【e-Sportsの裏側】世界で闘うプロゲーマーに聞く、日本のe-Sportsの未来とは―チョコ・ももち独占インタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【e-Sportsの裏側】世界で闘うプロゲーマーに聞く、日本のe-Sportsの未来とは―チョコ・ももち独占インタビュー

【e-Sportsの裏側】第5回目は「東京ゲームショウ2015」会場にて、日本初の女性プロゲーマー チョコ(チョコブランカ)氏と『ウルIV』世界王者(EVO2015ウルIV世界王者)のももち氏に、プロゲーマーから見た日本のe-Sports市場について、独占インタビューを実施しました。

連載・特集 インタビュー

e-Sportsに携わる「人」にフォーカスを当てて、これからの日本のe-Sportsシーンを担うキーパーソンをインタビュー形式で紹介していく【e-Sportsの裏側】。前回の連載では「CROOZ Rascal Jester」にてマネジメントに携わる大川氏、同チームとマネジメント契約を結んでいるCROOZの諸戸氏に日本のe-Sports市場ならびに今後の戦略についてのお話を伺いました。
    ■e-Sportsとは?
    e-Sports(Eスポーツ)とはElectronic sportsの略で、コンピュータゲームやビデオゲームで行われる競技のことです。高額な賞金のかけられた世界的な規模で行われるプロフェッショナルな大会から、アマチュアまで競技が行われており、ジャンルやゲーム毎にプロチームやプロリーグが多数あります。現在e-Sportsの対象となっているゲームを遊ぶ人の数は、全世界で5500万人を超えています。
    (ゲーム大辞典参照:http://game-lexicon.jp/word/e-Sports
連載第5回目の今回は、千葉幕張メッセにて開催されていた「東京ゲームショウ2015」会場にて、世界最大級の北米プロゲーム団体「Evil Geniuses」に所属している日本初の女性プロゲーマー チョコ(チョコブランカ)氏、同じく「Evil Geniuses」に所属している『ウルトラストリートファイターIV』世界王者(EVO2015ウルトラストリートファイターIV世界王者)のももち氏に、プロゲーマーから見た日本のe-Sports市場について、独占インタビューを実施しました。


―――本日はお時間を頂きありがとうございます。本連載で女性を取り上げるのは初めてになります。宜しくお願い致します。まずはお二人の自己紹介をお願い致します。

チョコ:「Evil Geniuses」所属のチョコ(チョコブランカ)です。2011年から所属していまして、今年でプロゲーマーとしては4年目になります。


ももち:同じく「Evil Geniuses」所属のももちです。主に『ウルトラストリートファイターIV』をプレイしていまして、2014年のカプコンカップ、2015年のEVOにて世界チャンピオンになりました。

―――ここ最近日本でも「プロゲーマー」、「e-Sports」という言葉を見る機会が増えてきたと思うのですが、お二人はどのように「e-Sports」に携わっているのか教えて下さい。

チョコ:「プロ」という形で活動していますが「e-Sports」を知ってもらう窓口のような役割をしています。女性プロゲーマーというのも日本では珍しいと思いますので、私のプレイをきっかけにe-Sportsを知ってもらい「日本にもこんなにe-Sportsプレイヤーがいるんだ!」というきっかけを作っていくような動きをしています。
ゲームはもともと好きで、小さい頃は『スーパーマリオ』や『ファイナルファンタジー』シリーズといった王道はもちろん、『牧場物語』シリーズ、『モンスターファーム』などまったりしたものをよくプレイしていました。格闘ゲームを本格的にプレイし始めたのは『ストリートファイターIV』でして、8年くらい前ですね。

―――『ストリートファイターIV』をプレイしはじめたきっかけは?

チョコ:学生時代の友達と『モンスターハンター』をよくプレイしていたのですが、そのモンハン仲間にゲームセンターに誘われまして、そこでプレイをしたのが一番はじめになりますね。そこから現在に至る、という感じです。

―――ももちさんはいかがでしょうか?

ももち:私自身、最前線で戦っているつもりなのですが、e-Sportsの「競技性」や見ている人に「面白い!」と感じてもらえるような「エンターテイメント」の部分をうまく伝えていきたいな、と思い活動しています。今後もプレイヤーとしてバリバリ活動していくつもりですが、それと同時に新しいe-Sportsプレイヤーをきちんと育てていけるような動きも行っていきたいです。育成、とまでは言いませんがそういったプレイヤーの活躍できる場やサポートをしていきたい。「ゲーム」に対して、広く携わっていきたいです。

―――「伝道師」のような感じですね。

ももち:そうですね(笑)。そういった形で貢献していきたいと考えています。

―――「e-Sports」という言葉は人によって捉え方が全く違うな、と感じているのですがお二人にとっての「e-Sports」とはどういったものになりますか?

ももち:「ゲーム」自体は、言い方を変えるとただの「遊び」なのですが、「e-Sports」は単なる遊びじゃない、すごいことだぞ、と。先程申し上げた「競技性」や「エンターテイメント」など、活躍して認めてもらえる場があるというのは、プレイヤーとして非常にやりがいがあります。


その反面「競技性」の部分が前面に出過ぎてしまうと、本来ゲームが持っている「遊び」といった部分が欠落してしまい「誰でも楽しめる」といったところから「敷居が高い」といったものに変わってしまいます。「俺にはなんか難しいから、やめておこう…」となってしまうと新しいプレイヤーも増えませんので「見ていて面白い、楽しい」といったゲームのもともとの良さは残していけるように広げていきたいです。そこのバランスをうまく取りながら、いろいろな人に楽しんでもらえるようにと思っています。

チョコ:私自身はそこまで「e-Sports」という単語は意識していません。ちょっと熱中しすぎて勉強に支障をきたして怒られる…っていう良くないイメージがゲームには今もまだあると感じていて、そうじゃなくて「遊び」だけど「スポーツの側面もあるんだよ」ということをうまく伝えていきたいです。「ゲーム≒e-Sports」というように簡単に言えるものでもなく「ゲームというエンターテイメントの延長線上にe-Sportsがある」「たくさんあるスポーツジャンルのひとつとしてゲームがある」というイメージですね。

―――新しい「ゲーム」の楽しみ方という感じですかね?

ももち:「e-Sports」という単語はどうしてもこっち側(ゲーム業界側、プロ側)が「私たち、e-Sportsやってます!」と言っている形になるじゃないですか。今後は、一般の方々からも「スポーツだね」「競技だね」「魅力的だね」と自然に言ってもらえるように成長させたいです。

※次ページ:チョコ・ももちが見る、日本のe-Sportsの潮目は
《森 元行》

森 元行

海外のゲームショウにてeスポーツの大会に出会い衝撃を受け、自身の連載「eスポーツの裏側」を企画・担当。プロプレイヤーはもちろん、制作会社や大会運営責任者、施設運営担当者など「eスポーツ」に携わるキーマンに多くのインタビューを実施。 2022年3月 立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科 博士課程前期課程(修士/MBA)修了。

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  • バカボット 2015-10-20 14:51:09
    しかし不思議だ。
    eスポーツの記事に毎回来る「世間から見下されてるゲーマー代表」の人達は何なのだろうか。

    どれだけ普段から虐げられているのか、逆に興味すら湧いてくる。
    周りに恵まれていないのか、単に自虐的で悲観的なのか。
    1 Good
    返信
  • バカボット 2015-10-20 14:45:44
    >>52
    >バカボットとかいうおかしい人を湧いてこないように出来ないの

    お前がインタビュー記事に沿った、有意義なコメントを書けば解決する。
    コメント欄に来る連中は、eスポーツ特集の記事を読んでないんだろう?
    だから「Game*Sparkリサーチ『日本でe-Sportsは盛り上がると思いますか?』」という去年の記事から進歩してない。

    ももちの記事でも、Fakerの記事でも、DetonatioNの記事でも、毎回コメントは「日本じゃ偏見強いから無理」。
    好転しつつある状況を受け入れるべき。

    それにしても、感情的になって低評価をポチポチ押す奴は滑稽極まりない。
    1 Good
    返信
  • バカボット 2015-10-20 14:32:54
    >>34
    >逃げる云々卑しい云々じゃなくて社会的な地位を維持する為だよ

    初対面では安パイを選ぶのが賢い、ということか。
    その利己心が卑しく、情けないと言っている。
    「俺はTVゲーム好きだけど人前ではゲーム叩いてまともな振りしてる」という書き込みを見たことがあるが、そういう屑が世の中を生き辛くする。

    フランスでは男子サッカーでも、労働者階級の低俗な趣味という風潮があった。
    知育を大事にする国において、肉体スポーツの地位は高くなかった。
    だからこそ、人前でサッカー好きを公言する意義がある。

    自分の利益にならない発言は控えるなんてのは、後の世代を考えない身勝手な態度。
    大体、言い難そうな趣味を上手く伝えるのが、コミュニケーションの妙だろうに。
    2 Good
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  • バカボット 2015-10-20 14:00:47
    >>33
    欧米と日本で、Gameという言葉の捉え方が違うということ。

    >真実に自分の思想をぶつけてるだけだよね

    ここで言う真実は「大人が遊びに熱中したら白い目で見られる」か?
    何か勘違いしてる様だが、「欧米ならコンピュータゲーム好きを公言して大丈夫」と言うつもりはない。
    あなたの考える真実が偏っていると言っている。

    海外サッカーは昔、「女がやる球技ではない」という偏見が根強かった。
    偏見の圧力は強く女子サッカーは苦戦しつつ、理解を示す人も増えながら100年かけて状況を改善していった。

    色眼鏡をかけて接する奴が居れば、そうでない人も居るというだけの話。
    なのに、GameSparkのコメント欄には、偏見に晒され続けてる様なゲーマーばかり来るから、違和感を覚える訳。

    こちらは、eスポーツに注力するプロゲーマーとファン、理解を示して支援する業界人、職場で普通にドラクエの話をする様な人達ばかり見ているから、あなた達の言ってることがピンと来ない。
    2 Good
    返信
  • バカボット 2015-10-20 13:32:54
    >>49
    >匿名の場でバカボットの名前出して煽り倒しながらe-sportsはスポーツだと触れ回ってたじゃないか

    GameSparkでの話?
    2chまとめブログはともかく、ニュースサイトではハンドルネームを出して投稿するようにしている。
    ここが匿名の場だとは知らなった。

    >俺個人として「e-sports=スポーツという価値観から距離を置いてまずは市場や顧客を増やす事を先行すべき」だと思ってるんだけど貴方はどうなの?

    将棋やポーカー等の頭脳スポーツと結託すべきだと考えてる。
    「スポーツ」は便利な概念だ。
    その概念は野球とサッカーに独占されていて、スポーツの可能性が狭まっている。
    「運動競技だけがスポーツじゃない」と啓蒙して、競技とは何なのか?を見つめ直してもらうのが目的。
    市場開拓と顧客は大事だが、その為にスポーツへの誤解を正しておきたい。

    例えば、海外大会で長期滞在するにはP1ビザが便利だが、プロスポーツ選手に認定される必要がある。(LoLのプロは取得出来る)
    そういう利点は、コンピュータゲームがプロスポーツだと認識されている方が得られやすい。
    1 Good
    返信
  • フェルナンド 2015-10-19 12:02:41
    >16
    これもずいぶん古い価値観だけどな…。カルチャー的に影響力のあるGTA、映画の有名クリエーターや俳優も参加するAAAの大作、世界的なサッカーリーグのスポンサー、スケーターやサーファーと同じようにゲーマーのスポンサーになるドリンクメーカー…。あちらさんもだいぶ変わってきてるよオッサン。それかド田舎家に出張でもしてきたの?
    3 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2015-10-19 9:58:39
    野球もサッカーも将棋も囲碁もみんな遊びだったんですけどねぇ

    ゲームを真剣に取り組む人間がバカにされない時代になるには
    コメ欄を見る限りまだ時間がかかりそうだね
    4 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2015-10-19 6:18:59
    ※8
    質が悪いのを会社の所為だけだと思ってる時点で終わってる、
    お前らがそれしか買わないっていうのもあるよ。
    お前の回りやネットをよく観ろよ。
    0 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2015-10-19 2:01:11
    バカボットとかいうおかしい人を湧いてこないように出来ないの
    8 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2015-10-19 1:31:06
    >>50
    単純に妬みが多いんだよ
    1 Good
    返信

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