危険を冒してでも大金を狙え!強欲さとスリルを味わうメトロイドヴァニア『ゴブリン ヴァイク:ヌスビトタイクーン』開発者インタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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危険を冒してでも大金を狙え!強欲さとスリルを味わうメトロイドヴァニア『ゴブリン ヴァイク:ヌスビトタイクーン』開発者インタビュー

少人数開発ならではの苦労や本作に込めた思いについて伺いました!

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危険を冒してでも大金を狙え!強欲さとスリルを味わうメトロイドヴァニア『ゴブリン ヴァイク:ヌスビトタイクーン』開発者インタビュー
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Art Thieves Game Studioは、5月1日に昼夜サイクルのあるメトロイドヴァニア『ゴブリン ヴァイク:ヌスビトタイクーン』をPC向け(Steam)にリリースしました。本記事では、開発元であるArt Thieves Game Studio(以下、Art Thieves)への書面によるインタビューをお届けします。

本作は、夜はダンジョンでのステルスアクション、昼は経営シミュレーションと異なるゲーム性を併せ持っています。このゲームの魅力である昼夜サイクルの経緯や、キャラクターなどのビジュアル面へのこだわりなど深掘りしてお聞きしました!

各々のプレイヤーに潜む感情を引き出すゲームに

――自己紹介をお願いします。好きなゲームも教えてください。

Art Thieves:皆さんこんにちは、私たちはArt Thievesです。スタジオ名は、芸術家ピカソの有名な言葉「Bad artists copy, good artists steal.」から取っています。名前の通り、私たちはピカソのように各作品の優れた部分を学び、“盗み”、それらを再構築して独自のスタイルへと昇華したいと考えています。

私たちは、プレイヤー自身が戦略を考える必要のある高難度ゲームが大好きです。例えば『Mark of the Ninja』、『Portal』、『メトロイド』シリーズなどです。もちろんソウルシリーズも大好きです。作中には「ミヤザキ」という狡猾なゴブリン盗賊NPCが登場しますが、これは宮崎英高さんへのオマージュです。

――このゲームのメインテーマである『強欲さ』を主軸にしたゲームを作ろうと思ったきっかけを教えてください

Art Thieves:ゲームを遊んでいると、プレイヤーによって「慎重に進めるか、それとも欲張って攻めるか」の選択が本当に違うことに気づきました。常に欲張ってリスクを取る人もいれば、とても慎重に行動する人もいます。私たちは、その違いをテーマにすれば、プレイヤーごとに異なる感情を引き出せる面白い作品になると思ったんです。

――昼は経営、夜は盗賊という構造はどのように生まれたのでしょうか?

Art Thieves:「強欲」というテーマが決まった後、それに合う立場について考えました。一つは悪徳商人、もう一つは盗賊です。そして「いっそ両方をやらせたら面白いのでは?」と思い、プレイヤーが盗賊でありながらずる賢い商売人でもある、という現在の循環型システムが生まれました。

――敵を倒すより盗む・逃げることに重点を置いた狙いは?

Art Thieves:率直に言うと、私たちは3人だけの小さなチームなので、戦闘を作り込んでもアクションの手触りやアニメーションを十分なクオリティにできないと判断しました。そのため、企画初期から“あえて戦闘を入れない”方向で進める覚悟を決めていました。テーマ的にも、プレイヤーは欲深い盗賊である以上、圧倒的な戦闘能力を持つべきではないと思っています。むしろ基礎能力が弱いからこそ、「危険を冒して大儲けを狙う」スリルが生まれるんです。

物語とシステムが同じ方向を向いたゲームを目指して

――ヴァイクというキャラクターはどのように生まれましたか?

Art Thieves:悪徳商人と盗賊という二面性を決めた時、自然と主人公はゴブリンになりました。ゴブリンは、世界中のプレイヤーが知っていて、「強欲」や「素早さ」と結び付けられる数少ない種族だからです。

ただし、従来のゴブリン像と一つ違う点があります。それは、ヴァイクをかなりイケメン寄りにしたことです。やはり、もしゴブリンを演じるなら、少しでも格好いいゴブリンをやりたいですからね。

――キャラクターデザインやイラストのタッチのこだわりを教えてください

Art Thieves:多くのプレイヤーが気づいている通り、私たちのイラストスタイルは有名な『HADES』にかなり似ています。実際その通りで、チーム3人の中にイラストレーターがいなかったため、立ち絵は外部イラストレーターに依頼しました。ただ、依頼時にどんな方向性を伝えるべきか分からず、お互いかなり悩んでしまったんです。するとイラストレーターから「いっそ具体的な参考スタイルを指定してください。その方向で描きます」と提案され、私たちは「HADES風でお願いします」と伝えました。

これは苦肉の策でもありました。というのも、私たちには専任のコンセプトアーティストがいないからです。実際、背景やキャラクター制作も『Dead Cells』風のアプローチを参考にしています。今後は専属のアート担当メンバーを迎え、さらに統一感と独自性のあるビジュアルを作っていきたいです。

――世界観で大切にしていることはなんですか?

Art Thieves:物語面で最も大切にしているのは、「強欲」というテーマへの一貫した向き合い方です。私たちは、プレイヤーの感情を動かすには、物語とゲームシステムの両方が同じ方向を向く必要があると考えています。ゲーム内では、プレイヤー自身が常に「もっと欲張るか、それとも引くか」という選択を迫られますし、NPCたちもそれぞれの物語の中で、「欲に飲み込まれるのか、それとも欲望に抗うのか」という決断をしていきます。

――ダンジョン内や店内の雰囲気がとても好きです!特に注目してほしいポイントはありますか?

Art Thieves:ぜひダンジョン探索では慎重に行動してください。ダンジョンには多くの財宝がありますが、それ以上に陰険な罠が待ち受けています。一瞬の油断で命を落とすこともあります。宝を手に入れた時こそ忘れないでほしいのです、本当に重要なのは、生きて店まで帰ることだと。

小規模チームだからこそ実現できた自由な発想

――今作が記念すべき一作目ということで、少人数開発だからこそ活かせた強み、また苦労した点はありますか?

Art Thieves:小規模開発最大の強みは、「制約がないこと」です。『ゴブリン ヴァイク』には大胆で革新的なアイデアが数多く入っていますが、以前勤めていた大手ゲーム会社では(私と共同創設者はそこで出会いました)、こうしたアイデアは「市場実績がない」という理由でまず通らなかったと思います。ですが自分たちのチームなら、自由にアイデアを試し、リスクはあっても面白い設計に挑戦できます。

一方で、当然ながら人手不足は非常に大変でした。開発後半は朝から晩まで、一日十数時間働く生活が続きました。精神的にも肉体的にも非常に厳しかったです。正直、インディーゲーム開発は想像以上に大変でした。

――「これは絶対に入れたかった」というアイデアはありますか?

Art Thieves:昼間に価格を吊り上げて商品を売るシステムは、私たちが一年かけて磨き上げた要素です。当初の販売システムにはあまり特徴がなく、「欲深い商人らしさ」が足りないとずっと感じていました。悪徳商人というのは、常にもっと利益を得ようとします。しかし値段を上げすぎれば、交渉決裂のリスクも高まる。最終的に私たちはブラックジャックの仕組みを参考にし、現在の「価格吊り上げ販売」システムを完成させました。このシステムは本当に自信作なので、ぜひプレイして「自分は悪徳商人だ!」という没入感を味わっていただきたいです。

――昼夜でゲーム性が変わるというなかなか珍しいシステムだと思いますが初めて遊ぶ人に注目してほしいポイントを教えてください

Art Thieves:私たちは、すべてのゲームプレイが同じテーマに結びついていれば、それは自然で調和の取れたものになると考えています。プレイヤーは盗みでも販売でも、常に「もう少し欲張るべきか?」という選択に直面します。その時に忘れてほしくないのは、欲には常にリスクと代償が伴うということです。強欲によって大金を得られることもありますが、すべてを失うこともあります。運が永遠に同じゴブリンに味方し続けることはありません。

――最後に、日本のプレイヤーへメッセージをお願いします

Art Thieves:日本のプレイヤーの皆さま、本当にありがとうございます。『ゴブリンヴァイク』は少し変わったゲームです。きっと刺さる方もいれば、独特に感じる方もいると思います。

ですが、この作品を通して「強欲」というテーマについて少しでも考えたり、共感したりしていただけたなら、私たちにとってこれ以上嬉しいことはありません。

チーム初作品ということもあり、至らない部分も多々あると思いますが、ぜひ温かく見守っていただければ幸いです。これからも努力を続け、さらにユニークな作品を皆さまに届けていきたいと思っています。


『ゴブリン ヴァイク:ヌスビトタイクーン』は、PC(Steam)向けにて配信中。ぜひチェックしてみてください!

ライター:Tanba,編集:みお

ライター/エビチリよりもエビマヨ派 Tanba

インディーゲームを愛でながら生きてる新米ライター。特にノベルゲームやADV、謎解きが好き。重ためのストーリーと綺麗なグラフィックに心を持ってかれがち。デザイン・イラストの制作もしてます。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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