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ロジクール最新ゲーミングヘッドセット「G933」レビュー―軽量ワイヤレス7.1chの実力やいかに

2015年11月19日に発売された、ロジクールの最新ヘッドセット「G933 ワイヤレス 7.1 サラウンド ゲーミング ヘッドセット(以下G933)」。有線・ワイヤレス両対応で、さらにPCだけでなく、PS4、XBOX Oneに対応したマルチプラットフォームで使用可能な高機能な製品です。

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2015年11月19日に発売された、ロジクールの最新ゲーミングヘッドセット「G933 ワイヤレス 7.1 サラウンド ゲーミング ヘッドセット(以下G933)」。有線・ワイヤレス両対応で、PCだけでなく、PS4/Xbox Oneに対応したマルチプラットフォームの高機能な新製品です。2万円を超える価格に見合う性能を果たして持っているのか、使用感や性能など様々な面からレビューをお届けします。

■有線・ワイヤレス両対応、そしてスポーツメッシュの快適さ

まず、本製品の特徴は有線・ワイヤレスのどちらでも7.1chサラウンドが楽しめること。そして従来製品と同様にスポーツメッシュを採用しており、快適な付け心地であることが挙げられます。製品自体のサイズは従来製品の「G430」と同程度ながら、ヘッドホンバンドを最大まで伸ばした状態では少し小さめ。言い換えれば、別のヘッドホンを使用し、マイク用として首にかけて使用するスタイルには不向きです。また、ワイヤレスアダプターが左側イヤーカップの蓋の中に収納でき、紛失しにくいのがポイントです。



■頭にぴったりフィットする形状、ワイヤレスの快適そのもの

「G933」のスペックの表記上は7.1chとなっていますが、製品動画でも詳細が触れられていません。見る限り、左右それぞれ1つのドライバを実装し、バーチャルサラウンドにて7.1chを実現しているようです。本体重量も非常に軽くイヤーパッドの当たりは柔らかく良いものの、側圧が強めで頭からずれにくく、長時間の装用では頭頂部・耳の周りともに少しずつ辛くなってきます。頭にぴったりとフィットするような感覚を求めている場合には最適な感触です。なお、筆者が使用した個体はどのように装着しても左右の音量が多少異なっており、全体的に音が右に寄った状態で聞こえてしまうのは残念でした。




せっかくなのでレビューの際はワイヤレスで使用しましたが、ケーブルはなくヘッドホンが軽いため煩わしさは皆無です。さらにイヤーカップ内部もそれなりに余裕があるため、通常よりも快適でよりゲームに集中できるようになるのは、大きなメリットだと言えます。遅延やノイズなども感じることはなく、マイクも従来方式からイヤーカップ外部に沿って収納可能なグースネック併用のタイプに変更され、伸びる長さも短いため息の吹かれが収音されることもありません。

■高品質な出音、EQで幅広く調整も可能

「G933」の出音については様々なジャンルの音楽を聞いて確認しましたが、一言で言えば粒立ちが良くパンチがある音で、ドラムのキックやベースが響く、迫力のある音像です。ゲームでも欲しい部分の音がきっちりと聞こえ、音の解像度も高いのは驚きでした。EQ(イコライザー)をFLATにした状態では、50~100Hz付近の低域と1kHz付近の中高域が上がり、500Hz付近が落ちている印象で、良くも悪くも「ゲーミングヘッドセットらしくない」仕上がり。話し声や銃声、爆発音など多くのゲームの中心となる音は逃さないものの、違和感なく迫力が出るよう調整がなされているのは流石です。


Logicool Gaming Software(LGS)とイヤーカップのボタンから変更可能なEQはプリセットとして、FPS/MOBA/FLAT/Drop the Bass/Cinematic Gaming/Communicationsの6種類が用意されていますが、個人的にはどれもしっくり来なかったため、下から1/-1/1/2/2/0/2/3/2/1というプリセットを組みました。このヘッドホンで音楽を聞くのであれば、EDMやDrum'n'Bassなどのベースミュージック向けで、ポップスやロックには少し不向きと感じました。昨今のモンタージュなどに使用されている音楽のジャンルともぴったり合致しています。


ゲームには是が非でも適用したいサラウンドですが、音楽のリスニング時には予想通りオフの状態がベストな結果を得られました。オンの状態では位相がずれたようなシャリシャリとした音が常に耳についてしまい、非サラウンドの音源は一律でこういう結果になってしまうため、バーチャルサラウンドそのものの欠点と言えるでしょう。この点に限っては、面倒でもゲームプレイの際のみにオンにするといった切り替えが必要になりそうです。




■独自の機能はメリットとデメリットが混在

イヤーカップには、様々な機能を割り当てられるGキーやマイクミュートボタン、電源、ボリュームダイヤルが用意。Gキーなどボタン類は少し固く、操作時に結構な音が左耳に響くので、あまり連打するような操作は割り当てない方が良いでしょう。マイクミュートもLGS側で制御させるためのスイッチで、現在の状態がどちらになっているかわかりにくいのも、手軽であり不便なところです。また、ボリュームダイヤルはLGSではマスターボリュームを持っていないため、アプリケーションもしくはWindowsのボリュームを、ウィンドウのフォーカスに応じて調節することになるのには注意が必要です。


ライティング機能は、1,680万色から任意の色で発光が可能なもので、マウスやキーボードなどとも同期をとって発光させることができます。ライティングのモードはBreathing、Color Style、Solid Colorのプリセット3種とカスタムライトの合計4種類から選択可能です。マウス・キーボード・ヘッドセットが同期して同色に発光するのは、LANパーティーなどのオフラインイベントでは注目の的になること間違いなしです。



■フラッグシップという期待に応えられた製品

「G933」は、なかなか実現しにくかった有線・ワイヤレスの両対応や、スポーツメッシュ採用による快適さと清潔さを兼ね備えた、唯一とも言える仕様のヘッドセットです。インラインコントロールを含むケーブルやヘッドホンの重さなどの煩わしい要素は皆無で、快適なゲームプレイは約束されたようなものだと感じました。

一方、日常的に音楽制作用のヘッドホンやゼンハイザーの「PC350」など価格帯が近い製品を使用していた筆者にとって、マイク部やサラウンドなどの機能を価格に換算して引いて考えても、これだけ解像度の高い高品質なゲーミングヘッドセットを開発したのであれば、ボタンの硬さ(とイヤーカップに響くうるささ)や装着時の各部位の圧による快適さといった、ヘッドセットそのものの細かい部分の設計は、もう少し努力できたのではないかと思います。とはいえ、その点を差し引いてもコストパフォーマンスは高いため、高級機に初めて手を出してみたいというユーザーにとっては間違いなく良い一品であり、良質なサウンド体験が得られるはずです。

「G933 ワイヤレス 7.1 サラウンド ゲーミング ヘッドセット」は、2015年11月19日より発売中。価格は24,190円(税抜)です。
《kuma》

kuma

作詞家/作編曲家/元Esports競技勢。FPS、アクションRPG、シミュレーター系が主食。ハードウェア・ソフトウェアレビュー、インタビューなどをやっています。

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  • スパくんのお友達 2016-01-13 19:33:04
    22追記
    私はワイヤレスサラウンドヘッドホンがものすごく好きな変な人なので
    速攻で買いましたが、あまりゲーム用途には使っていませんのでコアゲーマーの参考にはならないでしょう。
    またロジテックのソフトがまだ万全とは言えないのでもう少し待ったほうがいいとは思います。
    1 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2016-01-13 19:24:09
    DTS Headphone:Xとの相性がかなり良いので、チープなサラウンドスピーカーより価値があると思います。
    そもそも、サブウーファーや5つ以上のスピーカーの騒音、その配線、厳密な配置位置、それらの問題をPC周りで解決するのはそう簡単ではないので
    ヤマハのサラウンドシステム入れてたけど結局やめてしまいました。
    これのヴァーチャルサラウンドは仮想空間で演算した根拠のある音を出すので2chをテキトウに鳴らしてサラウンド感を得るようなものとは全く違うものです。
    これで映画なんか見てもマルチチャネルの再現性は問題なし。
    左右の音量差なんていうのがわかるほどにあったらそれは不良品か設定のミスだと思います。
    音は仮想空間の設定で大きく変わるのですが、おすすめのルーム設定はDTS7.1です
    Logitech Signature Studioは反響が少ないみたいですが、部屋が長方形なので普通とちょっと違う音になります。
    マイクは使いやすいし今まで4個使っていたワイヤレスサラウンドヘッドホンの中では最高の出来です。
    ただひとつ残念なのが、側圧がかなり弱く感じることですが快適性とのトレードオフなので考え方次第でしょうか。私の頭は58cmです、筆者さんは真逆の感想のようですので頭の大きさの問題なのでしょう。
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  • スパくんのお友達 2015-12-04 9:43:56
    ヘドバン圧が低いと頭からずれやすく、外界の音が入ってきてFPSの試合ではかなりクリティカルになる。
    確かにロジのヘッドセットはG35の頃からヘドバン圧は高めだけど、サラウンドは良好で敵の足音や武器の音(前後だけでなく頭上等)が分かりやすく、音の情報量を多く受け取ることが出来る。それだけ戦術的に優位に立てる情報の為ならヘドバン圧なんてクソ食らえだし、ラウンド毎に外せばいい。
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  • スパくんのお友達 2015-11-28 1:30:35
    1万円なら欲しかった。
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  • スパくんのお友達 2015-11-27 7:27:09
    こういうオーディオデバイスってドライバ周りが不安定だったり他のデバイスと競合したり、細かい部分で不便な仕様だったりして考えることが多くなる割にゲーム体験の質がそこまで向上するわけでもないし音楽聴くのにも向かないから買っても使わなくなっちゃうんだよねえ…
    結局5000円~20000円くらいの普通のヘッドホン使うのが一番だなあってなっちゃう

    Razor Surroundみたいな擬似サラウンド技術だけを手軽に噛ますことができるソフトで、もう少し遅延の少ないものがあったら最高なんだけどなあ
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  • スパくんのお友達 2015-11-23 12:06:32
    ドルビーサラウンドなら2chソースをサラウンドモードで聞いてもシャリシャリとか全然言わずに違和感なく"スピーカー"からなってる風だったけどね。

    バーチャルは定位がぼやける代わりに自然に聞ける一方、リアルは定位がはっきりする代わりに不自然になるよ。(反響が考慮されてないから)
    リアルでもそこまでやっているモデルもあるのかもしれないけど。
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    返信
  • スパくんのお友達 2015-11-23 8:42:42
    バーチャルサラウンドに24000円払う人いるのか?
    2 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2015-11-23 8:39:02
    >>14
    大抵バーチャル7.1ch(ドライバユニット左右で2つ)だけど、ガチで7個入って7.1chのヘッドフォンもあるよね。
    これはバーチャルだよ。
    0 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2015-11-23 5:14:55
    G633を人柱で買ったが、ソフトウェアも不安定だしノイズが入るゲームもある
    さらにマイクの設定が細かくいじれないせいで超集音しちゃうから口の開け閉めの音まで入ってまともに使えん
    3 Good
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  • スパくんのお友達 2015-11-23 3:35:27
    うちはホームシアターの5.1chで遊んでるけど音の広がりによる迫力がある
    ヘッドホンでも遊ぶけど、大きな違いは細かい音が明瞭かどうかだな
    Falloutみたいなゲームだとホームシアターが楽しいが対戦FPSだと後者がいい

    そもそもヘッドホンで5.1とか7.1のサラウンドなんて疑似以上でも以下でもないんだが
    その辺が知りたいのに記事に7.1ch関連の話が全くない
    なにやってるんですかね
    7 Good
    返信

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