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日本語対応!知る人ぞ知る宇宙艦隊戦マニア向けストラテジー『NEBULOUS: Fleet Command』アップデート版プレイレポ

遠い宇宙、はるか未来の架空戦記シミュレーション。待望の日本語化。

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知る人ぞ知る宇宙艦隊戦ストラテジー、『NEBULOUS: Fleet Command』が2026年5月29日の大型アップデートで日本語対応します。3D空間戦闘+軍艦シミュレーターという難解なゲームが遊びやすくなりました。

本稿はメーカーに提供いただいたプレスキーで、大型アップデートの目玉となる「キャンペーンモード 第1章」(以下、キャンペーン)の内容をお届けします。

本作は2022年2月にSteamで早期アクセスを開始しました。開発元Eridanus Industriesは本作が処女作で、本作1本に注力しつづけています。販売元Hooded Horseは日本語圏でストラテジーゲームのサポートに定評があります。現時点は一部のテキストが未翻訳ですが、今後のアップデートで翻訳が進むでしょう。

これまではゲームモードがスカーミッシュのみしたが、キャンペーンの追加でフルゲームに近いプレイアビリティとなりました。SF架空戦記の研究家だけでなく、ストラテジーのファンも、今回のアップデートを機会に本作の名を覚えてください。

本稿執筆にあたり8時間プレイしました。内、4時間はチュートリアルに充てています。3D空間戦闘+軍艦シミュレーターという難解な内容ですが、日本語対応のおかげで理解しやすかったです。

チュートリアルはミリタリーSFのフレーバーで知的好奇心をくすぐります。ポイントディフェンスミサイルは巡航ミサイルを撃ち落とすためにある。レーダーを停止し艦隊間隔を広げると敵の索敵を阻害できる。などなど、SF架空戦記モノで聞き覚えがある兵器運用が心を惹きました。

キャンペーンはプロローグの手書きムービーで世界背景を明かします。キャンペーン中はゲーム実画面のカメラワークを用いたスペースオペラのビジュアルで目を喜ばせます。敵宙域へワープアウトした軍艦を、なめるようにカメラがズームインして記章を捉えるシーンは心がたぎりました。こうしたエンターテインメントに注力したのはうれしかったです。

率直な感想は「プレイヤーに素養を求めるゲームだ」です。宇宙で艦隊戦をやりたい、それもミリタリーSF調にやりたい人はマストバイだと請け合います。

戦闘パートは艦船の動きが遅く、耐久力もあり、ゆったりしたゲームに見えますが、操作と思考の密度が濃くゲームテンポにマッチしています。マウスクリック数は多めです。ユニット移動ひとつとっても、3次元座標の指定となり2クリックを要します。この座標指定は本作の核である3D空間戦闘が由来ゆえ、慣れるしかありません。

戦闘指示の項目もたくさんあります。攻撃と事前のロックオン。電子戦とレーダーのバースト。ポイントディフェンスの厚さの指定。巡航ミサイルの経路指定や艦載機の発進/着艦。それら戦闘指示の判断に用いる情報も量が多いです。ユニット選択ショートカットやカメラズーム、戦術ビューの切替え、といったキーボード操作を活用します。片手ではプレイできない、腰をすえて向き合わねばならない、これぞシミュレーター路線だと感じました。

詳細は後述しますが、キャンペーン第1章は敵宙域深部を進軍します。修理・給油・補充が現地調達ゆえ万全の状態で交戦できない、というシチュエーションでプレイングの上達度をはかっています。また、敵宙域で散り散りとなった味方艦と合流して艦隊を強化する、という流れで段階的にゲーム要素を紹介しました。チュートリアルを終えた後にちょうど良い内容です。

先に述べたとおり、チュートリアルの完走に4時間かかるのでプレイヤーに素養を求めます。見方を変えたなら、チュートリアルの時点で気に入ったなら素養を満たすといえるでしょう。購入を検討する方はsteamのデモ版で試遊することを強く勧めます。

以下で、キャンペーンの概要と戦闘パートの見どころを紹介します。ストーリーはシェルター同盟(以下、同盟)の宙域辺境部、外縁星系保護領(以下、保護領)の独立から始まります。

紛争は数か月膠着し、同盟軍は全軍の半数を投入する大作戦で決着を狙いました。プレイヤーは大作戦をサポートする陽動隊の司令官となり、保護領宙域の艦船生産星系に攻撃を仕掛けます。

しかしハイパースペースの悪路に飲み込まれ、旗艦の空母と護衛のフリゲート2隻だけとなってしまいました。敵星系で散り散りとなった戦力を再集結し、星系の向こう側にある生産工場を攻撃する、決死の作戦に挑みます。

第1章とありますが、キャンペーンはボリュームがたっぷりあります。全17ステージの構成で、それぞれ専用の新規マップを採用しました。本作のゲームテンポを加味すれば、プレイ時間は10時間以上あるでしょう。

艦隊状況はステージ間で継続し、修理回数や燃料に限りがあります。ステージは大きく3つのエリアに分かれ、各エリアにはボスステージが待ち構えます。このサバイバル要素を通じて腕前を磨くつくりとなります。

ステージはイントロ、アウトロ付きです。士官の会話シーンは実ゲーム画面のカメラワークを用いたシーンが入り、ブリーフィングを盛りあげます。ステージ内でもストーリー色を出したスクリプト型イベントが用意してあります。孤立した味方艦の救出や、至近距離からの奇襲を迎撃する、といったスカーミッシュにはない作戦目標が目白押しです。

ゲーム難度は3段階あり、イージー・ノーマル・ハードがそれぞれ初心者・中級者・上級者向けに該当します。キャンペーンのCo-oPプレイ対応はユニークなつくりだと思いました。ボイスチャットで連携を取るPvEとしてもよし、新米司令官+教導員の組合せも面白そうです。チュートリアルを終えた初心者が次に触るゲームモード、という位置づけですがボリュームとやり込み度はフルゲーム相当だと感じました。

今回のアップデートでエンターテインメントや親しみやすさを大きく改善しましたが、『NEBULOUS: Fleet Command』の魅力は難解な戦闘パートです。ミサイルとビームと砲弾、艦載機や対空砲が飛び交うビジュアルを眺め、満足できる戦果を得てうなずく。この、司令官のロールプレイが本作の見どころなのです。

先に有効火力射程でロックオンして撃つ。電子戦をかけてからミサイルをたたき込む。こうした勝ち方が思いついても、索敵・占位・斉射は思い通りになりません。そのもどかしさを軍艦シミュレーターごしに味わい、艦隊司令官のロールプレイをひきたてます。

戦闘ルールの特徴は大きく分けて2つ、索敵とダメージコントロールです。まずは索敵から紹介します。軍艦は足が遅く、航路を急に変更できません。機動力で数量差をカバーできないため、障害物や索敵しづらい艦で敵の虚を突き集中砲火を浴びせる戦いとなります。これはレーダー係、砲撃係、ミサイル係といった艦隊内の役割分担につながります。

次にダメージコントロールです。本作はユニットのHPバーがありません。艦船のモジュールがダメージを受けて故障し機能を失います。故障艦が多発する撃ち合い時に、失った機能を他の艦船でカバーし、敵艦隊よりも長く戦力を維持するのも艦隊運用の肝となります。

先にあげた2点は言葉の説明こそ簡単ですが、行動するのは難しいです。ここでシミュレーター路線の出番となります。本作はできることのディテールが驚くほど細かく用意してあります。その中からプレイヤーがわかること・できることを組合せ、プレイヤー自身で得意戦術をつくるのです。

できることをひとつずつ増やしていくのが上達につながると感じました。艦船の移動は最たる例です。最初は狙った場所に動かすのもままなりません。しかし、移動命令は実行回数が多いので次第に慣れていきます。「やった、思った場所に移動できたぞ」と、わずかな上達を自分で見つける喜びが、やがては得意戦術となる行程を楽しめました。

最後に本作の開発進捗をお伝えします。早期アクセス開発の終了日は現在未定です。現時点で告知済みの実装予定項目は、キャンペーンモードの続きと第3勢力の2項となります。未完成とはいえ、本稿で紹介したとおり現バージョンはフルゲーム相当の内容で、製品版を待たずとも満足いくまでのめり込めると約束します。今回の大型アップデート告知トレイラーが琴線に触れた方、宇宙艦隊の司令官になりたい方は是非手に取ってください。

《野村光》

宇宙とSFとストラテジーと格ゲーが好きです。 野村光

ゲームレビュアー。2014年に商業誌デビューし、11年かけてレビュー・インプレッションを200本執筆。オールタイムインベストは『New Space Order』。

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