
韓国×ゲームと聞けば、多くの方は「PCゲームやeスポーツが人気」というイメージを思い浮かべ、そのイメージを支える施設「PCバン」も耳にしたことがあるのではないでしょうか。「韓国の学生は放課後になると皆でPCバンに通ってゲームを……」なんてエピソードもよく聞かれます。
今回は、そんな“ならでは”の文化を本格的に体験できた期間限定イベント「K-GAMING BASE : 韓国PCバン体験展示」の模様をレポートいたします。
韓流PCバン飯を実食! 貴重なユニフォームの展示も
訪れたのは大阪市北区にある「駐大阪韓国文化院」。その名の通り、韓国文化の発信を通じて日韓交流の支えとなっている施設です。普段はハングル教室や伝統衣装の展示などを通じ、歴史的文化に触れられる機会を提供しています。
そんな「駐大阪韓国文化院」では不定期でK-POPやウェブトゥーンと言った最新のカルチャーにフォーカスしたイベントも行われており、今回の「K-GAMING BASE」もその一貫。
建物の一階にPCとチェアやデバイスが設置された座席が設けられ、ゲーミングな雰囲気のライティングが良い雰囲気を醸し出していました。

PCには『リーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)』『VALORANT』など人気のeスポーツタイトルがインストールされており、自分のアカウントで気軽にプレイできます。よくPCバンは日本のネットカフェにも例えられますが、漫画などは置かれておらず、より高性能なPCでゲームに特化した設備が印象的です。

また、5月22日から3日間、京都で開催されていた日本最大のインディーゲームイベント「BitSummit」との連動企画として、同会場へと出展されていた韓国発のインディーゲーム『MONOWAVE』『アーキタイプ・ブルー』などもインストール済みでした。
多くの気になるタイトルを気軽に体験でき、一つのタイトルを最後までクリアすれば景品が貰えるキャンペーンも実施されていました。

そしてPCバン文化で忘れてはいけないのが、グルメの存在です。
現地では“PCから注文すると座席まで食べ物を配達してくれる”システムが当たり前で、お手軽なスナックから調理が必要なものまで、気分に合わせて飲食を楽しめるのが大きな魅力。今回のイベントでもラーメンや「ボンボンジュース」など、韓国の定番メニューがラインナップされていました。

筆者は、担当者の方におすすめしていただいた「チャゲチ」を注文。これは「辛ラーメン」などで知られる韓国の食品メーカー「農心(NONGSHIM)」が販売する大人気インスタント麺「チャパゲティ」に、卵(韓国語で「ケラン」)とチーズをトッピングしたメニューで、頭文字を取って「チャゲチ」と呼び親しまれている超定番メニューなのだとか。
飲み物は氷(オルム)にバッカスというエナジードリンク系の飲み物、サイダーを混ぜた「オルバクサ」もこれまた定番らしいので、合わせて注文します。キッチンで調理して提供されるPCバンを再現しているため、今回も建物内のキッチンでしっかり調理して席まで持ってきていただけました!

さてお味の方はと言うと……程よくジャンキーで美味しい~!!
「チャパゲティ」は濃厚で甘辛めな味付けのジャージャー麺で、やや太めの麺がかなりモチモチでした。卵との組み合わせも相まって「ゲームしながら食べたい麺」という感じの背徳感があり、オルバクサもエネルギー系飲料の王道を行くサッパリ感で、暑い時期には最高のメニューです(取材日は夏日でした)。
本場のPCバンは時間ごとに利用料が必要になりますが、調べてみたところ1時間で日本円にして150円前後、筆者が注文した飲食をプラスしても600円程度が相場という破格のコスパも広く親しまれている大きな要因。そりゃあ学生は通いますよね。
ちなみに、本イベントはなんと利用料も食事も無料。非日常な経験も含めて、めちゃくちゃお得に感じられました。

また、会場内では韓国のゲームとeスポーツ文化の歴史や成り立ちが学べる資料や、前回のアジア競技大会で優勝した韓国チームのサイン入りユニフォームも展示されています。
eスポーツ界のアイコンとして知られる『LoL』プロプレイヤー・Faker選手のサインも拝むことができ、普段は中々揃うことのないメンバーで構成されたナショナルチームのサインとあって、ファンであればこれだけでも見に行きたいほど貴重さと言えるでしょう。

ピザ窯も登場!? 競争が激しく人気なPCバン
会場では今回のイベントの背景について、駐大阪韓国文化院より院長のキム・ヘスさん、そして文化事業部のジャン・ユンジョンさんにお話を伺いました。
――今回の「K-GAMING BASE」イベントのきっかけを教えていただけますか?
キムさん:今年は愛知県でアジア競技大会が開催され、eスポーツも正式競技に10種目採用されています。私たちも関連して何かできないかと考えて、最初に「日韓eスポーツ交流戦」を企画しました。
キムさん:それだけではなく。「韓国ではどういう風にeスポーツやゲームが楽しまれているのか」を少しでも紹介できればとも思いましたし、最近はYouTubeなどでPCバンでの食事文化も少しずつ知られていると感じたので、ここにPCバンを作ってみようと考えました。
「やるなら本格的に」ということで、同じ大阪で韓国の食べ物を紹介している機関とも手を組んで準備してきました。何より、担当者がゲーム好きだったことが一番の原動力でした(笑)。

――そうだったんですね。これだけ韓国のお菓子や食品が並んでいるのは圧巻です。ライティングや内装もかなり本格的に見えますね。
キムさん:そうですね。ただ、最近はもっと明るいPCバンも増えているので、こういったムードは少しレトロかもしれません。
設備もPCやチェアは高性能なものにすることにも気を使いましたし、PCに入っている注文システムは本場で使われているものとまったく同じですね。

――本国のPCバン事情についても少し教えていただけますか?
キムさん:ラーメンや「ジャケチ」などインスタント麺を使ったメニューが定番ではありますが、最近は珍しいメニュ-でアピールするのがひとつの競争点になっていまして、「サムギョプサル定食」や丼もののメニューを出すところも増えているんですよ。
そうしたグルメも話題になりますし、明るい内装の店が増えたことでゲーム好きだけが集まる場所ではなく、映画やYouTubeを観るためや、カップルで食事を楽しむデートの場としても利用されるようになっています。
――韓国の方にとっては本当に身近な存在なんですね。
ジャンさん:そうですね。競争と言えば、韓国でも有名な食品会社の農心さんは「Nongshim RedForce」というeスポーツチームを持っているだけでなく、PCバンも経営しています。最近はキッチンに本格的なピザ窯を設置して話題にもなっていました。
キムさん:どこまで行くんでしょうかね(笑)。

――それは驚きですね(笑)。
ジャンさん:以前は韓国でeスポーツと言えば通信会社が有名でしたが、個人的には最近は農心さんが強い存在感を発揮していると感じますし、飲食業界との繋がりも大きなポイントになっていくのではないでしょうか。
――ゲームをする場所というだけでなく、食事をする場所としても親しまれているからこそですね。最後に、今後の展開などあればお願いいたします。
キムさん:今回は特別な機会でこうしてPCバン体験イベントを行いましたが、「駐大阪韓国文化院」では美術の展示や大衆音楽の公演など、普段から色々な取り組みを行っています。
去年はウェブトゥーンの関連展示を行いましたし、今年はこうしてeスポーツの展示をやりましたので、来年もまた一つはこうしたコンテンツ系の展示が出来ればと思っています。韓国のカルチャーに興味がある方は、ぜひ注目してください。
「駐大阪韓国文化院」による体験イベントとして、5月22日から30日までの期間限定で大阪に登場したPCバン。かなりゲームに特化した施設になっており、本場韓国にはもっと大きな施設が約8,000店舗(最盛期には20,000店舗もあったのだとか)もあるというのですから、どれだけ文化を支えてきたかがうかがえます。
いつかは韓国へと赴いて、本場の最新グルメを体験してみたいものですね!













