもしれません。しかし発売から10年が経った今でも多くのプレイヤーに愛され続けている事情には、それ以外の理由があります。
単純なシューター部分の心地良さ。敵の弱点に攻撃を当てると「キンキンキン」といった小気味良い音が鳴ります。
“多勢に無勢”、“四面楚歌”の状況下で1秒でも長く生きるというシンプルなゲーム性。圧倒的に不利な戦況で生き延び続けるプレイは、アドレナリンを分泌させます。
中毒性の高いサウンドエフェクト。悪魔出現時の恐ろしい咆哮、倒れる時の断末魔、クモがカサカサと足を這わす音、プレイヤー死亡時の何かが潰れるような音etc……。

また本作は、ランダム性の概念を極限まで排除しており、〇〇秒の時点でクモが3匹沸き、その××秒後にムカデが1匹沸く……というように、予め決められたルーティンで進行します。そのためプレイヤー側は、死にながらも敵の出現数や出現タイミングを覚えることで、次回のプレイに備えて対策を練ることが出来るのです。どんなにピンチな状況下であっても、1秒1秒生きていくことへの尊さまで実感できる作品だと思っています。

おわりに
ふとゲーム内グローバルランキングの上位を眺めてみると、生存時間が1000秒以上といった歴戦の猛者の記録ばかりが目に入ってしまい、尻込みしてしまうかもしれません。ですが『Devil Daggers』は対戦ゲームではなく、“自らの限界”と戦うゲームです。限界を打ち破り、1秒、また1秒と生存記録を伸ばしていくことに、喜びを感じてもらえば筆者もまた嬉しいです。
2026年2月19日に、10周年を記念して『Devil Daggers 2』の開発が発表されました。前作と全く同じゲーム性になるのかなど、詳細は明かされていませんが、興味のある方は今のうちに前作をプレイして、次回作に備えておいてはいかがでしょうか。
『Devil Daggers』は、Steamにて定価999円で配信中。本記事執筆時点で「圧倒的に好評」をキープしています。











