日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit the 13th(以下、BitSummit)」が、2025年7月18日から20日にかけて京都みやこめっせで開催されました。
会期中にはBitSummit出展の中でもっとも優秀な作品に贈られる賞(『ラタタン』が受賞!)や、Game*Sparkをはじめとする各メディアが選ぶ賞など、多数の「アワード」が発表されています。
そんな賞を、「BitSummit the 13th」に参戦したライター&編集者も独自で選出したい!弊誌は栄えあるGame*Spark賞を授与していながら、さらに「Game*Spark個人賞」を非公式に生み出しました。本稿では、個人的に選出した各ライター&編集者のイチオシBitSummit出展ゲームをご紹介していきます。
ライター・ハル飯田が選ぶGame*Spark個人賞
『502号室 : 寄宿学校青春ミステリー』

全寮制高校に入学した主人公が同室の「502号室」の仲間たちと不思議な事件に挑むミステリービジュアルノベル『502号室 : 寄宿学校青春ミステリー』。
ちょっとシニカルな感じの主人公をはじめキャラクターが立っており、手描き感のあるグラフィック、サウンドも◎。「発言から手がかりを集め、推論を立てていく」というロジカルなゲームシステムは視覚的に情報が整理されていて遊びやすく、段階的に真相に迫っていく過程のワクワク感も楽しめました。
韓国のクリエイターチーム「LOTS」によるデビュー作ですが、日本の作品「氷菓」に影響を受けた作品と言うことで、海外の舞台設定ながらどこか親しみやすい感覚。個人的にミステリーは好きながらも、決してホラーやサスペンスのテイストを強く求めているわけではないので、日常系の雰囲気でしっかりと謎解きができる点が非常に好印象でした。来場者からの反応も上々だったようで、期待感も込めて選出。
ライター・高村 響が選ぶGame*Spark個人賞
『STARIO:バベルの塔』

筆者はさほど多くのゲームは試遊しきれなかったので、客観的なジャッジはさておき「今回味わった範疇で個人的にツボだった作品」として『STARIO:バベルの塔』をご紹介します!
ツボに刺さった理由は、(一見)無秩序な建築が出来る&世界観がひたすらに好きという点です。砂漠の中から、空に向けて長く伸びる「塔の街」を作る作品なのですが、例えるなら『風ノ旅ビト』のような“孤独が美しい世界”を想起させる雰囲気です。街づくりシミュレーションはその世界観が好きになれるかどうかが重要ですが、『STARIO:バベルの塔』はその点で非常に魅力的でしたね。
街づくりシミュレーションなので、「長く遊ばないと良さがわからないのでは」という懸念も否定できないのですが、少なくとも「個性的な街づくりシミュレーションがしたいんだ!」という方には「候補にどうぞ」とお勧めできる1本です。
ライター・吉田 輝和が選ぶGame*Spark個人賞
『BANDIT KNIGHT』
出展タイトルの中で、僕が一番発売を待ち望んでいるのは『BANDIT KNIGHT』です!
本作は、正義の義賊の主人公が、あらゆるモノを分捕りまくる泥棒アクションです。武器や装備品、美術品なんかはもちろん、テーブルの上の料理から観葉植物の葉っぱまで、本当になんでもかんでも盗めちゃうんです!2.5Dで描かれた美しいドット、ノリノリのサウンド、そして爽快感抜群の泥棒アクション……すべての要素が僕好みで、今発売が一番楽しみなタイトルです!
余談ですが、開発者のAmeoさんがこんなことを仰っていました。モヒカンの謎のおじさんの正体は、製品版をプレイして確かめてみてください!
編集者・みおが選ぶGame*Spark個人賞
『Dreams of Another』

筆者にとって「心に残るゲーム」の条件は、「テキストの良さ」なのかもしれない。そう考えさせてくれたのが今年のBitSummit Game*Spark賞に輝いた『Dreams of Another』です(筆者が選びました!)。
本作は球で構成されたもやもやの世界を銃で撃ち、世界を復元させていく……という不思議なゲームなのですが、復元したモノと話せるのが特徴。
例を挙げると、ドアが「乗り物のドアは高速移動してるから、憧れる」というような事を言っていたり、マンホールのふたが「開けてやるよ」ではなく「開いてやるよ」と言ったり、本当に“モノ”そのものが喋っているようなセリフが楽しめます。この感性、あまりにもすごい。
編集者・八羽汰わちはが選ぶGame*Spark個人賞
『Pain Pain Go Away!』

好きなゲームを選ぶときは、大体キャラクターが刺さったとか世界観が好きだとか、そういった理由が多い筆者(そしてRPGが多く選ばれていく)。しかし今回は、紛れもなくゲームジャンルで本作を選出しました。そう、『Pain Pain Go Away!』はタイピングゲームなのです!
正式ジャンルは“心療タイピング型アドベンチャー”。心を病んでしまった少女をトラウマから救うため、プレイヤーはトラウマワードをタイピングして打ち消していくというゲームです。試遊では少女の悩みを解決するストーリーを楽しめたハズが……衝撃のラストで、心に残ったゲームとなりました。
幼い頃からタイピングだけは誰よりも得意で、今もライター/編集業でタイピングスキルを発揮している筆者にとって、タイピングゲームは大好物。会場で試遊した際、難易度「ハード」でクリアしたところ、開発者の方に「上手い!すごい!」と褒められたことが特に思い出深いです。褒められるのって嬉しいね、風々香ちゃん。
これらのほかにも、もちろん「BitSummit the 13th」には数多のゲームが出展されていました。Game*Sparkでは多数のゲームの試遊レポートおよび開発者インタビューを掲載中なので、気になるタイトルをぜひチェックしてみてくださいね!













