2026年8月26日(水)~30日(日)にかけて、ドイツ・ケルンで世界最大のゲームイベント「gamescom 2026」が開催されました。
会場では、Joker Studioが開発を手掛け、NetEase Gamesがパブリッシングする基本プレイ無料のオープンワールドRPG『シーオブレムナンツ(Sea of Remnants)』の試遊を体験。
Joker Studioは『Identity V 第五人格』を手掛けたことで知られる開発スタジオ。今作は、多様な文化や勢力が交錯する海上都市「オーブトピア」を舞台に、記憶を失った人形のような船乗りが謎めいた少女とともに島々を巡っていく作品です。
『シーオブレムナンツ』で物語の起点となるのは、航海の果てにあるとされる場所そのものの名前でもある「忘却の海(シー・オブ・レムナンツ)」。ここに辿り着いた人形は記憶を失うとされており、記憶喪失の主人公が海賊の街「オーブトピア」に流れ着くところから物語が始まります。
戦闘は、地上でのコマンドバトルと、船の主砲を撃ち合う海戦の2本柱。コマンドバトルでは「デビルダイス」と呼ばれるスロットのようなシステムが戦闘にメリハリとランダム性を演出し、レベル差だけに頼らない駆け引きが楽しめる仕組みが特徴。
また、街の住人との交流も本作の大きな軸となります。300人を超えるNPCそれぞれと関係を築いたり、時には決闘で命を奪ったりすることもでき、その選択の積み重ねがマルチエンディングへとつながっていくとのこと。
麻雀や輪投げ、ガチョウレースといった多彩なミニゲームで遊べるほか、キャンプファイアでの料理・製薬、ビーチの椅子に座って音楽を聴くモードなど、寄り道要素の豊富さも過去のプレイレポートで高く評価されていました。

今回のgamescomでは、新たにマーメイドの大ボス戦を含むデモが用意されていました。以下、その内容をお届けします。
今回の試遊では、レベル20の4人パーティ、モリー、ザ・ストレイ・キャット、イザベラ、ハチェットを与えられた状態で、まずマーメイドの大ボス戦に挑み、その後に序盤の島を軽く探索する、という流れのデモを体験。
まず、このキャラクターたちの見た目が素晴らしいですよね。木でできたマネキンのようなボディをベースにした、ゴス/エモ系のデザイン。一見すると派手でキュートな印象を受けますが、細部からはダークな雰囲気がにじみ出ています。『Identity V 第五人格』から受け継がれてきた美意識が、海賊というモチーフを経て新たな形へと生まれ変わっているようです。

戦闘そのものは、スキルやアイテムを駆使して戦うオーソドックスなコマンドを使ったJRPG然とした作り。ただ本作ならではの魅力は、なんと言ってもその「音楽とテンポ感」にあります。
歌の入ったボーカル楽曲に乗せて繰り出される攻撃演出はとにかく派手かつリズミカルで、コマンドを選択するたびに小気味よく画面が切り替わっていくテンポ感は、まさに『ペルソナ』シリーズを彷彿とさせるものがありました。
バトル中は仲間同士の「連携攻撃」も可能で、片方の攻撃に続けてもう片方が追撃を仕掛けるような演出も確認できました。演出は繰り返し見るには少し冗長に思えるかもしれませんが、過去のプレイレポートの情報によると戦闘は飛ばすことができるとのことなので気にする必要はないでしょう。

そしてもう一つ、本作の戦闘を印象づけていたのが独自のスロットシステム「デビルダイス」です。単なる運試しというよりは、プレイヤーの操作介入によって戦闘にメリハリを生む仕組みとして機能していました。
このスロットを回すには専用のゲージを消費する必要があり、ゲージはターンごとに1つずつ溜まっていきます。ゲージ1本ごとに、最大3つあるスロットの目を1つずつ回すことができ、その合計値がダメージに反映される仕組みです。ここぞという場面までゲージを温存するか、それとも早めに消費して畳みかけるか──どこでこのゲージを切るかという駆け引きが、戦闘のテンポに緊張感を与えていそうです。
肝心のマーメイドとの大ボス戦は、彼女を守る2体の像を先に破壊しないと本体にダメージが通らない、という段階的な攻略が要求される内容。体力が減るごとにフェーズが変化し、序盤は美しく可憐な歌声とともに魅了するような攻撃を仕掛けてくる一方、体力が減った後半戦になると曲調が一転してメタル調になり、見た目も禍々しく変化していく、という劇的な演出の変化も見どころでした。
ボスを撃破した後には、彼女を「殺すか、逃がすか」という選択も用意されており、過去を垣間見せるフラッシュバック演出も相まって、思わず逃がすことを選んでしまうような、感情に訴えかける仕掛けも印象的でした(逃しちゃったんですけどこの世界、大丈夫ですか?)。

ボス撃破後には、宝箱から「ムネミコア(Mnemicore)」という素材も入手できました。ゲーム内の案内によれば、これは「ウィスパーシェル(Whispershell)」という別の素材と組み合わせることで、伝説の冒険者たちの記憶にアクセスし、その戦闘スタイルを習得できるという、本作の成長システムの核となる要素とのこと。それぞれの素材が異なる記憶を宿しているとのことで、組み合わせ次第でプレイヤーごとに異なるビルドを築いていけそうです。
実際にレベルアップのタイミングでは、3つの新スキルから1つを選び、すでに習得している既存スキルと入れ替える「Path Art」選択画面も確認できました。1回のプレイごとに手持ちのスキル構成が変化していく、ローグライク的なビルド要素も本作の奥行きを支えていそうです。

ボス戦を終えたのち、島の探索パートも少し体験できました。フィールド上を1人のキャラクターだけで自由に動き回れるようになっており、雑魚敵に接触するといわゆるシンボルエンカウント形式で戦闘に突入します。
戦闘以外の部分では、フィールド上に存在している「焚き火」に行くことによってプレイすることができる、休憩と料理を兼ねたミニゲームも体験できました。焚き火に座るとメニューが開き、これまでに集めた物資を消費することで、戦闘不能や体力が減った仲間を回復できる仕組みになっています。
さらに焚き火では「グリルマスター」という串焼き調理も可能。串に刺す具材は1~3種類まで自由に選べ、素材は島での採集や釣り、あるいは野生動物の口から奪い取るなど、様々な方法で入手できるとのこと。誰が調理を担当するか、どの具材を使うか、そして火にかける時間によって出来上がる串焼きの効果が変化するとのことで、ちょっとしたクラフト要素としてもよく作り込まれている印象を受けました。
しかもこれ、焼きすぎると焦げてしまうんです。ただでさえゲームとしての情報量が全体的に凄まじいのに、このような細かい箇所まで作り込むという徹底ぶり。隅々まで気の利いたデザインで埋め尽くされているのが、『シーオブレムナンツ』の注目ポイントなのです。

全体を通して、キャラクターデザインや世界観の作り込み、そして何より音楽の存在感が際立つ試遊内容でした。海賊/人形というモチーフや、『Identity V 第五人格』から続くゴス/エモ系の美意識のおかげで、昨今のこの手のゲームにありがちな「アニメ然とした」画作りとは一線を画す独特のビジュアルにも仕上がっており、今後の展開が気になるタイトルです。
そんな本作の魅力は、会場のブースからも存分に伝わってきました。ひときわ目を引いたのが、まさに今回の試遊デモでも戦うことになった巨大なマーメイドをかたどったオブジェ。ブースの中心に堂々とそびえ立ち、多くの来場者がその存在感に足を止めて写真を撮っていました。

会場には多数のコスプレイヤーも登場しており、本作のキャラクターたちに扮した姿でブースを盛り上げていたのも印象的です。
さらに配布されていたハムスターの巨大なリュックサックを背負って会場を歩く来場者の姿もあちこちで見かけ、gamescom全体を見渡しても指折りの目立ちっぷりだったのではないでしょうか。

『シーオブレムナンツ』はPC(Steam)/PS5/iOS/Android向けに、2027年基本プレイ無料でリリース予定です。











