“字幕派”も、ぜひ吹き替えで訪れたい駅がある――『Metro 2033』日本版プレイレポート | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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“字幕派”も、ぜひ吹き替えで訪れたい駅がある――『Metro 2033』日本版プレイレポート

5月13日にXbox 360で発売の Metro 2033 日本版のプレイレポートです。Game*Sparkにもババーンと広告が掲載されており、こういった状況でのレポートはなにかと難しい部分もあったりもしますが、ちょっとした新鮮な驚きもあった、ローカライズの部分について主にお伝えし

家庭用ゲーム Xbox360
5月13日にXbox 360で発売のサバイバルアクションシューター、Metro 2033 日本版(メトロ2033)のプレイレポートです。Game*Sparkにもババーンと広告が掲載されており、こういった状況でのレポートはなにかと難しい部分もあったりもしますが、ちょっとした新鮮な驚きもあった、ローカライズの部分について主にお伝えしようと思います(これはサンプル版なので、製品版では変更の可能性があることを断っておきます)。

ローカライズに関するゲームオプションは「字幕のON・OFF」「音声言語の選択(日本語・英語・ロシア語)」「表示言語の選択(日本語・英語)」となってます。ロシア語音声・日本語字幕でゲーム世界の雰囲気を楽しむ、という遊び方もできるけれど、以下の点から圧倒的に日本語吹き替えでのプレイをおすすめしたいです。

このゲームはたしかにFPSだけれども、もうひとつの魅力は地下鉄内のコミュニティ。全ての人物が日本語吹き替えとなっていることの最大の恩恵は何かというと、この地下鉄内のコミュニティにおけるNPCの会話にあります。プロローグを終えて最初にアルチョムことプレイヤーを待っているのは、エキジビション駅のたくさんの人々。市場がある通りにはだいたい30人くらいいて、それぞれが他の住人としゃべったりなにかつぶやいたり叫んだりしています。それに加えてアルチョムが近づくと住人が話しかけてきます。会話コマンドは無く、原則として店以外でプレイヤーから話しかけることはできません。
アルチョムの前「よぉーアルチョム、調子はどうだ、悪くは無さそうだな」
その脇にいる二人組「カラシニコフが、自分が発明した武器が最も定評のある銃になったことを誇りに思っているっていう記事を思い出すよ」「で、今は俺たちが、弾薬を金の代わりに使っているんだ、皮肉な話じゃないか。考えてみれば、一発の弾は一人の命だ(続く)」
遠くにいる武器屋の店主「戦闘になったら、武器こそ最高の戦友さ!」
「(どこからか聞こえるいびき)」
「(どこからか聞こえるギターの演奏)」

これらが同時に聞こえてくるので、最初はほんとうにカオス! でした。ロシア語だと“喧噪”としてまとめてかかってくるものが、日本語だと意味が分かるのでそれぞれのセリフが主張してきます。歩きながらだと次々と会話主が変わるのでさらにカオス。最初は普通に歩きながらそのカオスを体感し、次はあまり急がずにそれぞれに住人の会話に耳を傾けてみてください。掃除のオバさんの愚痴から、息子を優しく叱る父親の話、あいつはオレに気があるぜ、みたいな色恋話、ビジネスの話、うずくまって絶望している男の嘆きなど。それぞれに生活に即した会話が用意されているのが分かるはずです。ただ、ある程度用意された分の会話が終わると黙ってしまうのが残念で、もっとたくさん話してほしかったなあという気もします。

本編と関わりのないこういったNPC同士の会話は(いくつも重なって再生されることもあり)字幕ONにしてても字幕は出ません。なので、英語(またはロシア語)のリスニングによっぽど自信が無い限りは、英語音声・日本語字幕で、日本語吹き替えと同じ情報量、同じ没入感は得られないはずです。

ちなみに前述のギターの演奏、最初はBGMかと思ってました。しばらくして別のフロアに行くと、演奏している人がちゃんといます。こうした演出は戦闘パートでもけっこうあって、エリアのどこかにつけっぱなしで音楽の流れているラジオがあったりします(電源を切ることもできます)。

他に吹き替えでおもしろいのは店での商品紹介。例えばグレネードなら「どかーん、これで問題解決さ」「ターゲットを粉々にできるぜ」。スローイングナイフなら「いちばんバランスのとれた武器だ」「ひげも剃れるんだぜ」。ガスマスク用のフィルターなら「20分は持つはずだ。だが、4時間以上ならドクターを呼べ」などなど、店主がプチ情報をはさんでくれます。

武器屋の店主は「お前の銃より上物だぜ」「お前のおもちゃより5倍はいいぜ」みたいな売り文句ですすめてくる


戦闘シーンでの人間の敵の声は正直ちょっと軽め。セリフは「はいつくばれこのやろう!」「なまり玉をくらえ!」「くらえ!くずやろう!」「やられたー」といったもの。……ああ、この人はファシストだし自分を殺そうとしてるけど、きっとそんな悪い人じゃない。吹き替え関係ないですが、戦闘でのミュータントの鼻息や唸り声は本気でイヤでした。殺されることよりも「またあの顔を拝まなくちゃいけないのか…(かなり醜悪なビジュアル)」「おいおいもう弾30発しかねえよ…(人間と違って倒しても弾を剥ぎ取れない)」というイヤさ。バイオよろしく死肉を喰らってるミュータントの後ろをこっそり通り過ぎようとして、見つかって追いかけられるときの恐怖ったらないです。

本作はFPSだけれども、ステルスアクション的要素もあります。自分がどれだけ目立っているかがLED光センサー(緑→黄→赤)で表示され、たとえばセンサーが緑の場合、敵が気づかずに通り過ぎていったりします。ヘッドライトだけでなく、道中にある明かりをつけたり消したりもでき、闇にまぎれて敵に気づかれずにこっそり倒すというプレイも可能(自分は下手なのですぐに見つかって派手な銃撃戦になりましたが)。実績にも「秘密裏に潜入する」「殺さずにクリアする」といったノーキル・ノーアラート系のものが用意されています。

ただ、自分が敵から見えない=自分の視界もめちゃくちゃ悪いのでそこが難しいところ。最大の敵はファシストでもミュータントでもなく、実は暗闇にひそむ落下死だったりするので、足下は十分に確認しましょう。ゲーム中盤にはナイトビジョンゴーグルが手に入るのでちょっと楽になります。

本作のもうひとつの特徴、ガスマスクはサバイバル感たっぷりです。温度差で曇るガラス、徐々に減っていくフィルター、ダメージを受けてひび割れていくガラス(=画面)、荒くなっていく呼吸音……。5つまでヘルスキットを持てる&自動回復する自分の体力より、修復できない&予備を持てない(道中で新しいものと交換は可能)ガスマスクの方がよっぽど大事だったりします。画面にひびが入るたびに確実に死に近づいていく。アルチョムがガスマスクをしたときには、ちょっと自分の呼吸の仕方も変わってるかもしれない、ガスマスクの交換のときには、思わず自分も呼吸を止めるかもしれない……というのは言い過ぎじゃなかったり。

3月に発売された際の海外レビューでも指摘のあった通りFPS部分は荒削りな点も多いです。敵のAI、レベルデザイン、バランスなどは、AAA級のFPSには及ばない感じがしました。「リニアなゲームプレイにがっかりさせられる」こともあります。ひたすら同行者の後をついていくとか。「イージー難度でさえ、Metroの災厄は厳しい戦いとなる」もまさにそうで、イージーでプレイしても死にまくりました(落下死、ガスマスクの破損、トラップ……。難易度を上げればこれに敵の攻撃、弾薬やフィルターの不足も加わるはず)。もちろん自分が下手だからというのもあります。ただ、「絶えず新たな事件に遭遇し、新たにおもしろい場所を発見し、そして新たなタスクを背負う」は本当にそうで「恐れを知らない冒険家たちに報いるスリルに満ちたダーク・ジャーニー」な本作を象徴する評といえます。

ヒビ割れで表現されるガスマスク=余命。確実に死が近づくガスマスクの破損は、ある意味で死(=リトライ)より恐怖


日本語の他に英語とロシア語も収録、“字幕”か“吹き替え”か――しばしば議論の対象になるローカライズの仕様について選択肢を十分に用意してある本作。一般的にはCVや翻訳の質で評価され、ゲームの雰囲気を壊すことを危惧して敬遠されることもある日本語吹き替えですが、Metro 2033に関しては、前述のような「字幕をつけられない部分のセリフが多い」というゲーム内容のため、母国語吹き替えが必要不可欠だったという感じがします。もし字幕と吹き替えのどちらかしか選べないとしたら間違いなく吹き替えを選ぶ、そんなゲーム。字幕でのプレイでは、アルチョムの故郷たるエキジビション駅も、初めての海外旅行者のような気分で味わうことになってしまうでしょう(逆に言えば、ロシア語なんかでプレイすればかなりのストレンジャー感を味わえます)。

プレイする機会があれば「同時にいくつもの会話が飛び交う」そして「その内容に耳を傾け理解することができる」という、日本語吹き替えならではのちょっと新鮮な体験をしてほしいと思います。


(C) 2010 THQ Inc. Developed by 4A Games. 4A Games Limited and their respective logo are trademarks of 4A Games Limited. Metro 2033 is based on a book by Dmitry Glukhovskiy. THQ and the THQ logo are trademarks and/or registered trademarks of THQ Inc. All Rights Reserved. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners. Marketed and distributed in Japan by Spike.

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《Kako》
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