飛躍遂げたUSGサポート選手「Enty」に訊く― 日本『LoL』プロシーンへの想い | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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飛躍遂げたUSGサポート選手「Enty」に訊く― 日本『LoL』プロシーンへの想い

Game*Sparkは、e-Sportsチーム「USG」に所属するプロ『LoL』プレイヤーEnty選手にインタビューを実施。決勝進出は逃したものの、サポートとしてチームを導いた人物から、プロプレイヤーなるまでの道のりや日本『LoL』シーンへの想いを訊きました。

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「Rampage(RPG)」が「Detonation FocusMe(DFM)」を下して幕を閉じた『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends / LoL)』国内公式リーグ春季シーズン決勝戦「League of Legends Japan League(LJL) 2017 Spring Split Final」。激動の今シーズンでトップ2に君臨した両チームのみならず、セミファイナルに至るまでにRPG、DFMと同スコアで並んでいた「Unsold Stuff Gaming(USG)」も、大健闘の注目チームだったことに間違いありません。Game*Sparkは、その「USG」に所属するプロ『LoL』プレイヤーEnty選手にインタビューを実施。決勝進出は逃したものの、サポートとしてチームを導いた人物から、プロプレイヤーなるまでの道のりや、チームメイトとの関係、日本『LoL』シーンへの想いまでを訊きました。

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■昨シーズンからの大成長、それでも試合結果には「満足していない」


――セミファイナルで敗北を喫し、「USG」はリーグ3位という結果となりましたが、現在の心境についてお聞かせください。

Enty選手: 韓国人プレイヤーが入る際のトライアウトもいい感じでしたし、練習も重ねてきて、セミファイナルが近付くにつれ「MSIいけるな」とも思ってました。セミファイナルでは緊張して、僕も全力を出し切れていなかったので、あまり満足できていません。

――チームメイトとのコミュニケーションについて。特に韓国人プレイヤーとは言語の壁など、難しいところもあるのではないでしょうか。

Enty選手: ゲーム内では、練習後のフィードバックですかね。ここで連携が足りてないから今後はこうしよう、とか。僕はゲーム外でのコミュニケーションもめっちゃ大事だと考えています。韓国人プレイヤーのNeoREMINDとは、僕と年齢が近く、ノリが似ているのもあって、交流ができているほうだと思います。apaMENHarettiの2人は年齢的な差もあるので、会話の内容にも少し距離があるかなと。

――『LoL』以外でチームメイトと遊ぶ機会などはありますか。プライベートで遊びに行ったり、他のゲームをプレイしたりは。

Enty選手: 最初は『LoL』以外でコミュニケーションを取ることはなかったんですけど、最近はNeoと一緒に他のゲームをやったりしてますね。プライベートではご飯いったり温泉いったりとか。ただ、年齢差があるとノリが違ったりするので、あまり自分からは遊びに誘ったりしないですね。

――確かに年齢差はありますね。ところで、USGは今シーズン、セミファイナルまでに「8勝2敗」という成績でDetonatioN FocusMeやRampageと並んでいました。昨シーズンは「2勝8敗」というスコアだったUSGにとってこれは大きな成長だと思われますが、チーム全体に何か大きな変化はありましたか。

Enty選手: やはりメンバーチェンジが大きいです。みんなのモチベーションも去年とは違いました。前のシーズンはいろいろあってやる気が落ちてたんですが、そこは改善できました。ゲーム後のフィードバックを、前シーズンより深めたりもしていました。

――今回のファイナルではファンとの交流を意識した出展ブースがありましたが、Enty選手にとってどのような印象が感じられましたか。

Enty選手: ファンなんてあんまり来ないんじゃないかなって思いましたが、結構並びに来てくれて、こんなにファンがいるのかと嬉しかったですね。応援のメッセージをもらったり握手したり。e-sports cafeやイベントで交流することはありましたが、ブースで直接話をしたのは初めての経験でした。

――Twitterを始めとしたSNSの今後の使い方について、どうお考えでしょうか。ファンとのやりとりが直接できるメリットもあると思われますが、プロゲーマーとしてEnty選手がどう活用していきたいのかをお聞かせください。

Enty選手: Twitterで質問をしてくるプレイヤーの方が多いのですが、映像配信をもっと見てもらえたらいいなって思います。実際にプレイングを見たほうが勉強になると思いますし。

■母親、教師、友人たちが背中を押した「プロゲーマー」への道

――ところで、Enty選手が『LoL』を本格的に始めたのはいつごろでしょうか。

Enty選手: 2014年です。高校2年生のころ、ゲームがシーズン4になった時期でした。最初は北米サーバーで遊んでました。

――Enty選手はプロゲーマーの道を選ぶ際、仕事の内定を断っていたとのことでしたが、家族から反対されたりはしませんでしたか。

Enty選手: 最初はチームのみんなにも「就職したら辞める」って言ってまして、やっていくうちに楽しくなりつつも悩んでいました。給与の面もありますけど、母から「やらずに後悔するよりはやって後悔したほうがいい」という話をされたところも大きいです。

――ご両親からの理解もあったのですね。「プロゲーマー?なんなのそれ?」といったような反応はなかったのでしょうか。

Enty選手: なくはなかったですね。でも、内定を選んだとしても親的には「もし就職してもいつ会社が潰れるか分からないし」みたいな話をされました


――友人や他の知人からはどのような反応がありましたか。

Enty選手: 『LoL』をやってない友人からもいろいろ反応がありましたね。僕って『LoL』以外の普通のゲームも上手いほうなんで、友達や先生も応援してくれたりして。

――学校の先生もプロゲーマーの道に理解を示していたのですね。

Enty選手: そうですね。ただ、学校側からはイヤな顔をされてました。内定を断るのは良くない話ですし、他の先生が担任だったら応援されてなかったと思います。

――『LoL』以外のゲームも得意とのことでしたが、Enty選手の記憶に残っている「人生初のゲーム」は?

Enty選手: あまり覚えていないのですが、任天堂のゲーム機で、『マリオ』や『ドンキーコング』を遊んでいました。PCゲームに触れたのは小学3年生のころで、父が遊んでいるのを見て、そこから始めました。

――小学3年生でPCゲームとは凄まじく早いですね。『LoL』を始める前からも、リアルタイムストラテジーやMOBAに興味はあったのでしょうか。

Enty選手: 正直全然興味なかったです(笑)。最初は『LoL』もテキストが英語だし覚えることが多いし、「難しいな」って思ってました。その頃はFPSばかりやってたのでどんなもんかなと思ってたのですが、やってみたらめちゃめちゃハマって。


――『Left 4 Dead 2』の大会シーンでも活躍されていたそうですが、『LoL』プロプレイヤーであるEnty選手の今の考え方と、当時のプレイスタイルに通ずるものはありますか。

Enty選手: あのゲームって4人のプレイヤーで一緒に進む協力ゲームなんですけど、1人でガンガン行くタイプでしたね。野良プレイだったら基本的に1人で行って、荒らし呼ばわりされちゃったり(笑)。

■Entyが考える日本『LoL』プロシーンの課題

――3月から『リーグ・オブ・レジェンド』の正式サービスが始動しましたが、プロとして、もしくはいちプレイヤーとして心境の変化はありましたか。また、今から日本サーバーで『LoL』を始めるプレイヤーはプロ選手になれると思いますか。

Enty選手: 正直なところ、まだあまり実感がないですね。日本サーバーからプロに上がってくるということももう少し時間がかかると思っています。サーバー全体のレベルも高くはないですし、今の「LJL」プレイヤーとは差があると思います。

――「北米サーバー」「韓国サーバー」、そして「日本サーバー」の間にはどういった差があると思いますか。

Enty選手: 北米はチャットでの文句も多い印象ですが、みんな楽しい感じでやってるなと思います。北米の一部プレイヤーはゲームに対して「意識が低い」ようにも感じましたが、韓国サーバーのランク上位は全然違うなって。ゲーム開始直後、すぐにショップから出て動き始めるところとか。


――「LJL」と韓国リーグ「LoL Champions Korea(LCK)」にはどのような差があると思いますか。

Enty選手: 「個人のスキル」です。チームとしてのスキルはある程度追いついてきていると思うのですが、個人としての技量はまだ足りてないかなと。LCK選手はランキング上位のソロプレイヤーが多いので、個人としてはとても強い印象です。

――Enty選手の次の目標や、これからやってみたいことを教えてください。

Enty選手: 次のチームメンバーが固まっていないので具体的には言えないんですが、「World Championship」には出たいです。僕個人としては、日本サーバーのレベルも上げたほうがいいんじゃないかと思ってます。そうすれば、プレイヤー人口が増えて、全体のレベルも上がりますから。そこさえなんとかすれば韓国にも通用するかもしれません。僕も最初は「プロと会いたい」という気持ちがあったので、日本人の『LoL』プロ選手ももっと日本サーバーでプレイを重ねていくべきだと考えてます。

――本日はありがとうございました。

《Game*Spark》
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