気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Sad Cat Studios開発、PC/Xbox Series X|S向けに4月14日にリリースされたサイバーパンク2.5Dアクション『REPLACED』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、鮮やかなピクセルアートで構成されたサイバーパンクアクションゲーム。舞台は、核の炎によって姿を変えた架空の1980年代アメリカにあるフェニックス・シティ。人間の体に閉じ込められたAIの「R.E.A.C.H.」と共に、街を牛耳る巨大企業フェニックス・コーポレーション、そして自分が作り出された真の理由に立ち向かいます。日本語にも対応済み。
『REPLACED』は、2,200円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Andreiこんにちは。『REPLACED』のリード・ナラティブデザイナーを担当するAndreiです。
Kristinaリード・ライターのKristinaです。お話しする機会をいただき、光栄です!
Andrei一番好きなゲームとは、いきなり一番難しい質問が来ましたね!(笑)ここ数年、個人的に大好きなジャンルはメトロイドヴァニアやソウルライクなのですが、子供の頃は昔ながらの『ソニック』シリーズを遊んで育ちました。人生で初めて心の底から夢中になったゲームは、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』です。ゲームプレイ、ステージデザイン、アート、そして物語の断片に至るまですべてが大好きで、何度も何度も繰り返しプレイしました。今でもあのゲームはほぼ完璧な作品だと思っています。
Kristina私はゲームプレイの中に膨大なテキストが組み込まれている作品が大好きです。例えば『ペルソナ』シリーズや『The Elder Scrolls』シリーズですね。一見すると、この二つは全く真逆の作品ではありますが。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Kristina数え切れないほどの議論と激しい言い争いを経て、本作のアイデアを形にしていきました(笑)。クラシックなSF小説や80年代の映画、音楽、そしてゲームなど、インスピレーションの源は無数にあります。しかし最終的に私たちを突き動かしていたのは、「現代的な解釈のサイバーパンク」ではなく、原点により近いものを描きたいという強い衝動だったのです。
Andreiプレイヤーの皆さん一人ひとりが、本作において自分だけの面白さやユニークな要素を見つけてくれたら嬉しいですね。スタジオのメンバー全員が「自らの限界を超える」という想いで開発に挑みましたが、やはり一番の見どころは、アートとシネマティックな演出へのアプローチです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Andrei本作のシネマティックな演出は、主に「ブレードランナー」の世界観から大きな影響を受けています。ゲームプレイ面では、『アウターワールド』や初代『プリンス・オブ・ペルシャ』のような、昔ながらの2Dアクションをお手本にしました。ストーリーに関しては、ウィリアム・ギブスンやフィリップ・K・ディック、ロバート・A・ハインラインの小説、そしてハリイ・ハリスンの持つ少し楽観的なアプローチにインスパイアされています。
ただ、本当のことを言うと私はかなりシンプルな人間なので、「ターミネーター」や「ロボコップ」のような、ストレートでダイナミックな物語にしたいという想いもありました。
Kristina私たちは「現実の歴史」からも多くのインスピレーションを得ています。時に現実は、どんなフィクションよりも魅力的ですから。それに、Andreiはものすごい歴史オタクなのです!そのため、本作は彼にとって、すべての出来事にリアルさと説得力を持たせながら「IFの歴史」を構築していく作業は、最高にエキサイティングな挑戦だったのです。
ちなみに私個人としては、80年代の音楽からも刺激を受けました。アメリカの音楽だけではありません。ゲーム内のテキストのどれほど多くが、亜蘭知子さんの曲を聴きながら書かれたのか、皆さんには想像もつかないと思います!

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Kristina個人的に最も記憶に残っているのは、物語の鍵となる「テンペストの列車」にまつわるエピソードです。今でこそストーリーの極めて重要な要素になっていますが、元々は本作のリード・環境アーティストが空き時間に趣味で作った単なるアセットに過ぎなかったのです。
それをどうやって『REPLACED』の世界に違和感なく組み込むかを話し合っているうちに、プロットのいくつかの重要なポイントが変更され、最終的には初期の構想よりも遥かに素晴らしい物語へと進化しました!
Andreiスタジオ全体としての最も重要で忘れられない瞬間は、イベントでメディアや一般の方々に本作をお披露目できた機会の数々です。自分たちの作品が、単に「美しい絵や動画」ではなく、しっかりとしたゲームプレイを備えた「本物のゲーム」であることを証明できるチャンスでした。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Kristinaかなり賛否両論なフィードバックを受け取りましたが、その覚悟はできていました。あらゆる意見が私たちにとっては貴重なものです。それこそが、開発チームの一人ひとりが手がけた個別の仕事が、ゲーム体験全体の欠かせない一部としてちゃんと見出され、認められたという証拠だからです。
私たちナラティブ部門が特に熱心に目を通したのは、「他の同僚たちの仕事」に対するフィードバックでした。少し奇妙に聞こえるかもしれませんが、結局のところ、私たちが書いた物語や世界に命を吹き込み、現実のものにしてくれたのは、アニメーターやアーティスト、そしてシネマトグラフィを担当した仲間たちだからです。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Andreiすでに、戦闘システムやプラットフォームアクションの改善、そして快適性の向上を含む、いくつかのパッチをリリースしました。とは言え、できるだけ多くのプレイヤーの皆さんに本作を楽しんでもらうために、まだ対処すべき細かな課題は残っています。
実は、『REPLACED』の体験をさらに大きく広げていくような、大規模な計画をいくつか進めています。残念ながら、今の段階ではこれ以上詳しくお話しすることはできませんが!
――本作の日本語対応について教えてください。
Kristina現時点ではキャラクターボイスがありませんが、日本のプレイヤーの皆さんがご自身の母国語でしっかりと没入感を得られるよう、すべてのテキストが完全日本語ローカライズされています。私たちはRiotLocのローカライズチームと密に連携を取り、ストーリーの背景や文脈といった、翻訳において重要になり得るあらゆるディテールを徹底的に突き詰めました。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Kristinaはい、もちろんです!私たちにとって、より多くの人に本作を知っていただくことは良いことですので。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Andrei実は『REPLACED』の実機でのゲームプレイや、いくつかの短い映像を世界で初めて一般にお披露目した場所こそが、他ならぬ「東京ゲームショウ」でした。日本のプレイヤーを含む、会場を訪れた多くの来場者から非常にポジティブな反響をいただくことができ、それが本作の開発を進める大きな自信に繋がったのです。
私たちのチームには、日本の伝統文化から現代のポップカルチャーに至るまで、日本が大好きなメンバーがたくさんいます。だからこそ、私たちが魂を込めて作ったこの作品という「私たちの一部」を、日本の皆さんに楽しんでもらえる機会を持てたことに、心からワクワクしています。
それでは、フェニックス・シティでお会いしましょう!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








