
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は9月1日、「カスタマーハラスメントに対する基本方針について」を公開しました。
社員の安全を守るため、顧客対応の制限・中止も
この基本方針は、PlayStationサポートのページ内で公開されたもの。冒頭では、顧客が安心して製品・サービスを利用できるよう誠実な対応に努め、寄せられた声をサービス向上へ活かしていく姿勢が示されています。
そのうえで、社会通念上相当な範囲を超えた言動や要求といったカスタマーハラスメントによって、社員の人格や安全が脅かされることがあってはならないと明記。そうした行為には毅然と対応し、顧客と社員の双方を尊重しながら、健全で持続可能な関係の構築を目指すとしています。

カスタマーハラスメントの例として挙げられているのは、以下の8項目です。なお、これらに限られるものではないとの注記も添えられています。
執拗に繰り返される、あるいは長時間に及ぶ要求
過剰または不合理な補償・謝罪の要求
暴言、脅迫、中傷などの言動
商品やサービスと関係のない要求
威圧的な態度や土下座の強要
差別的または性的な言動
社員個人に対する攻撃や要求
許可なく当社のオフィスや関連施設へ来訪し、面会や対応を求める行為
対応方針としては、カスタマーハラスメントにあたる行為が確認された場合、社員の安全を守るために顧客への対応を制限・中止することがあるとしています。さらに同社が必要と判断した際には、警察・弁護士等と連携したうえで、法的措置や刑事手続を含めた対応を検討するとのこと。
締めくくりでは、すべての顧客が安心してサービスを利用できるようにするため、そして社員が健全に働ける環境を守るため、基本方針の内容に理解を求めています。
方針を表明するゲーム企業は増加傾向
カスタマーハラスメントへの対応方針を打ち出す動きは、ゲーム業界全体で広がりを見せています。
2025年1月にはスクウェア・エニックスが「カスタマーハラスメントに対する対応方針」を公開。2026年4月には、同社社員および『ファイナルファンタジーXIV』関係者の社会的評価を低下させる内容の動画を動画共有サイトで公開していた人物と、謝罪や解決金の支払いをもって和解に至った事例も明らかになりました。
2025年7月には、カプコンが「カスタマーハラスメント(誹謗、中傷等)への当社対応について」を公開。当時ユーザーからの批判が集まっていた『モンスターハンターワイルズ』の公式Xでも、節度ある言動を呼びかける投稿が行われています。
直近では2026年5月に、アークシステムワークスが2025年3月制定の「カスタマーハラスメント対応ポリシー」と「ソーシャルメディアポリシー」を公式Xで改めて表明。その数日前には『ギルティギア』シリーズの公式Xも同様の内容を投稿しており、執拗な攻撃や誹謗中傷といった行為にはブロックや通報で対応する方針が示されていました。
なお、SIEが基本方針を公開した背景には、2026年10月1日に施行される改正労働施策総合推進法があるとみられます。同法の施行により、カスタマーハラスメント対策と、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が事業主の義務となるためです(厚生労働省のPDF)。今後はゲーム業界に限らず、同様の方針を公開する企業が続いていきそうです。
※UPDATE(2026年9月2日10時41分):本文を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。
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