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メトロイドヴァニアの傑作『Axiom Verge』開発者が語る―「制作は楽しみの連続であるべき」

京都BitSummit 4thにて、メトロイドヴァニアの傑作『Axiom Verge』たった1人の開発者Tom Happ氏が登壇。5年という長期間のインディー開発における、自身の経験と教訓を会場に伝えました。

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メトロイドヴァニアの傑作『Axiom Verge』開発者が語る―「制作は楽しみの連続であるべき」
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先日、京都で開催された「BitSummit 4th」2日目のステージに、探索型2Dアクションゲームとして大ヒットした『Axiom Verge』の開発者Tom Happ氏が登壇しました。今回は『Axiom Verge』が商業的に成功し、1人で5年間という長い歳月の開発をやり遂げた経緯と教訓を話します。


Happ氏はElectronic ArtsやPetroglyph Gamesなどにフルタイムで勤務し、大人数でゲームを開発していましたが、次第に"物足りなさ"を感じるようになり『Axiom Verge』の開発を始めたと語ります。開発期間の最初の4年間は、会社勤めをしながら夜に開発をするという生活。そのような生活を続けられたのは、自分が楽しめていたかどうかがカギになっていると話します。つまり、Happ氏にとって1人でゲームを開発することが趣味のように、時にはリラックスする時間にもなっていたようです。

また、たった1人で開発を続けた理由については、『Axiom Verge』を開発している感覚や醍醐味を全て味わいたかったからだと言います。Happ氏は過去に大勢でゲームを作った経験から、開発人数が多くなればなるほどゲームへの感覚が薄まってしまうことを知っていたからです。


しかし、1人で開発を続ける上では"自分を信じ続けること"に最も苦労したと語り、Happ氏は自身が最も勇気づけられた作品として天谷大輔氏の『洞窟物語』を挙げました。長期間の開発の経てリリースされ、その後徐々にユーザーから評価を受け、今ではインディーゲームのメインストリームの1つとなった『洞窟物語』を見て、「自分にもきっとできるはずだ」と気持ちを奮い立たせたとのことです。開発を始めて1年程度で「自分にはこの作品を作り上げることができない」と絶望するのは簡単で、逆に言うと、そこを乗り越えることがインディー開発における最も大きなハードルではないか、とHapp氏は述べています。


そして、もう1つ苦労したのは"モチベーションの維持"。この問題に対して大切なことは「制作を楽しみの連続にする」ことだと話し、できるだけ自分の開発したい好きな部分を増やすことを提案。実際にHapp氏は、苦手なコリジョン周りの調整部分を少なくして、『Axiom Verge』の物理演算をシンプルにしています。同じ時間を使うのならば、自分がこだわりたい部分に時間を使うべきだと主張しました。

最後に、インディー開発の資金についても言及。開発資金は、他の仕事で貯めたお金や国からの援助金などから賄うことを勧め、Kickstarterなどの出資者を募るサービスは本当に最後の砦であるべきだとHapp氏は考えています。なぜなら、出資者やサポーターからのプレッシャーは開発者にとって想像以上に大きな負担になるので、もし仮にゲームが失敗してしまうと、次のタイトルの開発へ進みにくくなってしまうことがあると説明しました。

『Axiom Verge』はPC版がSteamにて定価1,980円で発売中。公式に日本語サポートされており、現在はPS4版のリリースも調整中とのことです。
《LayerQ》
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