『メタルマックス』はいかにして生まれたのか? 宮岡寛氏が語り倒した 「メタルマックス25周年トークイベント」レポート | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『メタルマックス』はいかにして生まれたのか? 宮岡寛氏が語り倒した 「メタルマックス25周年トークイベント」レポート

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『メタルマックス』はいかにして生まれたのか? 宮岡寛氏が語り倒した 「メタルマックス25周年トークイベント」レポート
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1月26日(金)、渋谷・LOFT9 Shibuyaにて「4Gamer.net Presents「メタルマックス」25周年メモリアルトークイベント ~お一人様、10Gだよ! 犬は…5Gでいいよ!~」が開催されました。トークは、角川ゲームスから4月19日に発売される『メタルマックス Xeno -滅ぼされざる者たち-(以下『Xeno』)』の河野順太郎プロデューサー、4Gamer.netでの人気コラム「男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ」で知られるプロレスラーの男色ディーノ氏、そして『Xeno』でマリアを演じる声優のたかはし智秋さんの3人で進行。全3部構成による濃密なトークの内容をお届けします。

前列左から門倉聡氏、宮岡寛氏、たかはし智秋さん、山本貴嗣氏。後列左から男色ディーノ氏、河野順太郎氏

◆『メタルマックス』が生まれるまで――堀井雄二氏、『ドラゴンクエスト』との出会い


まずは『メタルマックス』シリーズの生みの親である宮岡寛氏、デザイナーの山本貴嗣氏、そしてサウンドの門倉聡氏が登壇し、第一部は「ゲームデザイナー・宮岡寛とはいかなる人物なのか?」、「メタルマックスはどのようにして生まれたのか?」をテーマにスタート。

元は作家志望だったという宮岡氏に、大きな転機が訪れたのは大学生の時。漫画原作者・小池一夫氏による「小池一夫劇画村塾」の第一期生でもあった宮岡氏は、山本氏の紹介でさくまあきら氏と知り合い、フリーライターとして活動を開始。そうして出会ったのが、当時はまだ同じくフリーライターであった堀井雄二氏と、編集者として辣腕をふるっていた鳥嶋和彦氏でした。

2人の下で、「ミヤ王」というペンネームで週刊少年ジャンプのゲーム紹介連載企画「ファミコン神拳」に携わった宮岡氏は、やがて堀井氏に誘われ『ドラゴンクエスト』の一作目から『III』までの制作に参加。その中で宮岡氏は、次第に「堀井氏がめざすゲーム作りと、自分がやりたいことのズレ」を意識するようになっていったといいます。

そんな折、宮岡氏によるゲームデザインでゲームを一本制作しようという話が浮上。その作曲者として挙げられたのが門倉聡氏でした。ですが、結局このゲームは日の目を見ることなく終わってしまったそうです。

その次に、宮岡氏に同様の話を持ち掛けたのが、『メタルマックス』を発売することになるデータイースト……というところで、ここでゲストとして、同作の企画を手がけたとみさわ昭二氏と、プログラムを担当した田内智樹氏が登場しました。

会場で紹介された初代『メタルマックス』の制作資料の一部

二度目のチャレンジとなるゲームの企画を考えていた宮岡氏が『メタルマックス』というタイトルとともに考えついたのは、なんと「自分(主人公)をサイボーグ化して強化していく」ゲームだったとのことで、当初は戦車(クルマ)というアイディアはなかったそうです。

戦車に乗る要素は、1983年稼働のアーケードゲーム『フロントライン』から、滅びを間近にむかえた世界というモチーフはSF小説『渚にて』から影響を受けたものとのこと。そして、当時のRPGとしてはめずらしい自由度の高さは、宮岡氏が「ストーリーを先に進めるために、いちいちフラグを立てなければならないのは面倒。そもそも、RPGにストーリーは必要なのか?」と常々考えていたからなのだそうです。

堀井氏が『ドラゴンクエストIII』の制作に忙しく「ファミコン神拳」まで手が回らなくなってしまったときに新メンバー「カルロス」として同連載企画に携わったとみさわ氏は、「『メタルマックス』の制作に参加したときは「ついに自分もゲームで一発当てるときがきたか! と思いました(笑)」と当時を振り返り、データイーストに入社して間もない新人プログラマーとして参加した田内氏は「企画書には仕様が書かれていなかったモードCやモードD(編集部注:味方や敵の戦闘アニメーションを一斉に表示するモード)を実装するのが大変でした。でも、僕は『ドラクエIII』に衝撃を受けてこの業界に入りましたので、それを手がけた方の一人とご一緒できるのはとても楽しかった」と語りました。

左がとみさわ氏によるラフイラスト。それを元に山本氏が右のようにデザイン

自分の描いたラフが魅力的なデザインになったうれしさを語るとみさわ氏(右から二番目)と、当時はまだ新人だったと振り返る田内氏(一番右)

ところが、ソフトの開発は自由度の高さがネックとなって難航。スーパーファミコンより前にリリースするつもりが、結局発売日はスーパーファミコンより半年あとの1991年5月24日に。それがアダとなり、想定よりも売り上げが立たなかったとのことでした。

ただ、『メタルマックス』は購入したプレイヤーからの満足度が高く、アンケートハガキの戻りがとてもよかったとのこと。そのことはもちろんデータイーストも把握しており、当時の営業部長が「このゲームはひと味違う」と実感。それによって、続編制作へのゴーサインが出たそうです。

スーパーファミコンでの開発が決まった2作目のテーマは「復讐」。生と死を決して軽く扱わず、遊んだ人一人ひとりが深く考えてくれたらという思いで、主人公の母親代わりである女戦士マリアが非業の死を遂げる冒頭を描いたとのことです。田内氏が「そうしてできた『メタルマックス2』は、「一作目の数倍は売れたのではないでしょうか」と振り返り、トーク第一部は幕を閉じました。

休憩時間には、深い愛情が込められたファンアートが紹介されました

◆幻のドリームキャスト用ソフト『メタルマックス ワイルドアイズ』まさかの実機映像!


第二部のテーマは「再生」。さまざまな事情で新作のリリースに大きな期間が空いてしまった、シリーズ中期の足跡を振り返ります。初代プレイステーションの登場により、大きな変化をむかえつつあった当時のゲーム業界。宮岡氏率いるクレアテックも、少人数ながらゲームの開発を手がけるデベロッパーとして、仕事の受注先を探していました。ちょうどその頃、先ほど話に挙がった元データイーストの営業部長がアスキーに転職しており、「版権は自分がなんとかするから、『メタルマックス』の新作を作らないか」と声をかけてくれたことで、待望の新作制作に取りかかれることに。

そうして動き出した新作のタイトルは『メタルマックス ハート・オブ・ゴールド』。『メタルマックス』ならでのは自由度の高さとストーリーを両立させるというコンセプトで、ドリームキャスト用タイトルとして制作が始まりました。

ステージ上では、ここでなんとドリームキャストの実機が登場。開発中だった同作のチェック用実機映像が披露されました。『ハート・オブ・ゴールド』は以下のような特徴やコンセプトで制作が進められていたそうです。

・広い世界を自由に旅する、オープンワールドのようなシステム
・世界の端から端までは、時速300kmで走行する戦車でも8分くらいかかる広さ
・移動距離(移動時間)が長くなるので、フィールドの曲はおとなしめに

(編注:実機映像では曲も聞くことができました)
・敵との戦闘はランダムエンカウント。ただし、フィールド上を徘徊する巨大な敵もいる
・ラトーヤという女ソルジャーが登場する予定だった


『ワイルドアイズ』の実機テスト映像。左はフィールドを疾走するレッドウルフ。右は主人公でしょうか

ただ、宮岡氏が当初思い描いていたものはあまりにボリュームが大きすぎて開発チームからストップがかかり、マップとストーリーの規模を縮小せざるを得なくなってしまったとのこと。そうして物語を見直し、『メタルマックス ワイルドアイズ』と改題して制作を進めますが、今度はアスキー側の事情で制作を中断せざるを得ない緊急事態に。そんなときに手を上げてくれたのがセガだった、と宮岡氏は語ります。


『ワイルドアイズ』に関するさまざまな設定イラスト

「完成させてくれれば販売は請け負う」というセガの申し出を受けた宮岡氏は、開発チームのチーフに「あと3か月あれば完成する」との言を取り、自腹を切っての制作続行を決意。ところが、苦難はまだまだ続きます。なんと、三か月経っても、まったく完成のめどが立っていなかったのです。もう一度ヒアリングをしたら「あと三か月あれば」と、三か月前とまったく同じことを言われたうえ、そこで運転資金もつきてしまったとのことで、ついに『ワイルドアイズ』は正式にお蔵入りとなってしまったそうです。

ペットに関する設定案。左はおなじみ、犬のポチですが、右は犬に代わるペット案を模索している模様。「牛」の放つインパクトがすごいです

そうした苦難を経て、ニンテンドーDS用ソフトとして角川ゲームスから『メタルマックス3』が発売されたのは、実に2010年のこと。『2』の発売から17年もの期間が空いてしまいましたが、シリーズが途絶えなかったのは、例え形にならずとも宮岡氏たちが新作を諦めない姿勢を持ち続けてくれたからと言えるでしょう。

第二部終了後は、たかはし智秋さんのサイン色紙をかけたジャンケン大会も

トーク第三部では『メタルマックス Xeno』の最新情報が!
《蚩尤》

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