
ジタンたち一行が辿り着いたのは、召喚士の一族が住んでいたマダイン・サリの村と、霧を生み出すイーファの樹。エーコやサラマンダーとの出会いを経る中で、ビビはひとり自分の存在理由に思い悩みます。Disc2終盤はブラネとクジャの大決戦など見せ場もありますが、今回は大きく動いていくビビの内面を見ていきましょう。
Dialogue/Madain Sari~Iifa Tree

Mr.288 told me that I understand what it means to live and to die...
But it's only because I thought stopping was different from dying...
I don't think I really understand what it means to live and to die.
Where do we come from...? Do we go back there when we die...?
If that's what it means to live... I wonder where I came from...?
Where will I end up when I die...?
Why am I shaking...?
What is it that I'm feeling?

288号さんはボクが生きることと死ぬことの意味をわかってるて言ってた
でも、ただ止まることは死ぬことと違うとおもってるだけで…
ほんとうにその意味をわかってるとはおもえない
ボクたちはどこかから来て…死ぬとそこに帰るのかな…?
ボクが死んだらいったいどこへ…?
どうしてふるえるの…?
このきもちは…なに?

Zidane:You better get some sleep before we leave tomorrow.
Vivi:I tried to stop worrying about things, but I just can't.
I know you told me not to think too much, but...
Zidane:That's because we're different, Vivi.
You don't have to do everything my way, you know?
Vivi:I want to stop...I don't wanna feel like this anymore.
What if I keep feeling like this?
Zidane:Well... In the end, it boils down to two simple choices.
Either you do or you don't.
You'd think with all the problems in this world, there'd be more answer.
It's not fair... but that's the way things are. The choice is yours.
I just wanna protect the people I'm with.
Doesn't matter whether I can or not. It's what I believe in.
Boil down to~:~に集約される

ジタン:明日発つ前に少し寝といた方がいいぞ
ビビ:心配はしないようにしてみたけど、できないんだ
考えすぎないようにっていってくれたけど
ジタン:そりゃビビとオレは違うからな
オレのやり方をそのまましなくたっていいんだよ
ビビ:もうやめたいんだ…ずっとこんなきもちでいたくない
こんな思いがずっと続いたら?
ジタン:そうだな…結局、行き着くのはたった二つ選ぶだけ
自分がやるか、やらないかだ
この世にあふれる問題を思えば、他に答えがあるように見えるかもしれない
理不尽だよな……でもそれが道理ってやつさ。決めるのは自分なんだ
オレはただ一緒にいる皆を守りたいだけなのさ
できるできないは問題じゃない。オレはそう信じてる

I don't know why Bahamut attacked the one who summoned him.
But we found Queen Brahne on the beach, next to her escape pod.
She could hardly move. And I thought she'd come to a stop any second.
I hate Kuja a lot. But I hate Brahne a lot, too...so much that I wanted this to happen to her.
I should be happy, but...
Once I saw Dagger start to cry, I didn't know how I should feel.
I kind of wanted to cry, too..
バハムートが召喚した人をどうして攻撃したのかはわからないけど
ボクたちは浜辺で、脱出艇のそばのブラネ女王を見つけた
もうほとんどうごけそうになかった きっとすぐに「止まる」んだとおもった
クジャもだいきらいだけど ブラネ女王もだいきらいだ
…こうなればいいとさえおもっていたから
うれしいはずなんだ だけど…
ダガーが泣き出したのを見て、どうおもえばいいのかわからなくなった
ボクまでなんだか泣きたくなる…

今回はビビの視点ということで、全体的に漢字を減らして「ひらく」文体にアレンジしました。「造られた」黒魔道兵の精神性は個体によって違いはありますが、ビビの最初のプロフィールでは9才になっていて、純朴な幼さと感情の未熟さは漢字を使いすぎると薄れてしまいます。例えば“Mr.288 told me~”の箇所で漢字のひらきの有無はこうなります。
288号さんはボクが生きることと死ぬことの意味をわかってるて言ってた
288号さんは僕が生きる事と死ぬ事の意味を分かってるて言ってた
文意は全く変えていませんが、見た目や精神年齢の印象は結構変化しますね。画数が多い文字はそれだけで年齢が高めに見えるので、年少者の台詞では使いづらくです。翻訳は文意を変えることは推奨されませんが、文体は翻訳者自身の選択に委ねられるので、AIによる訳が主要になりつつある中でここを磨くことが翻訳者をやる上で求められるでしょう。
今回の場合、「生と死の意味」が大きなトピックなので、それを際立たせるためにそれ以外の漢字をひらくことのも狙いの一つ。「生」「死」は画数が少ないので、「僕」「事」のような画数の多い字がそばにあるとそちらに視線を取られがちです。スマホの普及でかつて無いほど文字を読む速度が上がっている今、文章のどこに引っかかりを作るかというのも翻訳の重要なテクニックといえるでしょう。

戦いに敗れたブラネの亡骸と共に、ジタンたちは一路アレクサンドリアへ。ガーネット戴冠というひとときの安らぎを経て、再び巻き起こるアレクサンドリアの危機とは……。















