パブリッシャーSerenity ForgeのCEOジェンホア・ヤン(Zhenghua Yang)氏は、海外メディアGame Fileのインタビューにて“物理メディアの価値”について言及しています。
「パッケージ版は私たちにとって、単なる“販路”ではない」―ジェンホア・ヤン氏が語るパッケージ版の価値と需要
Game Fileはインタビュー記事の冒頭、2028年1月以降にPlayStation向け物理メディアが廃止される話題について触れつつ、テイクツーをはじめEAやユービーアイ、カプコンなど大手のパブリッシャーが口を閉ざした状態である現状を指摘しています。
一方でコレクターズアイテムを手掛けるパブリッシャーのiam8bitなどは発表に対し、“深い失望”を表明したことにも言及していました。
そんな状況があるなか、『ドキドキ文芸部プラス』や『NEEDY GIRL OVERDOSE』の海外パッケージ版、そして8月にリリースが予定されている『妹、他者、パラノイア』などのパブリッシングを担当するパブリッシャーのSerenity Forgeが、Game Fileの取材に応じています。
インタビューではSerenity Forgeの創設者でありCEOのジェンホア・ヤン(Zhenghua Yang)氏が話題の物理ディスク廃止について語りました。
インタビューのなかでヤン氏は自社のようなパブリッシャーにとって、いかにパッケージ版や物理ディスクという存在が重要かを述べています。「パッケージ版は私たちにとって、単なる販路のひとつではありません」と語り、“世界中のより多くの人々に意義のあるゲームを届ける”というSerenity Forgeのミッションにとっても重要であることを強調。
さらにヤン氏は、パッケージ版はデジタル版では届きにくい層へアプローチをするためにも役立つと語っており、ウォルマートやGameStopなどの小売店で見かけたり、プレゼントとして人に贈ったり、ネット環境が限られた地域や、永続的な芸術作品などあらゆる観点でメリットがあることに言及しています。


Game Fileは物理ディスクの需要をめぐる話題について、各地域によって差があることを指摘。日本は依然として物理メディアに対する愛着が強い地域として挙げられているほか、オーストラリアやアフリカではインターネットの通信料金が高く設定されているため、容量の大きいデジタル版よりもディスクを好む傾向があるようです。
しかし、昨今のタイトルではディスクだけで収まらず、結局は追加のダウンロードが必要であるという問題点も存在します。
Serenity Forgeにとっても、地域や作品による需要の差があるようです。ヤン氏は「アジアや北米地域では今でもパッケージ版の需要が見られ、ヨーロッパはやや低めですが、具体的な割合はタイトルに大きく依存します」と述べ、地域によってファン層が異なるゲームも存在するため、カタログ全体の作品で傾向を一般化するのは難しいと補足しています。
DL版との相互補完の関係や、SIEの姿勢についてもヤン氏が見解を示す

インタビューのなかでヤン氏はパッケージ版の需要や価値だけでなく、デジタル版についても自身の見解を示しています。デジタル版にはメリットも存在するとし、デジタル配信によってゲームがより手軽に入手できるようになったことで、業界の成長やプレイヤー層の拡大に貢献してきた背景があるようです。
パッケージ版については「デジタル版とパッケージ版は競合関係ではなく、相互に補完しあう関係だと捉えています」と述べ、「この両方を組み合わせることで、より多くのプレイヤーにアプローチでき、より多くの人に意義のあるゲームを届けられる手助けになるのです」と、自社のミッションを交えながら語っています。

そのほか、物理ディスクの廃止を進めるSIEに対して言及する場面も。ヤン氏はソニーの判断に対し、「プラットフォームの提供者は皆、製造コストや物流、消費者の動向などに基づいた長期的な意思決定を行わなければなりません」といい、「ソニーがこれらの要素すべてを、慎重に検討したことは間違いないでしょう」との見方をしているようです。
「パブリッシャーとしてSIEに何かアクションを起こすのか?」という質問に対しては、「他の方々が言っていること以上に、私から言えることは特にないと思います」と回答。
「最終的にこれはソニー自身が下すべき判断です。私たちの責任はそれに適応し、プレイヤーに貢献し続け、意義のある作品を届けるための新しいアプローチを探し続けることだけです」と語り、改めて自社のミッションを念頭に、目標を達成するためにあらゆる手段や努力を続けていく姿勢を明かしています。












