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PS4版『GRAVITY DAZE』プレイレポ―空に"落下"できるスリル感を大画面で味わえる

12月10日に発売された、PlayStation 4対応ソフト『GRAVITY DAZE』。本作は2012年にPlayStation Vitaで発売され、日本ゲーム大賞の年間作品部門大賞に輝いた、重力アクション・アドベンチャーゲームのPS4版です。今回はそのレポート記事をお届けいたします。

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PS4版『GRAVITY DAZE』プレイレポ―空に
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12月10日に発売された、PlayStation 4対応ソフト『GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において,彼女の内宇宙に生じた摂動』(以下、GRAVITY DAZE)。本作は2012年にPlayStation Vitaで発売され、日本ゲーム大賞の年間作品部門大賞に輝いた、重力アクション・アドベンチャーゲームのPS4版です。

筆者はPS Vita版は未プレイでしたが、PS4版を30時間ほどかけてゲームをクリア。今回はそのレポート記事をお届けします。



■重力を操作でき、あらゆる方向に"落下"することができる

レポートの前に、まずはゲームの紹介から。主人公「キトゥン」は重力を操作でき、ありとあらゆる方向に"落下"することができます。下方向への落下はもちろん、空や建物の壁に向かって落下することもできます。飛ぶ能力ではなく、あらゆる方向に重力を操作できる能力であるため、壁や天井を歩くこともできます。現実の物理法則とはかけ離れた世界なので、筆者は操作感覚を身につけるまでに多少の時間がかかりましたが、慣れると空中をあらゆる方向に落下する爽快感を味わうことができます。空に落ちるという新しい感覚を体験できる唯一無二のゲームです。


空に”落ちている”様子


建物の壁に”立っている”様子

■重力娘が街で起きる数々の事件を解決していくストーリー

本作は、重力を操る能力を活用して、空中に浮かぶ都市「ヘキサヴィル」で起こる数々の事件を解決し、物語を進めていくというゲームです。主人公キトゥンは過去の記憶を失っており、ヘキサヴィルの世界を一から探索していくことになります。いなくなった人を探し出したり、なくした物を探したり……と、街の人々の困り事を解決するエピソードが中心となります。もちろん、人や物を探し出して終わるはずはなく、キトゥンは毎回厄介事(?)に巻き込まれてしまいます。

ざっくりですが、以上がゲームの概要です。これらを踏まえ、下記の中から、本作の長所と短所をいくつかピックアップして紹介していきます。

■大画面で味わえる”落ちる”スリル感・爽快感

まずは、長所をいくつかピックアップして紹介します。本作で一番魅力に感じたのは、空や壁に落ちるという新しい操作感覚です。飛んでいるのではなく落ちているため、どの方向に飛んでもスリル感や爽快感を味わうことができます。特に今回、PS VitaからPS4に移行したことにより、大画面でその感覚を一層楽しむことができます。


街中を斜め下方向に落ちている様子

なお、上ボタンで主観モードに切り替えられ、落下によるスピード感をさらに感じることができます。


このように、操作をしているだけでも楽しいのが本作の特徴です。なお、この操作感覚を特に味わえるのが、チャレンジミッションでトライできるタイムアタック。このタイムアタックでは、指定のタイムをクリアするとジェムが手に入り、キャラクターを強化することができます。重力によるスピード感が爽快で、しかも世界やフレンドとのランキングまで表示されるので、つい何回もチャレンジしてしまいました。

■コミックをプレイしているかのような世界観

キャラクターや街並みがフレンチコミック調のグラフィックになっており、フランスを彷彿させる独特の世界観です。どこか、日本アニメやアメコミの要素が混じっているような印象も受けます。


また、他のオープンワールドゲームでは、はるか遠くにきれいな景色が広がっていても行くことのできないということがありましたが、このゲームでは目に見える部分すべてに行くことができます。遠くて霞んだ景色であっても、近づくことによって、はっきりとした建物として認識することができます。もちろん、その建物の壁に”立つ”ことも可能です。重力操作が楽しいため、「遠くまで行くのが面倒臭い」ということはなく、むしろ探検するワクワク感があります。まさに、コミックのようなオープンワールドの世界そのものを楽しめるゲームです。


霞んだ景色のところまで近づくことができます

■それぞれの場面の雰囲気を見事に表現した、聴き入るような美しい音楽

音楽は、作曲家の田中公平氏が担当。アニメの「ドラゴンボール」や「ONE PIECE」、「ジョジョの奇妙な冒険」など、数々の楽曲を手掛けてきた人物です。本タイトルで用意されている楽曲数は約50。そのどれもが、ゲームそっちのけで思わず聴き入ってしまうよう美しい音楽です。それぞれの場面の雰囲気を見事に再現している点も特長です。なお、田中公平氏は『GRAVITY DAZE 2』の音楽も担当することが決まっています。次作の音楽もとても楽しみです。

    ■長所と感じた点
    ・大画面で味わえる”落ちる”スリル感・爽快感
    ・コミックをプレイしているかのような世界観
    ・魅力的な個性を持つキャラクターたち
    ・多彩なアクションを簡単操作で繰り出せる
    ・オープンワールドの大きな世界をシームレスに移動できる
    ・それぞれの場面の雰囲気を見事に表現した、聴き入るような美しい音楽


以上が、筆者の感じた長所の一部です。次は、短所と思われる点をいくつかピックアップして紹介します。

■用意されているアクションは多彩だが、戦闘が単調になりがち

始めは空振りが多くなりますが、慣れてくると「重力キック」(敵に向かって落下しながらキックを繰り出すアクション)で容易に敵を撃破できるようになってきます。周囲のオブジェクトを重力で浮かせて敵に投げつける「重力スロー」や、回避アクションからのカウンター攻撃、3種類の必殺技など、多様なアクションが用意されているものの、ゲームの難易度が低いため、重力キックの連発になりやすく、戦いが単調になりやすいと感じました。


必殺技も重宝しましたが、重力キックに頼った戦いになりやすかったです


重力スローを使用する場面は限定的でした


■物語の伏線が回収されない

物語は、主人公キトゥンが記憶を失った状態でスタートしますが、この理由が最後まで明らかにならず、彼女の過去も明らかになりません。また、キトゥンのライバルとして登場してくる「クロウ」にも疑問が残ります。ゲーム途中で明らかにはなるものの、彼女が主人公の行動を妨害してくる理由も釈然としない部分があります。

さらに、敵モンスターである「ネヴィ」の存在についても謎のままです。ゲーム途中で、ネヴィが人間に対して感情を持つという描写がされますが、敵であるネヴィがどうして人間に感情を抱いたのかについては言及がされません。これらのように謎を多く残したまま終わってしまいましたが、『GRAVITY DAZE 2』が来年2016年に発売されるため、これらの伏線の回収は次作に期待したいところです。


敵モンスターであるネヴィの集団

付け加えると、物語のゴールが終始分からず、何を目標にゲームをしているのか分からないという点も短所として挙げられます。ある目標に突き進んでゲームをしているというよりは、その場その場で起きる事件を解決していくという側面が強いです。このため、「この後どのような展開に繋がっていくんだろう」というワクワクはほとんど感じませんでした。

■止めたいときにスムーズにゲームを中断できない

オートセーブ機能があり、細目にオートセーブをしてくれはするものの、それ以外のセーブポイントがキトゥンの家に限定されている点にストレスを感じました。つまり、止めたいときにスムーズにゲームを中断することができず、わざわざ家まで向かわないといけない点はマイナスポイントです。特に、本作はワールドマップで広大な世界が広がっているので、ワープポイントがあるとはいえ、セーブをするためにわざわざ家まで向かうのは面倒に感じました。



■これから登場するキャラクターがギャラリーでバレている

PS4版で追加実装されたギャラリーモード。このモードでは、登場人物や敵モンスター、街並みのスケッチなどを見ることができます。しかし、残念だったのは、ゲーム後半に登場する重要人物や敵ボス、物語のキーとなる街並みのスケッチなどが、彼らに出会う前から見れてしまうという点です。中には、ケガをしたキャラクターのスケッチまでもが始めから掲載されており、今後の展開を想像できるものになっていました。物語の進行に伴って、閲覧できるスケッチが増えていくとベターでした。



    ■短所と感じた点
    ・用意されているアクションは多彩だが、戦闘が単調になりがち
    ・物語の伏線が回収されない
    ・街の人々とは、一部の人としか話せない
    ・街の建物の中には、基本的に入ることができない
    ・止めたいときにスムーズにゲームを中断できない
    ・これから登場するキャラクターがギャラリーでバレている

前作では、クリアまでのプレイ時間の短さがレビューに上がっていたのが目に付きましたが、今作ではPS Vita版のDLCコンテンツが始めから含まれていることもあり、筆者はさほど気になりませんでした。もっとプレイしたいという気持ちはあったものの、十分に楽しむことができました。

チャレンジミッションをストーリーの合間に何度もチャレンジしたこともあり、筆者はクリアまでに30時間以上ほどの時間をつぎこみました。たしかに、寄り道をしなければ、20時間もあればクリアできそうなので、物足りなさを感じる人もいるかもしれません。しかし、このゲームは、ボリュームの物足りなさを感じるくらいに楽しいゲームといえます。短所をいくつか挙げましたが、それらの短所があっても十分にプレイをおすすめすることのできるゲームソフトです。年末年始にぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。
《まつかず》

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