Joker Studioが開発を手掛け、NetEase Gamesがパブリッシングを務める基本プレイ無料のオープンワールドRPG『シーオブレムナンツ(Sea of Remnants)』。
本作のgamescomでの試遊レポートでお届けした通り、ゴス/エモデザインに身を包んだクールな木彫り人形のキャラクターたちが幻想的な海を旅する物語や、美しい歌声とともに繰り広げられるマーメイドとのボス戦、そして会場で配布され大きな話題となったハムスターの巨大リュックサックなど、随所に強い印象を残す試遊/出展内容でした。
今回は、そんな『シーオブレムナンツ』の開発陣に実施したインタビューの模様をお届けします。プレイレポートで気になったあの演出やグッズの裏側、そして育成・マネタイズ・音楽といったゲームの根幹に関わる部分まで、じっくりと語っていただきました。
『シーオブレムナンツ』を貫くテーマは「終わりのない循環」と「忘却」
――gamescomの試遊だけでも、多彩な要素を一度に体験しました。これらすべてを貫く、本作の核となる一つのコンセプトがあるとすれば、それは何でしょうか?
Joker Studio:本作を貫く大きなテーマの一つは、「終わりのない循環」と「忘却」だと考えています。
プレイヤーの前には、未知に満ちた広大な世界が広がっています。ローグライクの循環型ゲームプレイの中で、冒険者たちは何度も海へと旅立ち、その繰り返される航海の中で仲間と出会い、やがてこの世界に隠された真実へと近づいていきます。
――まだ本作を知らない読者に向けて、「このゲームはこういう体験だ」と一言で表現するとしたら、どのように説明されますか?
Joker Studio:独自のスタイライズされたアート表現で描かれる広大な海洋世界を舞台に、ライトなローグライク要素とターン制バトルを楽しめるゲームです。
――会場では、御社のブースで配布されていたハムスターの巨大リュックサックを至るところで見かけました。gamescom全体を見渡しても、間違いなく最も目立ったノベルティグッズの一つだったと思います。このグッズは、どのようなアイデアから生まれたのでしょうか?
Joker Studio:あのバッグは、ゲームの世界観に登場する非常にユニークな存在、「ハム神」から生まれたものです。

本作の海洋世界では、海賊たちはハム神が幸運をもたらしてくれると信じています。冒険からたくさんの戦利品を持ち帰れるように、そして戦いの中でも幸運に恵まれるようにと願っているんです。そうしたゲーム内の世界観を、現実のグッズとして表現したものが、今回のハムスターのバッグです。
――gamescomブースでは、一般来場者の方々にも試遊いただいたと思います。実際にプレイヤーの反応を間近でご覧になって、どのような感触を得られましたか?特に印象に残ったプレイヤーの反応があれば教えてください。
Joker Studio:プレイヤーの皆さんと直接つながることができる機会は、私たちにとって非常に重要であり、同時にとても貴重なものです。特に今回のgamescomでは、世界各地から訪れたプレイヤーの皆さんと直接コミュニケーションを取ることができました。そこでいただいた反応や意見は、ゲームをさらに改善し、完成度を高めていくうえで非常に重要だと考えています。
特に印象に残っていることの一つが、人魚とのバトルに対する反応です。バトルデザインと音楽を組み合わせた演出を多くの方に気に入っていただき、私たちの意図したデザインがプレイヤーの皆さんにも評価されたことを、とても嬉しく、誇らしく感じました。一方で、そこからさらに踏み込んだ質問や意見も数多くいただきました。そうした声は今後の改善や最適化につながるだけでなく、私たちが目指している方向性への自信にもつながっています。

――ヨーロッパの来場者と、これまで接してきたアジア圏のプレイヤーとで、本作への反応に違いを感じることはありましたか?
Joker Studio:共通している部分は非常に多いと感じました。たとえば、スタイライズされたキャラクターデザインへの関心や好意的な反応、音楽に対する関心などは、アジア圏のプレイヤーと非常によく似ています。
一方で、比較すると海外のプレイヤーの皆さんからは、今後の開発ロードマップやローカライズの完成度など、ゲームの今後についてより踏み込んだ質問をいただくことが多かったように思います。そうした部分についても、現在積極的に開発を進めています。
「記憶」と「忘却」から生まれた、循環する育成システム
――本作の育成システムは、自由度の高いキャラクター育成が本作の大きな軸になっているという理解で合っていますか?その狙いについて教えてください。
Joker Studio:企画の初期段階から、私たちのチームには「何か新しいもの、これまでとは違うものを作りたい」という思いがありました。
そこから、木彫り人形という存在に「記憶」と「忘却」という要素を組み合わせるアイデアが生まれました。この組み合わせには自然と「繰り返し」という性質があり、そこからローグライクならではの循環型のゲームプレイも形になっていきました。
結果として、育成やゲームプレイの仕組みだけでなく、コンセプトや世界観そのものまでが、一つの循環の中で有機的につながったシステムになっています。
――本作のストーリーをクリア(エンディングに到達)するまでに、どれくらいのプレイ時間を想定していますか?また、アップデートによってストーリーが追加されることはありますか?
Joker Studio:本作には「忘却の旅」と呼んでいる、非常に明確なローグライクのメインループがあります。ゲームに慣れたプレイヤーであれば、この一回のローグライクサイクルを1時間ほどでクリアすることも可能です。
一方で、メインストーリーはバージョンの進行に合わせて順次解放されていく形になっており、かなり多くのコンテンツを用意しています。新しいバージョンでも、継続してストーリーコンテンツを追加していく予定です。

――NPCとの関係構築やミニゲームなど寄り道要素が豊富だと思いますが、そうした寄り道込みで「じっくり遊ぶ」場合、どれくらいの時間を見込んでいますか?
Joker Studio:ローグライクのメインループとは別に、本作には探索できる広大なオープンワールドと、さまざまなコンテンツを用意しています。そのため、すべてをじっくり体験しようとすれば、当然ながらより長い時間楽しんでいただけると思います。ただ、そうしたコンテンツは、プレイヤーの皆さんが自分のペースで楽しむために作っているものでもあります。
ゆっくり世界を探索したり、景色を眺めたり、音楽に耳を傾けたりと、どのように過ごすかはプレイヤー次第です。そのため、必要なプレイ時間についても人によって大きく変わると思います。
――本作は基本プレイ無料タイトルとのことですが、マネタイズの仕組みについて、現時点で開示できる範囲で教えてください。
Joker Studio:現時点では、主なマネタイズ要素として、スキンやバトルパスなどを予定しています。船員については、ローグライクコンテンツの終点から「忘却の海」へ入り、そこにある扉を通じて自分の船員を獲得する仕組みがあります。
プレイヤーは毎週1回、「忘却の旅」に挑戦して船員を獲得する機会があり、すべての船員が「忘却の旅」を通じて一定確率で入手可能になっています。それとは別に、ガチャを通じて船員を獲得する方法も用意しています。

100曲を超える楽曲と、キャラクターごとのテーマ曲
――本作は、音楽が非常に印象に残っている上、公開されている映像でもかなり音楽が重要視されていることがうかがえます。音楽ジャンルも多様だと思うのですが、ゲーム内で何曲くらい楽しむことができますか?
Joker Studio:音楽は、本作にとって非常に重要な要素です。私たちは、音楽そのものを『シーオブレムナンツ』を象徴するものの一つにしたいと考えています。ゲーム全体では、すでに100曲を超える楽曲が制作されています。
それらは拠点となる街やオープンワールド、バトル、キャラクター、各種システム、モンスターなど、ゲームのさまざまな場面や要素に合わせて使用されています。
――どのようなコンポーザーが参加していますか?
Joker Studio:音楽については、まず社内の経験豊富で優秀なアーティストたちが、ゲーム内楽曲の大部分を手掛けています。それに加えて、業界で活躍するさまざまな優れたミュージシャンやアーティストともコラボレーションしています。
私たちにとっても、そうした方々との制作は非常に良い刺激であり、交流の機会になっています。
――音楽を使ったゲーム内の特別な要素、遊びがあれば教えてください。
Joker Studio:音楽を活かした要素はかなり多くありますので、すべてをご紹介するのは難しいのですが、いくつか例を挙げます。
一部のイベントやオープンワールド内のコンテンツでは、ゲームプレイそのものと音楽を深く組み合わせた仕掛けを用意しています。
また、重要な島上戦闘のボスや海上戦闘のボスについては、それぞれのバトルのために一つの完整した音楽体験を設計しています。バトルのフェーズごとに楽曲の感情表現が変化したり、ボーカルや歌唱方法そのものが変化したりする場合もあります。gamescomで体験していただいた人魚とのバトルも、その一例です。
さらに、本作ではすべてのキャラクターにそれぞれのテーマ曲があります。「忘却の海」の扉の先で彼らと出会うことができたら、ぜひその音楽にも注目してみてください。

――今回の試遊では、マーメイドを撃破した後に「殺すか、逃がすか」という選択がありました。この選択は、その場限りの演出に留まるものなのでしょうか?それとも、後のストーリー展開やエンディングに影響を与えるものなのでしょうか?
Joker Studio:本作のローグライクのループそのものが、プレイヤーに何度も選択を求める構造になっています。選択の中には、その場の物語や演出を中心としたものもあれば、その後のプレイ体験を大きく変えるものもあります。
今回の人魚との戦いの最後に行う選択については、もともとローグライクの一周の最後に位置するボスであるため、ゲームシステム上、その後さらに大きな変化が発生するわけではありません。
ただし、物語という観点では意味があります。プレイヤー自身がこの物語の一員として、最後に自分の意思で結末を選択すること。それこそが、企画当初から私たちがこの場面で実現したかった体験です。
――12月に予定されているクローズドβテストでは、具体的にどのあたりの内容が遊べるようになるのでしょうか?
Joker Studio:現在も開発を急ピッチで進めている段階ですので、まだ確定していない部分が多くあります。ただ、私たちとしては、正式リリース時に提供する予定のコンテンツを、可能な限り多く今回のテストでもプレイヤーの皆さんに体験していただきたいと考えています。
『シーオブレムナンツ』はPC(Steam)/PS5/iOS/Android向けに、2027年基本プレイ無料でリリース予定です。









